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3.逃走防止の鎖なの!?
⑪
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チュンチュン、チュンチュン。
なんか眩しい。
俺はまぶた越しに感じる光に、しぶしぶ目を開けた。
あれ?デジャブ?
最近同じような事があった気がする…。でも、ぼうっとした頭では思い出せなくて俺は首をかしげた。
何でこんなに疲れているんだろう?
寝不足か?
「そもそも俺、昨日はいつ寝たっけ?」
それさえも思い出せない。
「昨日も途中で落ちたんだよ」
俺の声に応えるように、いま何かすごく嫌な音が聞こえた気がして俺の身体が固まった。
正直振り返りたくはない。
絶対に振り返ったら負けな気がする。
だから俺は気のせいって事にしてそそくさとベッドから降りようとした。
……そうしようとしたはずなのに、後からがっしりと回された腕が、俺を捕らえて放さなかった。
「どこに行くんだお前は?」
「えぇーと、朝飯を作りに行こうかと……」
「今はそんなの要らねぇな」
「えっ、でもほら腹が減っては、って…」
このセリフにももう一度デジャブだ。
「そうか、そうか。お前が簡単にへばるのは、腹が減ってんのが悪かったって事か。じゃあこれをお前にやろうな」
すっごく爽やかな笑顔を浮かべた師匠が、いつも通りどこから取り出したか分からない小瓶を差し出した。
「……なんですか、これ」
「エターナルポーション」
「はっ!?」
俺はその名前に目を見開いた。
効果はだいたい12時間。
薬効時間内だったら致命傷になるような怪我でも、餓死寸前の空腹でも、たちまちに癒してしまうという回復薬だ。
これこそ最上級の魔法アイテムと言える物だが、ただしお値段も最上級。
国家予算並の高級品だった。
「いやいやいや、アンタ何を考えてるんですか!?」
そんな物を朝食代わりに差し出してくる師匠に俺の顔から血の気が引いた。
「良いから飲め」
後から顎を掴まれ上向かされて、そのまま師匠の唇が重なってくる。
わずかに甘味を持った液体が、とろりと口腔内に満たされて喉の奥に落ちていった。
ちょっと!苦しいって!!
そのまま当たり前みたいに口内を貪る師匠の舌が、喉の奥から口蓋までを何度も掠めるように刺激する。
だんだんと呼吸を求める俺の声に高さが混じって、絡め取られた舌先を甘噛みされれば身体が跳ねた。
「だっ、ダメです!!ここんとこ毎日毎日朝っぱらから!!」
「お前が実験途中に一人だけ、気持ちよくイッて意識飛ばしてんのが悪いだろ」
「ぜったいに俺のせいじゃないです!俺、すっごく辛くて止めて下さいって、何回も言ってたじゃないですか!!」
俺はあんなに頑張ってた(いや、頑張らされていた)のに、あまりの言いようだ。
「もう、絶対に師匠の実験は手伝いませんからね!」
「いや、昨日までの実験はもう終わったから別に良いけどな」
本当は昨日までじゃなくて、これからズッとという意味だったけど、今までの中で一番辛かった実験の終了宣言に、俺は大きく目を見開いた。
「よかった!!じゃあ、あんな実験はもう終わりなんですね?」
「あぁ、実験はな」
今日も機嫌が良いのだろう。
そう言った師匠の顔には、また見慣れないような満面の笑みが広がっていた。
なんか眩しい。
俺はまぶた越しに感じる光に、しぶしぶ目を開けた。
あれ?デジャブ?
最近同じような事があった気がする…。でも、ぼうっとした頭では思い出せなくて俺は首をかしげた。
何でこんなに疲れているんだろう?
寝不足か?
「そもそも俺、昨日はいつ寝たっけ?」
それさえも思い出せない。
「昨日も途中で落ちたんだよ」
俺の声に応えるように、いま何かすごく嫌な音が聞こえた気がして俺の身体が固まった。
正直振り返りたくはない。
絶対に振り返ったら負けな気がする。
だから俺は気のせいって事にしてそそくさとベッドから降りようとした。
……そうしようとしたはずなのに、後からがっしりと回された腕が、俺を捕らえて放さなかった。
「どこに行くんだお前は?」
「えぇーと、朝飯を作りに行こうかと……」
「今はそんなの要らねぇな」
「えっ、でもほら腹が減っては、って…」
このセリフにももう一度デジャブだ。
「そうか、そうか。お前が簡単にへばるのは、腹が減ってんのが悪かったって事か。じゃあこれをお前にやろうな」
すっごく爽やかな笑顔を浮かべた師匠が、いつも通りどこから取り出したか分からない小瓶を差し出した。
「……なんですか、これ」
「エターナルポーション」
「はっ!?」
俺はその名前に目を見開いた。
効果はだいたい12時間。
薬効時間内だったら致命傷になるような怪我でも、餓死寸前の空腹でも、たちまちに癒してしまうという回復薬だ。
これこそ最上級の魔法アイテムと言える物だが、ただしお値段も最上級。
国家予算並の高級品だった。
「いやいやいや、アンタ何を考えてるんですか!?」
そんな物を朝食代わりに差し出してくる師匠に俺の顔から血の気が引いた。
「良いから飲め」
後から顎を掴まれ上向かされて、そのまま師匠の唇が重なってくる。
わずかに甘味を持った液体が、とろりと口腔内に満たされて喉の奥に落ちていった。
ちょっと!苦しいって!!
そのまま当たり前みたいに口内を貪る師匠の舌が、喉の奥から口蓋までを何度も掠めるように刺激する。
だんだんと呼吸を求める俺の声に高さが混じって、絡め取られた舌先を甘噛みされれば身体が跳ねた。
「だっ、ダメです!!ここんとこ毎日毎日朝っぱらから!!」
「お前が実験途中に一人だけ、気持ちよくイッて意識飛ばしてんのが悪いだろ」
「ぜったいに俺のせいじゃないです!俺、すっごく辛くて止めて下さいって、何回も言ってたじゃないですか!!」
俺はあんなに頑張ってた(いや、頑張らされていた)のに、あまりの言いようだ。
「もう、絶対に師匠の実験は手伝いませんからね!」
「いや、昨日までの実験はもう終わったから別に良いけどな」
本当は昨日までじゃなくて、これからズッとという意味だったけど、今までの中で一番辛かった実験の終了宣言に、俺は大きく目を見開いた。
「よかった!!じゃあ、あんな実験はもう終わりなんですね?」
「あぁ、実験はな」
今日も機嫌が良いのだろう。
そう言った師匠の顔には、また見慣れないような満面の笑みが広がっていた。
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