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第4話 強敵退治をした後は、やっぱり話は大事になる。
Chapter-14
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「え? それはどういうことです?」
上級伯の説明を聞いて、俺は思わず訊き返してしまっていた。
「君自身が言ってたそうじゃないか、不自然に風が抜ける、と」
「あ!」
そう言えば、そんな事もあったな。
マンゲツツユコケが自生、それも密生するには、風通しがよすぎる、と。
「その事もあって、元々近くにあった別々の洞窟同士が、何かのはずみで、繋がってしまったのではないかというのが、リリーや調査隊の見立てなんだ」
「そう言えば、ひと月半ほど前に、村で地震──地揺れがあったと言っていましたね」
上級伯の言葉に、俺は真剣な表情になって、そう言った。
「うむ、おそらくその時に、壁の崩落が起きて、ふたつの洞窟が繋がってしまったのだろう。実際、ドラゴンが巣を作っていた方に、崩れた岩が転がり落ちた形跡があったからね」
「それが原因で、元々、洞窟に住み着いていた、小型の魔獣が、ドラゴンから逃げようと、ノール村の入口の方に移動していた……ということですか」
「結論を言えば、そういうことになるだろうね」
地震が原因でふたつの洞窟が繋がったのが、魔獣の暴走と、その結果、俺達がドラゴンと出くわすハメになった、一連の原因──
いや、ノールからさほど離れていない領都で地震を感じなかったことを考えると、何かが原因で、ドラゴンが暴れた結果、洞窟が崩れた、その時の振動が、村に伝わった、その可能性の方が高いかもしれない。
「しかし、君達には災難だったかもしれないが、おかげで、竜禍で人的被害を出さずに住んだ。これには感謝している。本当に、ありがとう」
上級伯が、わざわざ、俺達に向かって、頭を下げた。
「やめてください、俺達も、自分達が助かりたくて必死だっただけですから。それに、俺達が不必要にドラゴンを刺激しなければ、それまでの話だったかもしれませんし」
俺は、妙に照れくさくなって、慌てて手を振りながら、そう言った。ジャックや、キャロやエミ達も、似たような感じらしく、くすぐったそうに苦笑して、お互い顔を合わせ合ったりしている。
「いや、あの洞窟はノール村の重要な収入源だった。君達が行かなかったとしても、いずれ本格的な調査隊を送り込む事になっていただろう」
それもそうなのかもしれないが……
「もし、それでドラゴンをノール村の側に呼び寄せてしまったら、本当に大規模な竜禍になっていたかもしれないんだ」
ノール村側の洞窟の出入り口は、狭く、ドラゴンが通れるような空間ではない。
だが、洞窟のノール村側のホールは、浅いところにあって、陽が差し込むほどだ。そこにドラゴンが入り込んで、暴れれば、簡単に崩れてしまうだろう。
そうなれば、ノール村は、目と鼻の先だ。最悪、村が襲われる可能性もあったわけだ。
下位種のドラゴンと言えど、人間がそう簡単に倒せるわけじゃない。たまたま俺達は、ヤツが自在に身動きできない状況で戦うことが出来、さらに、止めを刺す手段があった。それが幸いしただけだ。
「今回の竜禍を、未然に防いだ。この功績は大きい。そこで、私は、今回のドラゴン退治の立役者である、アルヴィン君、君を、爵位に推薦しようと思うんだ」
「え」
えええええーっ!?
原作ルートは離れたと思ったのに、結局、そうなっちゃうの?
