泡沫のゆりかご 三部 ~獣王の溺愛~

丹砂 (あかさ)

文字の大きさ
上 下
25 / 50
本編

第23話 素直さへの甘露 6※

しおりを挟む
「いつも、イヤッって言ってごめんなさい……気持ち良すぎると、どうしても出てしまって……言わないように気を付けます……だからもう、いつも通りに抱いて下さい……」

 真っ赤な顔で、涙を浮かべながら、レフラが身体をすり寄せる。そのまま唇へ吸い付いてくるレフラの口からは、熱く湿った息が零れ、ギガイの肌を掠めていた。

 だいぶ素直になったレフラに、ギガイもここまでか、と思いながら、太股に乗せた身体を持ち上げる。それだけで期待するように収縮する後孔の窄みに、ギガイはまた亀頭を押し当てた。

「ほら、お前の望み通りだ。ここからどうする?」

 プチュプチュと先端だけを出し入れされて、その度に奥が期待するように収縮する。レフラは短い嬌声を漏らしながら「はやくぅ」と奥への挿入を強請るように腰を揺らし始めた。

「あっ、あぁ、ぁぁぁ……」

 誘われるまま、1番大きく張った雁の部分で、窄みをゆっくりと押し開く。途端にキュウッと締まった肉壁は、逃がしたくないという思いからか、痛みを感じるほどに強く咥え込む。

「力を抜かなければ、入れられないぞ」

 ギガイは浅い所で屹立を含ませたまま、レフラの身体を小刻みに揺すった。

「やだ、いじわる、しないでぇ、もぅいれて……おく、まで、ちゃんと、いれてくだ、さい……」

 ちゃんと強請っているのに、どうしてと。潤んだ目が、精一杯ギガイを睨んでくる。だけど、レフラの言葉に反して、後孔の締め付けは一向に緩むような気配はない。その目を至近距離で見返しながら、ギガイもどうしたものか、と思ってしまう。

 ギガイとしては、これ以上意地悪をしようとは思っていない。だが、強く収縮する内壁は、ムリに腰を進めてしまえば、レフラに痛みが出てしまう。ずっと求め続けていた刺激をようやく与えられた身体が、その刺激を逃さないように、縋り付いている状態だと分かっていても、これでは逆効果だった。
 意地悪をしてさんざん焦らした結果、大切なレフラへ傷を負わせるわけにはいかなくて、ギガイは取りあえず、行為を進めるよりも宥める事を優先する。

「ほら、お前の言う通り奥まで入れよう。だから身体の力を抜いてくれ」

 意地悪をしてるつもりはないのだと。ギガイは入れる意思を伝えるように、わずかに腰に力を込めた。

「あうぅっ!」

 だが思った通り、力が籠もった内壁を、押し広げられて痛みが走ったのだろう。引き攣った声と共に、レフラがツラそうに眉根を寄せた。

「大丈夫か?」

 その声にギガイも動きを、ピタッと止めた。これ以上隘路が開かれないように、レフラの身体を抱え込めば、首へ回されたレフラの腕も、ギュッと縋るようにしがみ付く。

「このままでは痛いだろう。深呼吸をしてみろ」

 腕をポンポンと軽く叩いて促すも、レフラの身は痛みに強ばり、力が少しも抜けてこない。逆に今では呼吸の度に痛みが走るのか、ツラそうに息を震わせるのだ。

「もう今日は止めてはどうだ?」

 何度目かの震えた呼吸に、ギガイもついには、そんな事を言ってしまう。
 正直なところ、レフラと違って1度も吐き出していないギガイの茎は、いまだに固く勃っていて、レフラの奥を穿って熱を吐き出したがっている。そんな状態で止めてしまうのは、男としてはツラくはある。だが、傷を負わせてまで続けるような行為ではない。

(とりあえず、抱き上げながらイかせてやれば、レフラの方は治まるだろう)

 自分はその後に、適当に風呂で水でも浴びながら、扱いて吐き出せばどうにかなる。この歳や立場で、だいぶ情けない姿ではあるが、意地悪くレフラを啼かせた結果だと思えば、ギガイは何も言えなかった。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...