無茶な残業をしたら、ワンコ系部下の恋人に、会社のデスクで無茶苦茶にされる羽目になった話。

丹砂 (あかさ)

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無茶な残業をしたら、ワンコ系部下の恋人に、会社のデスクで無茶苦茶にされる羽目になった話。 2

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この後、どれだけ泣かされるか、知っているのだ。スンナリと受け入れきれるはずがない。だからと言って、素直に謝って『許して欲しい』って懇願するには、俺のプライドが抵抗していた。

「……素直に “ごめんなさい” って、言えないんだ」

ふーん。
聞こえた佐々木の声の温度が、また少し下がったようだった。

「主任から謝って、“許して欲しい” ってお願いするなら、少しは考えてあげたのにね」

俺の言いたい事なんて筒抜けで、そして、言えなかった事も気付かれていたんだ、ってその言葉で伝わってくる。

「さ、佐々木ーーー」

「でも、もう遅いですけどね」

言葉に被せられるように切り捨てられて、俺の喉が引き攣った。

「主任ここに乗って下さい」

いつの間にか主任用の大きな机の上にあった書類が、全て横に寄せられている。簡単に片付けられた机の上を、佐々木の指が指していた。

ついに始まってしまう。

佐々木の冷たいその言葉に、俺の顔はきっとハッキリと歪んでいる。

フロア全体が見渡せるように置かれたデカい机は、こんな事の為にあるんじゃない。

「……ここは、イヤ、だ……せめて、俺の部屋で……」

ひどくされる事が分かっているんだから、せめて場所を変えて欲しかった。

「……おねがい、だから……」

不安の前に、疼くプライドを堪えて、縋るように言ってみる。
そんな俺の気持ちが伝わったのか、佐々木が仕方ないって言うような苦笑を向けてくれた。

良かった、目がいつも通りだ。

口元だけが笑っていて、冷え切っていた目が和らいでいる事に気がついて、俺はだいぶホッとした。

もともと俺に懐いて、温厚なコイツの事だ。
さっきはカッとしていたけど、冷静になって分かってくれたんだろう。

この様子なら、ここでの行為は回避できそうだ。何ならこのまま、こんな行為も取り止めてくれるかもしれない。

「なぁ、佐々木。俺も悪かったって思ってる。次は気を付けるから、だからーーー」

もう止めてくれ。そう最後まで言い切る前に、また佐々木の声が重なった。

「ホッとしている所、悪いんですが、ここでこのままやりますよ」

俺はその言葉に、佐々木の胸元をグイッと握った。

「何でだよ!」

「ここでなきゃ、すぐに主任は忘れてしまうからですよ」

「そんな事ない!」

「現に俺との約束を守っていないでしょ? そんな人が、何を言っているんですか?」

「……だから、ってお前……」

「何ですか?」

佐々木の手が、スッと俺の股間に伸びてくる。
そのままゆっくりと込められていく力に、俺は言葉が出なくなる。

「前にムリをして倒れた時に、約束をしたはずでしょう? もう二度とムリをしないって。守れなかったら仕置きだって言っていたのに、それさえも主任は蔑ろにするの?」

ギュウッと握る力が強まっていく。

「ま、まて……やめろ、って……」

それに合わせて、痛みがゆっくりと増していく。力が込められていく手に手を添えながら、俺は痛みに首を振っていた。

「いたぁ……さ、さき、いたい……いたぃ、って……」

逃れようとしたり、手を剥がそうと抗ったりはしない。

「あっ……いたっ、い……あっ……ああぁ、やめ、ろ、って……っ」

ただ縋るようにその手を握りしめながら、佐々木の手が弱まるのを待つしかない。
ひたすらにその痛みに耐え続けながら、制止だけを求めていた。

フッと佐々木の手から力が抜ける。俺にとっては長く感じたその時間も、本当は数十秒程度の時間だったのかもしれない。

「主任は、そんな事をしないですよね?」

でも、俺の反抗心を削ぐには、十分過ぎる時間だった。

素直に頷いた俺の反応に満足したからか、ようやく佐々木の手が俺の股間から離れていった。
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