原作ルートのマイケル・アルヴィンも、ドラゴンを退治したことがきっかけで、授爵の流れになるんだけど……
でも、それはマイケル・アルヴィンが、ほとんど1人で、アンデッド・ドラゴンを倒したからだ。
「待ってください……今回、ドラゴンに止めを刺したのは確かに俺かもしれませんが、それはここにいる、パーティーメンバーの協力があったからです。俺1人の功績じゃ、ないんですよ」
俺は、ふたつの意味で困惑しながら、上級伯にそう言った。
「それならば、その勲功を割るのも、君自身がやってくれればいいと、思ったのだがね」
「え?」
俺が狐につままれたような感覚になると、上級伯は、一瞬、口元で悪戯っぽく笑う。
「そうだよ、アルヴィンが授爵してさ、俺達を陪臣にでもしてくれれば。そうすれば、俺達も将来の心配をしなくて済むし」
「そうよ、それなら納得できるわ」
ジャックが、弾んだ声で言い、キャロがそれに同意した。エミも、コクコクと頷いている。
「それにさ」
姉弟子が、話しかけてきた。
「アルヴィンは、冒険者免許を受けたら、その後は半分農家でもやりながら、のんびり過ごすっていうのが将来の希望なんだよね?」
「え、まぁ……そうですけど」
上級伯の手前、少しおずおずとしながら、俺はそう答えた。
「だったらさ、農業の栄えている領地でも貰って、そこでそう過ごせばいいじゃない。それなら、生活に困ることもないだろうし、楽だろ?」
姉弟子はそう提案してきた。
「なるほど……そういう手も、有りっちゃ有りですね……」
「だろう?」
俺が少しその気を見せると、姉弟子がそそのかすようにそう返してきた。
「私からも、君が君の要望するような領地を貰えるよう、今回の事の顛末を添えて、推薦状を書いておこう」
上級伯は、口元で穏やかに笑いながら、そう言ってくる。
「はぁ……」
「なんだ、まだ気乗りしないのかい?」
俺が、少し気の抜けた返事をしてしまったからか、姉弟子は、少し心配そうにそう訊ねてきた。
「アルヴィン、どのみちここで断るなんて、上級伯に失礼よ?」
キャロも、追い込むかのようにそう言ってくる。
いや、別に悪くないかなーというビジョンが浮かんでしまったから、一瞬、気の抜けた返事をしてしまっただけなんだよね。
だから、
「わかりました、そういう事でしたら、お受けいたします」
そう言って、俺は、頭を深く下げた。
「それから、ドラゴンの遺骸に対する権利なんだが……」
俺が頭を上げると、上級伯は、次の話題、と言う感じで、そう切り出した。
「もちろん、あのドラゴンの権利は、君達のものだ」
「まぁ、アルヴィンが倒れていたから、解体は私がやっておいたけどね」
上級伯に続いて、姉弟子が口元で笑みを浮かべながらそう言った。
「鱗に関しては、アルヴィンの大灼熱魔法でほとんど駄目になってたけど、焼け残った肉と、骨と爪だけでも、ひと財産だからね」
姉弟子が言う。
と、言うのも、肉はともかくとして、ドラゴンの骨や爪は、上質なドライ・マナを製造するための触媒素材として有用なんだ。
だから、かなりの高値で取引されている。
原作のマイケル・アルヴィンは、元が古代上位種であるアンデッド・ドラゴンを倒して、その遺骸を売ったことで、ひと財産作ったりするのだが──
下位種のドラゴンでも、ドライ・マナの素材としてはかなりグレードが高く、それなりの値段は、つくはずだった。
「ただ、このブリュサムズシティでは、ドラゴンの遺骸の換金は、難しい。だが、帝都では、有用なドライ・マナの素材を欲している。だから、手間をかけてしまうのは申し訳ないが、君自身が、帝都に運んでもらえないだろうか?」
「俺自身が、ですか」
「格納の魔法は、使えるんだろう?」
「ええ、まぁ」
上級伯の問いかけに、俺は、簡単に答えた。
格納の魔法。
まぁ、簡単に言ってしまえば、異次元ポケットである。
物体を、別の、世界から影響を受けない空間に飛ばしておく。
そして、その飛ばした物体と、鍵になる別の物体を紐付けておくことで、鍵にした物体を通して、自在に出し入れできる、という、感じのものだ。
