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3.逃走防止の鎖なの!?

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師匠の腕に縋り付きながら、俺はどうにか首を縦に振ってみる。

「いいぜ、それならたまには手加減をしてやるよ」

突然、尿道と膀胱の入り口に感じていた痛みが無くなって、俺は目を見開いた。

助けて欲しいと言ったのは確かに俺だったけど、まさかこの人が俺の言葉を聞いてくれるなんて思ってなくて。

えっ、本当に?

起きた状況が信じられなくて、思わず師匠を呆然と見つめてしまう。

「なんだ?お前が助けて欲しいと言ったんだろう。あのままで良かったのか?」

そんな訳がない。
気分が変わればすぐにでも再開してしまいそうな師匠の表情に、俺は慌てて首を振った。

本当に聞いてもらえるなんて、これっぽっちも思ってなくて。
これまでの扱いを思えば、思わず涙が出そうになる。

もしかして、神様が願い事を叶えてくれた?
それともこんな師匠でも、さすがに俺が可哀想になったとか?

全く理由は分からない。
だけど、今ならお願いを聞いてもらえるなら。

「それ、なら…っ、この…実験、も、止めて…くださ、い…」

欲が少し出てしまう。
だって今でもゆっくりと溜まり続けているゲルが、膀胱を刺激していて辛いのだ。

だから、どうにか、お願いします。
これ以外なら我慢するから。

俺の目には縋るような必死さと、期待がものすごく籠もっていたと思う。
それぐらい感情を込めて、俺は師匠を見上げていたし。
どんどん溜まるゲルのせいで俺の偽の尿意はそろそろ限界に近づいていた。

「それは、ダメだな。手加減してやったんだから、むしろ頑張れよ」

それなのに、何言ってんの?とでも言うような呆れた声に、俺の期待は簡単に打ち砕かれた。

「どうせ全部入ったって700ccになるように調整はしてあるから、今日は全部いれてみような」

鼻歌交じりにもう一度俺の身体を抱え直す。
そしてそのまま、だいぶ膨らんだ俺の下腹部を師匠の掌が上からグイグイ押し込んだ。

「やっ…やめっ!!いたぁ、ああっ!!!……やぁっ!!」

「けっこう溜まってるな」

俺の声なんか聞こえていないみたいに、確かめる掌の動きは止まらない。

膀胱の中に詰められたゲルも普通の液体とはやっぱり違うのか。
そんな風に押されても、普通の尿みたいに漏れる事もないまま、痛いぐらいに俺の内壁を押し広げていた。

「もう、やぁ…いたぁぁい、もう…入れ、なぃ…でぇ……」

ボタボタと落ちる涙が、俺の胸元や縋った師匠の腕を濡らしていく。

「うーん、だいじょうぶ。とりあえず700ccまで入ったから。これ以上は増えねぇよ」

見れば、根元にはまっていたはずの水色のリングが消えていた。

「だし、たっ…い、ぁああっ…だしたぁ…いぃ…」

限界まで入れられた痛みに脂汗が額に浮かぶ。

「あとちょっと我慢な」

いつのまに手に持っていたのだろう。
見慣れないクリームをすくった師匠の指が俺の乳首に触れてきた。

縁からしっかり這わせて、塗り込んで。
溶けたクリームが擦り込まれれば、そこは紅く膨らんだ。

「あっあっ…ひゃぁ、ああっ…あぁ…っ」

クリームが塗られた箇所がジンジンする。
こんな時に勝手に触ると、絶対に師匠にひどい目に遭わされていたから。
俺は掻きむしりたいのを、自然と必死に堪えていた。
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