2 / 4
無茶な残業をしたら、ワンコ系部下の恋人に、会社のデスクで無茶苦茶にされる羽目になった話。 2
しおりを挟む
この後、どれだけ泣かされるか、知っているのだ。スンナリと受け入れきれるはずがない。だからと言って、素直に謝って『許して欲しい』って懇願するには、俺のプライドが抵抗していた。
「……素直に “ごめんなさい” って、言えないんだ」
ふーん。
聞こえた佐々木の声の温度が、また少し下がったようだった。
「主任から謝って、“許して欲しい” ってお願いするなら、少しは考えてあげたのにね」
俺の言いたい事なんて筒抜けで、そして、言えなかった事も気付かれていたんだ、ってその言葉で伝わってくる。
「さ、佐々木ーーー」
「でも、もう遅いですけどね」
言葉に被せられるように切り捨てられて、俺の喉が引き攣った。
「主任ここに乗って下さい」
いつの間にか主任用の大きな机の上にあった書類が、全て横に寄せられている。簡単に片付けられた机の上を、佐々木の指が指していた。
ついに始まってしまう。
佐々木の冷たいその言葉に、俺の顔はきっとハッキリと歪んでいる。
フロア全体が見渡せるように置かれたデカい机は、こんな事の為にあるんじゃない。
「……ここは、イヤ、だ……せめて、俺の部屋で……」
ひどくされる事が分かっているんだから、せめて場所を変えて欲しかった。
「……おねがい、だから……」
不安の前に、疼くプライドを堪えて、縋るように言ってみる。
そんな俺の気持ちが伝わったのか、佐々木が仕方ないって言うような苦笑を向けてくれた。
良かった、目がいつも通りだ。
口元だけが笑っていて、冷え切っていた目が和らいでいる事に気がついて、俺はだいぶホッとした。
もともと俺に懐いて、温厚なコイツの事だ。
さっきはカッとしていたけど、冷静になって分かってくれたんだろう。
この様子なら、ここでの行為は回避できそうだ。何ならこのまま、こんな行為も取り止めてくれるかもしれない。
「なぁ、佐々木。俺も悪かったって思ってる。次は気を付けるから、だからーーー」
もう止めてくれ。そう最後まで言い切る前に、また佐々木の声が重なった。
「ホッとしている所、悪いんですが、ここでこのままやりますよ」
俺はその言葉に、佐々木の胸元をグイッと握った。
「何でだよ!」
「ここでなきゃ、すぐに主任は忘れてしまうからですよ」
「そんな事ない!」
「現に俺との約束を守っていないでしょ? そんな人が、何を言っているんですか?」
「……だから、ってお前……」
「何ですか?」
佐々木の手が、スッと俺の股間に伸びてくる。
そのままゆっくりと込められていく力に、俺は言葉が出なくなる。
「前にムリをして倒れた時に、約束をしたはずでしょう? もう二度とムリをしないって。守れなかったら仕置きだって言っていたのに、それさえも主任は蔑ろにするの?」
ギュウッと握る力が強まっていく。
「ま、まて……やめろ、って……」
それに合わせて、痛みがゆっくりと増していく。力が込められていく手に手を添えながら、俺は痛みに首を振っていた。
「いたぁ……さ、さき、いたい……いたぃ、って……」
逃れようとしたり、手を剥がそうと抗ったりはしない。
「あっ……いたっ、い……あっ……ああぁ、やめ、ろ、って……っ」
ただ縋るようにその手を握りしめながら、佐々木の手が弱まるのを待つしかない。
ひたすらにその痛みに耐え続けながら、制止だけを求めていた。
フッと佐々木の手から力が抜ける。俺にとっては長く感じたその時間も、本当は数十秒程度の時間だったのかもしれない。
「主任は、そんな事をしないですよね?」
でも、俺の反抗心を削ぐには、十分過ぎる時間だった。
素直に頷いた俺の反応に満足したからか、ようやく佐々木の手が俺の股間から離れていった。
「……素直に “ごめんなさい” って、言えないんだ」
ふーん。
聞こえた佐々木の声の温度が、また少し下がったようだった。
「主任から謝って、“許して欲しい” ってお願いするなら、少しは考えてあげたのにね」
俺の言いたい事なんて筒抜けで、そして、言えなかった事も気付かれていたんだ、ってその言葉で伝わってくる。
「さ、佐々木ーーー」
「でも、もう遅いですけどね」
言葉に被せられるように切り捨てられて、俺の喉が引き攣った。
「主任ここに乗って下さい」
いつの間にか主任用の大きな机の上にあった書類が、全て横に寄せられている。簡単に片付けられた机の上を、佐々木の指が指していた。