俺が、鍵になる物品として使っているのは、いつもは装備品の一部として着けているマント。これが、まぁ割かれたり破かれたり程度だったらいいのだが、燃えたりして完全に消失してしまうと、格納したものを取り出すのはまず絶望的になってしまうので、耐火のルーンを埋め込んである。と言っても、ドラゴンブレスとかだと、流石に気休めにしかならないが。
ちなみに、師匠や姉弟子も、やっぱりマントを使っている。今は、姉弟子が、格納してくれているのだろう。
「丁度、学校も年越しの休業に入る。旅費は私が出すから、一度帝都に行くという意味でも、言ってきてもらえるとありがたい」
お、旅費を出してもらえるとは、ありがたい。
年越しの休業は、日本の、関東地方の冬休みより、前後に1週間ずつほど長い。まぁ、帰省するとなると、実家まで1週間ほどかかる者も少なくないから、そうなっているんだが。
対して、夏季休業は、同じく夏休みほど長くない。そもそも、日本のお盆のように先祖を慰霊する行事はあるものの、その時期じゃないし。
で、まぁ俺は、別に、もうおん出てきた実家に帰省するつもりはなかったし、特に予定がないならないで、ブリュサムズシティで過ごすつもりだったから、物見遊山で帝都行きができるのも、悪くはない話なのだ。
「あの……」
おずおずと、手を上げるようにして、キャロが発言する。
「それって、私達も着いて行っていいんでしょうか?」
「もちろんだとも」
上級伯は、笑顔でそう言った。
「不都合がなければ、4人で行ってくるといい。君達の後々の為に、なるだろうからね」
で、ここからちょっと蛇足。
ノール村のマンゲツツユコケの洞窟なんだけど、沢からの洞窟と繋がっちまって、風通しが良くなって、マンゲツツユコケの自生地としてはもう使い物にならない、かと思っていたんだけど……
山間の沢側の入り口を、塞いでしまうことになったそうだ。
まぁ、実際、ドラゴンが巣食ったりしてたわけだし、そんな危ないところを、放置しておくわけには行かないわな。
そんなわけで、沢側の入口を閉じてしまえば、また風通しはなくなるので、次の雨季の後には、また密生が復活しているだろう、との目論見のこと。
まぁ、ノール村自体は、他にも農作物を作ったりしているから、いきなり生活に困ることはないんだろうが。
むしろ、ブリュサンメル上級伯領として、収入源の一部がなくなるのが、問題なんだよな。
うまく目論見通りに行けばいいと思うが。
上級伯の説明を聞いて、俺は思わず訊き返してしまっていた。
「君自身が言ってたそうじゃないか、不自然に風が抜ける、と」
「あ!」
そう言えば、そんな事もあったな。
マンゲツツユコケが自生、それも密生するには、風通しがよすぎる、と。
「その事もあって、元々近くにあった別々の洞窟同士が、何かのはずみで、繋がってしまったのではないかというのが、リリーや調査隊の見立てなんだ」
「そう言えば、ひと月半ほど前に、村で地震──地揺れがあったと言っていましたね」
上級伯の言葉に、俺は真剣な表情になって、そう言った。
「うむ、おそらくその時に、壁の崩落が起きて、ふたつの洞窟が繋がってしまったのだろう。実際、ドラゴンが巣を作っていた方に、崩れた岩が転がり落ちた形跡があったからね」
「それが原因で、元々、洞窟に住み着いていた、小型の魔獣が、ドラゴンから逃げようと、ノール村の入口の方に移動していた……ということですか」
「結論を言えば、そういうことになるだろうね」
地震が原因でふたつの洞窟が繋がったのが、魔獣の暴走と、その結果、俺達がドラゴンと出くわすハメになった、一連の原因──
いや、ノールからさほど離れていない領都で地震を感じなかったことを考えると、何かが原因で、ドラゴンが暴れた結果、洞窟が崩れた、その時の振動が、村に伝わった、その可能性の方が高いかもしれない。
「しかし、君達には災難だったかもしれないが、おかげで、竜禍で人的被害を出さずに住んだ。これには感謝している。本当に、ありがとう」
上級伯が、わざわざ、俺達に向かって、頭を下げた。
「やめてください、俺達も、自分達が助かりたくて必死だっただけですから。それに、俺達が不必要にドラゴンを刺激しなければ、それまでの話だったかもしれませんし」
俺は、妙に照れくさくなって、慌てて手を振りながら、そう言った。ジャックや、キャロやエミ達も、似たような感じらしく、くすぐったそうに苦笑して、お互い顔を合わせ合ったりしている。
「いや、あの洞窟はノール村の重要な収入源だった。君達が行かなかったとしても、いずれ本格的な調査隊を送り込む事になっていただろう」
それもそうなのかもしれないが……
「もし、それでドラゴンをノール村の側に呼び寄せてしまったら、本当に大規模な竜禍になっていたかもしれないんだ」
ノール村側の洞窟の出入り口は、狭く、ドラゴンが通れるような空間ではない。
だが、洞窟のノール村側のホールは、浅いところにあって、陽が差し込むほどだ。そこにドラゴンが入り込んで、暴れれば、簡単に崩れてしまうだろう。
そうなれば、ノール村は、目と鼻の先だ。最悪、村が襲われる可能性もあったわけだ。
下位種のドラゴンと言えど、人間がそう簡単に倒せるわけじゃない。たまたま俺達は、ヤツが自在に身動きできない状況で戦うことが出来、さらに、止めを刺す手段があった。それが幸いしただけだ。
「今回の竜禍を、未然に防いだ。この功績は大きい。そこで、私は、今回のドラゴン退治の立役者である、アルヴィン君、君を、爵位に推薦しようと思うんだ」
「え」
えええええーっ!?
原作ルートは離れたと思ったのに、結局、そうなっちゃうの?
原作ルートのマイケル・アルヴィンも、ドラゴンを退治したことがきっかけで、授爵の流れになるんだけど……
でも、それはマイケル・アルヴィンが、ほとんど1人で、アンデッド・ドラゴンを倒したからだ。
「待ってください……今回、ドラゴンに止めを刺したのは確かに俺かもしれませんが、それはここにいる、パーティーメンバーの協力があったからです。俺1人の功績じゃ、ないんですよ」
俺は、ふたつの意味で困惑しながら、上級伯にそう言った。
「それならば、その勲功を割るのも、君自身がやってくれればいいと、思ったのだがね」
「え?」
俺が狐につままれたような感覚になると、上級伯は、一瞬、口元で悪戯っぽく笑う。
「そうだよ、アルヴィンが授爵してさ、俺達を陪臣にでもしてくれれば。そうすれば、俺達も将来の心配をしなくて済むし」
「そうよ、それなら納得できるわ」
ジャックが、弾んだ声で言い、キャロがそれに同意した。エミも、コクコクと頷いている。
「それにさ」
姉弟子が、話しかけてきた。
「アルヴィンは、冒険者免許を受けたら、その後は半分農家でもやりながら、のんびり過ごすっていうのが将来の希望なんだよね?」
「え、まぁ……そうですけど」
上級伯の手前、少しおずおずとしながら、俺はそう答えた。
「だったらさ、農業の栄えている領地でも貰って、そこでそう過ごせばいいじゃない。それなら、生活に困ることもないだろうし、楽だろ?」
姉弟子はそう提案してきた。
「なるほど……そういう手も、有りっちゃ有りですね……」
「だろう?」
俺が少しその気を見せると、姉弟子がそそのかすようにそう返してきた。
「私からも、君が君の要望するような領地を貰えるよう、今回の事の顛末を添えて、推薦状を書いておこう」
上級伯は、口元で穏やかに笑いながら、そう言ってくる。
「はぁ……」
「なんだ、まだ気乗りしないのかい?」
俺が、少し気の抜けた返事をしてしまったからか、姉弟子は、少し心配そうにそう訊ねてきた。
「アルヴィン、どのみちここで断るなんて、上級伯に失礼よ?」
キャロも、追い込むかのようにそう言ってくる。
いや、別に悪くないかなーというビジョンが浮かんでしまったから、一瞬、気の抜けた返事をしてしまっただけなんだよね。
だから、
「わかりました、そういう事でしたら、お受けいたします」
そう言って、俺は、頭を深く下げた。
「それから、ドラゴンの遺骸に対する権利なんだが……」
俺が頭を上げると、上級伯は、次の話題、と言う感じで、そう切り出した。
「もちろん、あのドラゴンの権利は、君達のものだ」
「まぁ、アルヴィンが倒れていたから、解体は私がやっておいたけどね」
上級伯に続いて、姉弟子が口元で笑みを浮かべながらそう言った。
「鱗に関しては、アルヴィンの大灼熱魔法でほとんど駄目になってたけど、焼け残った肉と、骨と爪だけでも、ひと財産だからね」
姉弟子が言う。
と、言うのも、肉はともかくとして、ドラゴンの骨や爪は、上質なドライ・マナを製造するための触媒素材として有用なんだ。
だから、かなりの高値で取引されている。
原作のマイケル・アルヴィンは、元が古代上位種であるアンデッド・ドラゴンを倒して、その遺骸を売ったことで、ひと財産作ったりするのだが──
下位種のドラゴンでも、ドライ・マナの素材としてはかなりグレードが高く、それなりの値段は、つくはずだった。
「ただ、このブリュサムズシティでは、ドラゴンの遺骸の換金は、難しい。だが、帝都では、有用なドライ・マナの素材を欲している。だから、手間をかけてしまうのは申し訳ないが、君自身が、帝都に運んでもらえないだろうか?」
「俺自身が、ですか」
「格納の魔法は、使えるんだろう?」
「ええ、まぁ」
上級伯の問いかけに、俺は、簡単に答えた。
格納の魔法。
まぁ、簡単に言ってしまえば、異次元ポケットである。
物体を、別の、世界から影響を受けない空間に飛ばしておく。
そして、その飛ばした物体と、鍵になる別の物体を紐付けておくことで、鍵にした物体を通して、自在に出し入れできる、という、感じのものだ。
俺が、鍵になる物品として使っているのは、いつもは装備品の一部として着けているマント。これが、まぁ割かれたり破かれたり程度だったらいいのだが、燃えたりして完全に消失してしまうと、格納したものを取り出すのはまず絶望的になってしまうので、耐火のルーンを埋め込んである。と言っても、ドラゴンブレスとかだと、流石に気休めにしかならないが。
ちなみに、師匠や姉弟子も、やっぱりマントを使っている。今は、姉弟子が、格納してくれているのだろう。
「丁度、学校も年越しの休業に入る。旅費は私が出すから、一度帝都に行くという意味でも、言ってきてもらえるとありがたい」
お、旅費を出してもらえるとは、ありがたい。
年越しの休業は、日本の、関東地方の冬休みより、前後に1週間ずつほど長い。まぁ、帰省するとなると、実家まで1週間ほどかかる者も少なくないから、そうなっているんだが。
対して、夏季休業は、同じく夏休みほど長くない。そもそも、日本のお盆のように先祖を慰霊する行事はあるものの、その時期じゃないし。
で、まぁ俺は、別に、もうおん出てきた実家に帰省するつもりはなかったし、特に予定がないならないで、ブリュサムズシティで過ごすつもりだったから、物見遊山で帝都行きができるのも、悪くはない話なのだ。
「あの……」
おずおずと、手を上げるようにして、キャロが発言する。
「それって、私達も着いて行っていいんでしょうか?」
「もちろんだとも」
上級伯は、笑顔でそう言った。
「不都合がなければ、4人で行ってくるといい。君達の後々の為に、なるだろうからね」
で、ここからちょっと蛇足。
ノール村のマンゲツツユコケの洞窟なんだけど、沢からの洞窟と繋がっちまって、風通しが良くなって、マンゲツツユコケの自生地としてはもう使い物にならない、かと思っていたんだけど……
山間の沢側の入り口を、塞いでしまうことになったそうだ。
まぁ、実際、ドラゴンが巣食ったりしてたわけだし、そんな危ないところを、放置しておくわけには行かないわな。
そんなわけで、沢側の入口を閉じてしまえば、また風通しはなくなるので、次の雨季の後には、また密生が復活しているだろう、との目論見のこと。
まぁ、ノール村自体は、他にも農作物を作ったりしているから、いきなり生活に困ることはないんだろうが。
むしろ、ブリュサンメル上級伯領として、収入源の一部がなくなるのが、問題なんだよな。
うまく目論見通りに行けばいいと思うが。
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