ついに始まってしまう。
佐々木の冷たいその言葉に、俺の顔はきっとハッキリと歪んでいる。
フロア全体が見渡せるように置かれたデカい机は、こんな事の為にあるんじゃない。
「……ここは、イヤ、だ……せめて、俺の部屋で……」
ひどくされる事が分かっているんだから、せめて場所を変えて欲しかった。
「……おねがい、だから……」
不安の前に、疼くプライドを堪えて、縋るように言ってみる。
そんな俺の気持ちが伝わったのか、佐々木が仕方ないって言うような苦笑を向けてくれた。
良かった、目がいつも通りだ。
口元だけが笑っていて、冷え切っていた目が和らいでいる事に気がついて、俺はだいぶホッとした。
もともと俺に懐いて、温厚なコイツの事だ。
さっきはカッとしていたけど、冷静になって分かってくれたんだろう。
この様子なら、ここでの行為は回避できそうだ。何ならこのまま、こんな行為も取り止めてくれるかもしれない。
「なぁ、佐々木。俺も悪かったって思ってる。次は気を付けるから、だからーーー」
もう止めてくれ。そう最後まで言い切る前に、また佐々木の声が重なった。
「ホッとしている所、悪いんですが、ここでこのままやりますよ」
俺はその言葉に、佐々木の胸元をグイッと握った。
「何でだよ!」
「ここでなきゃ、すぐに主任は忘れてしまうからですよ」
「そんな事ない!」
「現に俺との約束を守っていないでしょ? そんな人が、何を言っているんですか?」
「……だから、ってお前……」
「何ですか?」
佐々木の手が、スッと俺の股間に伸びてくる。
そのままゆっくりと込められていく力に、俺は言葉が出なくなる。
「前にムリをして倒れた時に、約束をしたはずでしょう? もう二度とムリをしないって。守れなかったら仕置きだって言っていたのに、それさえも主任は蔑ろにするの?」
ギュウッと握る力が強まっていく。
「ま、まて……やめろ、って……」
それに合わせて、痛みがゆっくりと増していく。力が込められていく手に手を添えながら、俺は痛みに首を振っていた。
「いたぁ……さ、さき、いたい……いたぃ、って……」
逃れようとしたり、手を剥がそうと抗ったりはしない。
「あっ……いたっ、い……あっ……ああぁ、やめ、ろ、って……っ」
ただ縋るようにその手を握りしめながら、佐々木の手が弱まるのを待つしかない。
ひたすらにその痛みに耐え続けながら、制止だけを求めていた。
フッと佐々木の手から力が抜ける。俺にとっては長く感じたその時間も、本当は数十秒程度の時間だったのかもしれない。
「主任は、そんな事をしないですよね?」
でも、俺の反抗心を削ぐには、十分過ぎる時間だった。
素直に頷いた俺の反応に満足したからか、ようやく佐々木の手が俺の股間から離れていった。
8
お気に入りに追加
176
あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…



被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。
かとらり。
BL
セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。
オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。
それは……重度の被虐趣味だ。
虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。
だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?
そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。
ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…


愛人は嫌だったので別れることにしました。
伊吹咲夜
BL
会社の先輩である健二と達哉は、先輩・後輩の間柄であり、身体の関係も持っていた。そんな健二のことを達哉は自分を愛してくれている恋人だとずっと思っていた。
しかし健二との関係は身体だけで、それ以上のことはない。疑問に思っていた日、健二が結婚したと朝礼で報告が。健二は達哉のことを愛してはいなかったのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる