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ブライトさまの腕の中で目覚めるのは、もう両手の指の数を超えた。カーテンの向こうがうっすらと明るくて、夜明けが近いのがわかる。
昨日はたくさん愛し合った。
ドロドロに溶け合って、繋がる合間に食事を摂って、少し眠ってまた繋がって⋯⋯。最後に疲れ果てた微睡の中、またお風呂に入れてもらった。
お腹の奥で熱いエネルギーの塊が、グルグル回っているような気がする。背中から素肌のまま抱きこまれているのも、暖かくて幸せだ。
「起きたの? まだ眠っていていいよ」
甘い声が、耳に直接吹き込まれる。おれの中の魔力が持ち主に反応して、ざわめいているのがわかる。
「おはようございます」
モゾモゾと体の向きを動かして、ブライトさまのほうに顔を向けると、薄闇にも目映い笑顔があった。
肩を抱きこまれて、胸に顔を埋めると、背中をツゥっと指が伝った。
「ダメです。騎士団長さまと旅程の相談しなくちゃいけないんですよね?」
身を捩りながら抗議の声を上げると、ブライトさまはふふっと笑った。この『ふふっ』が曲者なんだ。この後は大抵、『可愛い』とか『いい子』とか言われるか、キスされるんだもん。
「そんな可愛い表情で言っても、怖くないよ」
ほら見ろ、可愛いって言う。フィルターかかりまくって、ブライトさまの目がおかしくなっているに違いない。
「ぼく、喉が渇きました。起きましょう?」
「ふふっ、それなら仕方ないな」
おでこにチュッとキス。くすぐったくて、幸せ。
「しばらくシーツに潜っていて。着替えがないんだ」
マジすか⁈
そう言えば、昨日は気付いたらお風呂の中で、それからずっと裸のままだ。あわあわと頭までシーツに潜ると、ブライトさまがベッドに垂らされたカーテンの隙間から手を出して、チリチリと鈴を鳴らした。なんか『オーダーっ!』って言いたくなる音だよね。
「お待たせしました。おめざめでございますか?」
全然待ってません、素早いですカナリーさん! そして、恥ずかしいので寝たふりです! カーテンが揺れる。開けないでーッ!
「待て、帳はそのままで。着替えの用意をふたり分だ」
「かしこまりました」
ありがとう、ブライトさま。侍女さんトリオに裸を見られたら、おれ、羞恥で死ねそうだ。上半身くらい平気だろって? 馬鹿言え、キスマークだらけなんだぞ。
「ご用意できました。お着替え済まされましたら、お呼びくださいませ」
数瞬待ってカーテン(帳って言うのは今知った)を開けると、スツールの上に一式が揃っていた。⋯⋯おぱんちゅまで。つまりおれたちがスッポンポンだって知ってるってことだ。
ブライトさまは躊躇いなくベッドから降りて、おれに背を向けて下着をつけた。恥ずかしくなって目を逸らそうとして、なにかに引っかかる。
んん?
あ、紐パンの形が違う!
お洒落褌だ!
おれのは両サイドを紐(リボンだなんて認めない)で結ぶタイプでヒラヒラしてるけど、ブライトさまのはキリッとしている!
ビックリしてまじまじと見つめていたら、視線に気づいたのか、ブライトさまが振り返った。
「そんなに見られると、さすがに恥ずかしいな」
全然恥ずかしくなさそうに言うので、おれはちょっと不貞腐れた。ブランド下着のメンズモデルみたいだ。下着だけじゃなくて、存在がカッコいいんだもん、ズルイなぁ。
「ぼくの旦那さまが、格好良すぎて辛い」
なに言ってるんだ、おれ。アホの子丸出しだなぁ。と思っていたら、目の前にブライトさまのドアップがあった。
「そんなに可愛いことばかり言っていると、このまま押し倒すよ」
ダメ、絶対! そんな色気ダダ漏れにしないでください!
焦ったおれにふふっと笑って、小鳥のキスをして離れていった。着替えの続きを始めたので、おれももたもたベッドから降りる。
不本意な紐パン(気づかなきゃ褌のノリだったのに)を手に取り、片方だけ紐を結ぶ。結んだほうに足を通して腰まで上げて、反対側を結んで完了する。
固結びにすると解けないので、蝶々結びにするんだけど、これがいけない気がする。ブライトさまは蝶々結びなかったもん。ねじねじっとしてピシッとしてる。
「本当に押し倒すよ? とっても魅力的な格好で、わたしを誘っているんだろう?」
とっくにシャツとスラックスを身につけていたブライトさまが、わざとらしく首元のボタンを外す仕草をした。おれは紐パンいっちょで蝶々結びをいじいじしてたので、申し開きもございません。
「ごめんなさい」
ささっと服を着る。今日は着物じゃなかった。
ブライトさまが鈴を鳴らすと、侍女さんトリオが三人揃ってやって来た。ニッコリ微笑んで朝の挨拶をしてから、手際よくベッドの帳(よし、言えた)を整えたり、窓のカーテン(こっちはカーテンでよし)を開けて光を入れた。
「食事はどちらでなさいますか?」
「食堂に行くよ」
せっかく着替えたしね。食堂はいわゆるダイニングで、上級の部屋には居間の続きにある。旅籠のお食事処ではない。
「ねぇブライトさま。誘拐犯のこととか、ぼくの事情聴取はいつするんですか? 騎士団長さまと一緒に聞いてもらったほうがいいかな?」
食事しながらでもいいけど。何しろ愉快なおっさんたちのおかげで、食事が喉を通らないような話題はない。最後の最後、ハスキー犬野郎はブライトさまが退治しちゃったし。
「まだお話ししてないんですの?」
「昨日一日中、なにしてやがりましたかね?」
「無体が過ぎますわね?」
ボソボソボソ~。
侍女さんトリオがなにか言ってる? あれ、また能面になってるよ。ここ何日か見てなかったけど、ブライトさまの前なのに、いいのかな?
「食事が済んだら、居間にヴァーリを呼んでくれ。玻璃、それでいいかい?」
「はい」
メアリーちゃんもしっかりしてるけど、何しろ九歳の女の子だし、おれしか知らない情報もある。おっさんたちの言葉だけでは足りないこともあるだろう。⋯⋯あと、おっさんたちが意外とお茶目なことも証言しなきゃダメかもな。痛いこととかされなかったし、むしろおれが扱き使ったし。
食事が済むと居間に移動して、食後のお茶はそっちで淹れてくれた。
すぐに騎士団長が現れて、ガックリ膝をついた。ごめんなさい、俺たちが悪い。誰が見たってドン引くだろう。だっておれ、ブライトさまの腿の間に座って、お腹に腕まわされているんだもん。事情聴取を受ける態度じゃないよね。入り口に控えている侍女さんトリオも生ぬるく笑ってるし、ソファー移動したいな。
「⋯⋯んんッ、失礼いたしました。お召しにより罷り越してございます」
「うむ」
騎士団長は咳払いをして立て直し、ブライトさまは鷹揚に頷いた。
おれの証言はおっさんたちの証言を裏付けるのに役立ちそうだ。あの強烈なおばさんが、メアリーちゃんの実の母親っぽいことは、メアリーちゃんには内緒にするよう念押しした。ちなみにおばさんはまだ捕まっていない。
ハイネン子爵には、おっさんの提案で『本当は指環を見つけたとき、夫人が亡くなっているのを確認していた』ことにした。おっさんは調査費を騙しとっていたことの詫びを伝言したそうだ。
子爵は『希望を持たせてくれてありがとう』と逆に礼を言ったらしい。⋯⋯ホント、あのおばさんのどこがよかったのか悩むわ~。
今回の誘拐は、メアリーちゃんを狙ったもので、おれは全くとばっちりだった。計画的ではあったけど、イレギュラーなおれを一緒に連れて行くあたり、杜撰で穴だらけだった。
そしてあの豆の木を植えたのはジャック少年で、知らないおばさんから『メアリーお嬢さまが喜んでくれるから花壇に植えなさい』と渡されたんだって。ジャックくんは元気に『おとーさんのお手伝いしたの!』と胸を張ったらしい。
⋯⋯怒れないな。
知らないおばさんのことを黙ってたのはダメだけど、お手伝いしたい気持ちや、お嬢さま大好きな気持ちは大事にしてあげなきゃ。ジャックくんは庭師のとーちゃんに『知らない人を見たら大人に知らせること』を言い聞かされた。うん、落とし所だね。
ハイネン子爵はメアリーちゃんの誘拐に、酷く狼狽したらしい。妻の忘形見(おばさん生きてるけど)を失う恐怖と、同時に誘拐されたおれのため、表立って娘の心配が出来ない苦しみ。子爵邸に残されたメンツには、どっちが目的の誘拐なのか分からなかっただろうし、王太子の婚約者が自邸の敷地内から拐かされたのは重大な過失だ。
「今回の誘拐騒動は、ハイネン子爵令嬢の拐かしを、ハリーさまの尽力で解決に導いたことにするのが良いかと」
「わたしが玻璃の居場所を辿れる前提で、敢えてメアリー嬢の後を追ったことにするのだな」
「はい、それならばハイネン子爵の過失は問われません」
「玻璃、それでいい?」
いいか悪いかって言われたら、いいって言うしかない。おれの活躍みたいに言われると大嘘なんだけど、そうしないとハイネン子爵を罰しないとならなくなるんだって。
子爵はすでに覚悟していて、穏やかに沙汰を待っているらしい。メアリーちゃんが無事だっただけで、充分だって。
いい人すぎて、泣けてくる。
「書類上はそうしてください」
大々的に発表はしないで欲しい。英雄みたいに担がれるのは嫌だ。でも、被害者の家族をこれ以上傷つけるのは、もっと嫌だ。ふたりはおれの気持ちをわかっているから、わざわざ聞いてくれたんだろう。黙ってそうしたって立場的に許されるのに、慮かってくれて嬉しい。
「では子爵に報告に参ります。ついでに全員引き揚げて来ますよ。明日出発前に、殿下とハリーさまがお立ち寄りになられるのがよろしいでしょう」
全員って、この旅籠泊まれるかな? ブライトさまの護衛騎士さんも増えてるのに、部屋の確保出来るかな。⋯⋯心配無用でした。すでに旅籠は貸し切りだし、騎士は天幕でも問題ないって。アウトドアだなぁ。
ハスキー犬野郎は王都に送還後、ブライトさまの王都帰還を待って余罪を追求するんだって。それに絡んで、なんちゃら大臣の不正とか発覚しちゃって、今、王都は大騒ぎらしい。
おれと一緒に旅なんてしてていいの?って聞いたら、ご領主さまが張り切ってるって、騎士団長さまが悪い笑顔で言った。
誘拐・詐欺グループのおっさんたちは、普通に裁判にかけられるらしい。どうにも憎めないおっさんたちだったなぁ。お茶目すぎて怖くなくなっちゃったし。
おっさんでリハビリ。るぅ姉に爆笑されそうだ。
「あのね、ブライトさま。ぼく、若くない男の人なら、大丈夫かも」
「ヴァーリは?」
「⋯⋯それは、わたしが若くないと?」
「大丈夫、ちょっと怖いです」
「それも複雑ですね」
騎士団長さまは三十代半ば、おっさんたちは五十歳いってるかなぁって感じ。
「枯れてそうなのは、大丈夫ってことですかね」
騎士団長さま、意外と言葉悪いっすね。さっきからニヤリ笑いがイケオジです。
さて、こんな感じで話も纏まり、騎士団長さまは子爵邸へと出かけて行った。残されたおれとブライトさまは旅籠の周りを散策することにした。露天を冷やかして、ジャックくんへのお土産を探すんだ。
楽しみ~。
カナリーさんが服を用意してくれたのは、散策中目立たないようにとの配慮だった。気がきくなぁ。さすがスーパー侍女さん。スラックスにシャツは定番だ。リボンタイをしてからロングジレを足す。最後にケープを羽織れば外出の準備は万端だ。
ブライトさまも身軽な、騎士の休日スタイルって雰囲気で、お供のモーリンさんは侍女さんのワンピースだった。お着替えしないのか聞いたら、にっこり笑って『虫除けです』だって。王城侍女のお仕着せは、ナンパを怯ませる効力があるらしい。
少し離れて騎士団の皆さんが見張っているんだって。近くで囲っちゃうと、目立ってしまって、かえって危険らしい。
街は穏やかだった。領主の子爵さまの人柄が滲み出る、いい街だと思う。活気はあるけど怒号はなく、皆が和気藹々としている。
露天を冷やかしてお土産を物色する。あんまりピンと来るものがないなぁ。四歳の男の子、やんちゃ盛りだもんね。
ブライトさまはなんでも買ってくれる勢いだけど、小さな子には相応しい価格帯があるからね。
色々見たけど、いいものは見つからなくって、道具屋で小さな切り出しナイフと木版を買った。ブライトさまははじめ、子供に刃物を与えるのかと驚いたけと、そんなわけない。
「ちょっと工作します」
旅籠は高級すぎて、汚したくない。広場っぽいところのベンチに座って、膝にハンカチを広げた。隣にはブライトさまが座る。お尻が汚れるからってナチュラルに膝に乗せようとしたので、謹んでお断りした。
「ふふっ、照れて可愛いな」
ホントに照れるから、広場のど真ん中でほっぺチュウはやめてくれ。おれの顔は絶対赤い。だって耳が熱いんだもん。
本当は竹が欲しかった。無い物ねだりしてもしょうがないので、木版で代用する。長さ十五センチ幅三センチ厚さ三ミリの板をナイフで削る。木屑がこぼれて、やっぱり旅籠でやらないでよかったと思う。
「慣れているんだね」
「そりゃ、庶民ですし」
「いや、そうではなくて、手先が器用だってことだ」
ナイフ使いを褒められた。うちの母さん、鉛筆削機が嫌いだったんだ。だから鉛筆削りはもっぱらカッターナイフ。なんで嫌いなのか聞いてみたら、うっかり削りすぎるのが資源の無駄って言ってた。
それに。
「色々作るの、好きなんです」
齋藤さまや藤木の奥さまお元気かなぁ。お店の空きスペースで、着物の余り切れで手作りワークショップしたなぁ。すごいすごいって感動した。
そしたら藤木の旦那さまが拗ねて、次のご来店時に自作の竹トンボを持ってきた。当時、小学校六年生だったおれは、初めて見る昔のおもちゃに夢中になった。
藤木の旦那さまは竹細工の伝統工芸士だったと知ったのは、中学校三年生になってからだ。ばあちゃんと招待された展示会で、竹籠ひとつ十ウン万円で売られていた⋯⋯。おれが最初に貰った竹トンボはものすごい高級品だったのかもしれない。
真ん中に穴を開けようとして、錐がないのに気がついた。そしたらモーリンさんがにっこり笑って千枚通しみたいなものを出してくれた。
「なんでこんなの持ち歩いてるんですか?」
「乙女の嗜みですわ」
ブライトさまが微妙な表情してた。うん、乙女は持ち歩かないと思う。
錐じゃないのでやっぱり穴が開けづらい。ちょっと手間取っていたら、ブライトさまが代わってくれた。力があるから千枚通しを何度かひねって、簡単に開けてしまう。
お礼を言って受け取って、木版と一緒に買った棒をさらに削って細くしたものを挿した。
じゃじゃーん。
ちょっとドヤ顔でブライトさまに差し出す。チュッと唇にキスされた。だから広場の真ん中です!
「これは何だい?」
「子供のおもちゃです。広い場所で遊ぶんですよ。ほら、こんな感じです」
立ち上がってトンボを飛ばす。棒の部分を両手で挟んですり合わせ、プロペラを回すとちゃんと宙に舞った。
竹じゃないから強度に不安があるけど、削った感覚ではちゃんと乾いて固かった。大人の力でわざと折らなきゃ壊れないだろう。
「ひとりで遊ぶのもいいけど、みんなで高さや時間を競ったりするのも楽しいです」
「魔法の訓練にも使えそうだね。滞空時間の持続など、繊細な魔力制御が必要そうだ」
「子供の遊びですよ?」
「だからだよ。魔力の高い子供を暴走させないための制御訓練にいいと思って。楽しみながら伸びてくれればね」
なるほど。ブライトさま、魔力が高すぎて子供の頃は苦労したクチと見た。でなきゃ、王子さまが王城を離れて、辺境伯爵領まで弟子入りしにいくわけないもん。
切り出しナイフと木屑の入ったハンカチをモーリンさんがバッグにしまう。塵の片付けしてくれて感謝する。自分でやらなきゃと思うけど、侍女さんの仕事を取っちゃダメだ。
竹トンボ(竹じゃないから木トンボか?)もモーリンさんに預けると、後はのんびり散策した。全身が重だるかったけど、ゆっくり歩いているうちに元気になった。
「デートだね」
「それもニホンの言葉?」
「はい、ちょっと翻訳が難しいけど、意味は恋人同士や夫婦が、ふたりで外出したり遊戯に興じることです」
もう日本語だよね。カタカナ英語とか日本語英語でいいと思う。逢引とか逢瀬って言うと、ニュアンスが違うって言うか、爽やかさが消える気がする。
「デートって初めてです」
ちょっとテレテレ。
「モーリン、玻璃はわたしの何を試していると思う?」
「忍耐でございますわ。当然でございましょう」
「なんの話し?」
答えはなかった。モーリンさん、また能面になってるよ。ブライトさまも何でもないって微笑むだけだし⋯⋯。
気を取り直してデートを続け、夕方の早い時間に旅籠に帰った。旅籠には子爵邸を引き上げたロベルトさんたちが居て、アントニオさんが長持ちを移動していた。それ、ふたりで持つものじゃないの?
おれたちに気付いたロベルトさんは、笑顔で出迎えてくれ⋯⋯あれ、固まった。
「レオンさま? ウチの可愛い弟分に、何しやがりました?」
笑顔がブリザード! どうしたの、ロベルトさん⁈ 完全に幼馴染みバージョンの口調になってるよ!
「どんだけ注いだんですか⁈ ハリーの体からレオンさまの魔力が溢れてるじゃないですか! オーラが光ってます、キラキラです。見るものが見たら寵愛が丸わかりですッ! 大体、魔力のないハリーにこれだけ注いだら、酔っ払って大変だったでしょうに⁈」
「うん、とても可愛かった」
ブライトさまがいい笑顔で言って、ロベルトさんが眉を釣り上げた。
え? え? どう言うこと?
昨日のおれの話し?
⋯⋯。
「ハリー‼︎ 躾は最初が肝心ですよ‼︎」
おれは居た堪れなくて、旅籠の部屋に駆け込んだのだった。
昨日はたくさん愛し合った。
ドロドロに溶け合って、繋がる合間に食事を摂って、少し眠ってまた繋がって⋯⋯。最後に疲れ果てた微睡の中、またお風呂に入れてもらった。
お腹の奥で熱いエネルギーの塊が、グルグル回っているような気がする。背中から素肌のまま抱きこまれているのも、暖かくて幸せだ。
「起きたの? まだ眠っていていいよ」
甘い声が、耳に直接吹き込まれる。おれの中の魔力が持ち主に反応して、ざわめいているのがわかる。
「おはようございます」
モゾモゾと体の向きを動かして、ブライトさまのほうに顔を向けると、薄闇にも目映い笑顔があった。
肩を抱きこまれて、胸に顔を埋めると、背中をツゥっと指が伝った。
「ダメです。騎士団長さまと旅程の相談しなくちゃいけないんですよね?」
身を捩りながら抗議の声を上げると、ブライトさまはふふっと笑った。この『ふふっ』が曲者なんだ。この後は大抵、『可愛い』とか『いい子』とか言われるか、キスされるんだもん。
「そんな可愛い表情で言っても、怖くないよ」
ほら見ろ、可愛いって言う。フィルターかかりまくって、ブライトさまの目がおかしくなっているに違いない。
「ぼく、喉が渇きました。起きましょう?」
「ふふっ、それなら仕方ないな」
おでこにチュッとキス。くすぐったくて、幸せ。
「しばらくシーツに潜っていて。着替えがないんだ」
マジすか⁈
そう言えば、昨日は気付いたらお風呂の中で、それからずっと裸のままだ。あわあわと頭までシーツに潜ると、ブライトさまがベッドに垂らされたカーテンの隙間から手を出して、チリチリと鈴を鳴らした。なんか『オーダーっ!』って言いたくなる音だよね。
「お待たせしました。おめざめでございますか?」
全然待ってません、素早いですカナリーさん! そして、恥ずかしいので寝たふりです! カーテンが揺れる。開けないでーッ!
「待て、帳はそのままで。着替えの用意をふたり分だ」
「かしこまりました」
ありがとう、ブライトさま。侍女さんトリオに裸を見られたら、おれ、羞恥で死ねそうだ。上半身くらい平気だろって? 馬鹿言え、キスマークだらけなんだぞ。
「ご用意できました。お着替え済まされましたら、お呼びくださいませ」
数瞬待ってカーテン(帳って言うのは今知った)を開けると、スツールの上に一式が揃っていた。⋯⋯おぱんちゅまで。つまりおれたちがスッポンポンだって知ってるってことだ。
ブライトさまは躊躇いなくベッドから降りて、おれに背を向けて下着をつけた。恥ずかしくなって目を逸らそうとして、なにかに引っかかる。
んん?
あ、紐パンの形が違う!
お洒落褌だ!
おれのは両サイドを紐(リボンだなんて認めない)で結ぶタイプでヒラヒラしてるけど、ブライトさまのはキリッとしている!
ビックリしてまじまじと見つめていたら、視線に気づいたのか、ブライトさまが振り返った。
「そんなに見られると、さすがに恥ずかしいな」
全然恥ずかしくなさそうに言うので、おれはちょっと不貞腐れた。ブランド下着のメンズモデルみたいだ。下着だけじゃなくて、存在がカッコいいんだもん、ズルイなぁ。
「ぼくの旦那さまが、格好良すぎて辛い」
なに言ってるんだ、おれ。アホの子丸出しだなぁ。と思っていたら、目の前にブライトさまのドアップがあった。
「そんなに可愛いことばかり言っていると、このまま押し倒すよ」
ダメ、絶対! そんな色気ダダ漏れにしないでください!
焦ったおれにふふっと笑って、小鳥のキスをして離れていった。着替えの続きを始めたので、おれももたもたベッドから降りる。
不本意な紐パン(気づかなきゃ褌のノリだったのに)を手に取り、片方だけ紐を結ぶ。結んだほうに足を通して腰まで上げて、反対側を結んで完了する。
固結びにすると解けないので、蝶々結びにするんだけど、これがいけない気がする。ブライトさまは蝶々結びなかったもん。ねじねじっとしてピシッとしてる。
「本当に押し倒すよ? とっても魅力的な格好で、わたしを誘っているんだろう?」
とっくにシャツとスラックスを身につけていたブライトさまが、わざとらしく首元のボタンを外す仕草をした。おれは紐パンいっちょで蝶々結びをいじいじしてたので、申し開きもございません。
「ごめんなさい」
ささっと服を着る。今日は着物じゃなかった。
ブライトさまが鈴を鳴らすと、侍女さんトリオが三人揃ってやって来た。ニッコリ微笑んで朝の挨拶をしてから、手際よくベッドの帳(よし、言えた)を整えたり、窓のカーテン(こっちはカーテンでよし)を開けて光を入れた。
「食事はどちらでなさいますか?」
「食堂に行くよ」
せっかく着替えたしね。食堂はいわゆるダイニングで、上級の部屋には居間の続きにある。旅籠のお食事処ではない。
「ねぇブライトさま。誘拐犯のこととか、ぼくの事情聴取はいつするんですか? 騎士団長さまと一緒に聞いてもらったほうがいいかな?」
食事しながらでもいいけど。何しろ愉快なおっさんたちのおかげで、食事が喉を通らないような話題はない。最後の最後、ハスキー犬野郎はブライトさまが退治しちゃったし。
「まだお話ししてないんですの?」
「昨日一日中、なにしてやがりましたかね?」
「無体が過ぎますわね?」
ボソボソボソ~。
侍女さんトリオがなにか言ってる? あれ、また能面になってるよ。ここ何日か見てなかったけど、ブライトさまの前なのに、いいのかな?
「食事が済んだら、居間にヴァーリを呼んでくれ。玻璃、それでいいかい?」
「はい」
メアリーちゃんもしっかりしてるけど、何しろ九歳の女の子だし、おれしか知らない情報もある。おっさんたちの言葉だけでは足りないこともあるだろう。⋯⋯あと、おっさんたちが意外とお茶目なことも証言しなきゃダメかもな。痛いこととかされなかったし、むしろおれが扱き使ったし。
食事が済むと居間に移動して、食後のお茶はそっちで淹れてくれた。
すぐに騎士団長が現れて、ガックリ膝をついた。ごめんなさい、俺たちが悪い。誰が見たってドン引くだろう。だっておれ、ブライトさまの腿の間に座って、お腹に腕まわされているんだもん。事情聴取を受ける態度じゃないよね。入り口に控えている侍女さんトリオも生ぬるく笑ってるし、ソファー移動したいな。
「⋯⋯んんッ、失礼いたしました。お召しにより罷り越してございます」
「うむ」
騎士団長は咳払いをして立て直し、ブライトさまは鷹揚に頷いた。
おれの証言はおっさんたちの証言を裏付けるのに役立ちそうだ。あの強烈なおばさんが、メアリーちゃんの実の母親っぽいことは、メアリーちゃんには内緒にするよう念押しした。ちなみにおばさんはまだ捕まっていない。
ハイネン子爵には、おっさんの提案で『本当は指環を見つけたとき、夫人が亡くなっているのを確認していた』ことにした。おっさんは調査費を騙しとっていたことの詫びを伝言したそうだ。
子爵は『希望を持たせてくれてありがとう』と逆に礼を言ったらしい。⋯⋯ホント、あのおばさんのどこがよかったのか悩むわ~。
今回の誘拐は、メアリーちゃんを狙ったもので、おれは全くとばっちりだった。計画的ではあったけど、イレギュラーなおれを一緒に連れて行くあたり、杜撰で穴だらけだった。
そしてあの豆の木を植えたのはジャック少年で、知らないおばさんから『メアリーお嬢さまが喜んでくれるから花壇に植えなさい』と渡されたんだって。ジャックくんは元気に『おとーさんのお手伝いしたの!』と胸を張ったらしい。
⋯⋯怒れないな。
知らないおばさんのことを黙ってたのはダメだけど、お手伝いしたい気持ちや、お嬢さま大好きな気持ちは大事にしてあげなきゃ。ジャックくんは庭師のとーちゃんに『知らない人を見たら大人に知らせること』を言い聞かされた。うん、落とし所だね。
ハイネン子爵はメアリーちゃんの誘拐に、酷く狼狽したらしい。妻の忘形見(おばさん生きてるけど)を失う恐怖と、同時に誘拐されたおれのため、表立って娘の心配が出来ない苦しみ。子爵邸に残されたメンツには、どっちが目的の誘拐なのか分からなかっただろうし、王太子の婚約者が自邸の敷地内から拐かされたのは重大な過失だ。
「今回の誘拐騒動は、ハイネン子爵令嬢の拐かしを、ハリーさまの尽力で解決に導いたことにするのが良いかと」
「わたしが玻璃の居場所を辿れる前提で、敢えてメアリー嬢の後を追ったことにするのだな」
「はい、それならばハイネン子爵の過失は問われません」
「玻璃、それでいい?」
いいか悪いかって言われたら、いいって言うしかない。おれの活躍みたいに言われると大嘘なんだけど、そうしないとハイネン子爵を罰しないとならなくなるんだって。
子爵はすでに覚悟していて、穏やかに沙汰を待っているらしい。メアリーちゃんが無事だっただけで、充分だって。
いい人すぎて、泣けてくる。
「書類上はそうしてください」
大々的に発表はしないで欲しい。英雄みたいに担がれるのは嫌だ。でも、被害者の家族をこれ以上傷つけるのは、もっと嫌だ。ふたりはおれの気持ちをわかっているから、わざわざ聞いてくれたんだろう。黙ってそうしたって立場的に許されるのに、慮かってくれて嬉しい。
「では子爵に報告に参ります。ついでに全員引き揚げて来ますよ。明日出発前に、殿下とハリーさまがお立ち寄りになられるのがよろしいでしょう」
全員って、この旅籠泊まれるかな? ブライトさまの護衛騎士さんも増えてるのに、部屋の確保出来るかな。⋯⋯心配無用でした。すでに旅籠は貸し切りだし、騎士は天幕でも問題ないって。アウトドアだなぁ。
ハスキー犬野郎は王都に送還後、ブライトさまの王都帰還を待って余罪を追求するんだって。それに絡んで、なんちゃら大臣の不正とか発覚しちゃって、今、王都は大騒ぎらしい。
おれと一緒に旅なんてしてていいの?って聞いたら、ご領主さまが張り切ってるって、騎士団長さまが悪い笑顔で言った。
誘拐・詐欺グループのおっさんたちは、普通に裁判にかけられるらしい。どうにも憎めないおっさんたちだったなぁ。お茶目すぎて怖くなくなっちゃったし。
おっさんでリハビリ。るぅ姉に爆笑されそうだ。
「あのね、ブライトさま。ぼく、若くない男の人なら、大丈夫かも」
「ヴァーリは?」
「⋯⋯それは、わたしが若くないと?」
「大丈夫、ちょっと怖いです」
「それも複雑ですね」
騎士団長さまは三十代半ば、おっさんたちは五十歳いってるかなぁって感じ。
「枯れてそうなのは、大丈夫ってことですかね」
騎士団長さま、意外と言葉悪いっすね。さっきからニヤリ笑いがイケオジです。
さて、こんな感じで話も纏まり、騎士団長さまは子爵邸へと出かけて行った。残されたおれとブライトさまは旅籠の周りを散策することにした。露天を冷やかして、ジャックくんへのお土産を探すんだ。
楽しみ~。
カナリーさんが服を用意してくれたのは、散策中目立たないようにとの配慮だった。気がきくなぁ。さすがスーパー侍女さん。スラックスにシャツは定番だ。リボンタイをしてからロングジレを足す。最後にケープを羽織れば外出の準備は万端だ。
ブライトさまも身軽な、騎士の休日スタイルって雰囲気で、お供のモーリンさんは侍女さんのワンピースだった。お着替えしないのか聞いたら、にっこり笑って『虫除けです』だって。王城侍女のお仕着せは、ナンパを怯ませる効力があるらしい。
少し離れて騎士団の皆さんが見張っているんだって。近くで囲っちゃうと、目立ってしまって、かえって危険らしい。
街は穏やかだった。領主の子爵さまの人柄が滲み出る、いい街だと思う。活気はあるけど怒号はなく、皆が和気藹々としている。
露天を冷やかしてお土産を物色する。あんまりピンと来るものがないなぁ。四歳の男の子、やんちゃ盛りだもんね。
ブライトさまはなんでも買ってくれる勢いだけど、小さな子には相応しい価格帯があるからね。
色々見たけど、いいものは見つからなくって、道具屋で小さな切り出しナイフと木版を買った。ブライトさまははじめ、子供に刃物を与えるのかと驚いたけと、そんなわけない。
「ちょっと工作します」
旅籠は高級すぎて、汚したくない。広場っぽいところのベンチに座って、膝にハンカチを広げた。隣にはブライトさまが座る。お尻が汚れるからってナチュラルに膝に乗せようとしたので、謹んでお断りした。
「ふふっ、照れて可愛いな」
ホントに照れるから、広場のど真ん中でほっぺチュウはやめてくれ。おれの顔は絶対赤い。だって耳が熱いんだもん。
本当は竹が欲しかった。無い物ねだりしてもしょうがないので、木版で代用する。長さ十五センチ幅三センチ厚さ三ミリの板をナイフで削る。木屑がこぼれて、やっぱり旅籠でやらないでよかったと思う。
「慣れているんだね」
「そりゃ、庶民ですし」
「いや、そうではなくて、手先が器用だってことだ」
ナイフ使いを褒められた。うちの母さん、鉛筆削機が嫌いだったんだ。だから鉛筆削りはもっぱらカッターナイフ。なんで嫌いなのか聞いてみたら、うっかり削りすぎるのが資源の無駄って言ってた。
それに。
「色々作るの、好きなんです」
齋藤さまや藤木の奥さまお元気かなぁ。お店の空きスペースで、着物の余り切れで手作りワークショップしたなぁ。すごいすごいって感動した。
そしたら藤木の旦那さまが拗ねて、次のご来店時に自作の竹トンボを持ってきた。当時、小学校六年生だったおれは、初めて見る昔のおもちゃに夢中になった。
藤木の旦那さまは竹細工の伝統工芸士だったと知ったのは、中学校三年生になってからだ。ばあちゃんと招待された展示会で、竹籠ひとつ十ウン万円で売られていた⋯⋯。おれが最初に貰った竹トンボはものすごい高級品だったのかもしれない。
真ん中に穴を開けようとして、錐がないのに気がついた。そしたらモーリンさんがにっこり笑って千枚通しみたいなものを出してくれた。
「なんでこんなの持ち歩いてるんですか?」
「乙女の嗜みですわ」
ブライトさまが微妙な表情してた。うん、乙女は持ち歩かないと思う。
錐じゃないのでやっぱり穴が開けづらい。ちょっと手間取っていたら、ブライトさまが代わってくれた。力があるから千枚通しを何度かひねって、簡単に開けてしまう。
お礼を言って受け取って、木版と一緒に買った棒をさらに削って細くしたものを挿した。
じゃじゃーん。
ちょっとドヤ顔でブライトさまに差し出す。チュッと唇にキスされた。だから広場の真ん中です!
「これは何だい?」
「子供のおもちゃです。広い場所で遊ぶんですよ。ほら、こんな感じです」
立ち上がってトンボを飛ばす。棒の部分を両手で挟んですり合わせ、プロペラを回すとちゃんと宙に舞った。
竹じゃないから強度に不安があるけど、削った感覚ではちゃんと乾いて固かった。大人の力でわざと折らなきゃ壊れないだろう。
「ひとりで遊ぶのもいいけど、みんなで高さや時間を競ったりするのも楽しいです」
「魔法の訓練にも使えそうだね。滞空時間の持続など、繊細な魔力制御が必要そうだ」
「子供の遊びですよ?」
「だからだよ。魔力の高い子供を暴走させないための制御訓練にいいと思って。楽しみながら伸びてくれればね」
なるほど。ブライトさま、魔力が高すぎて子供の頃は苦労したクチと見た。でなきゃ、王子さまが王城を離れて、辺境伯爵領まで弟子入りしにいくわけないもん。
切り出しナイフと木屑の入ったハンカチをモーリンさんがバッグにしまう。塵の片付けしてくれて感謝する。自分でやらなきゃと思うけど、侍女さんの仕事を取っちゃダメだ。
竹トンボ(竹じゃないから木トンボか?)もモーリンさんに預けると、後はのんびり散策した。全身が重だるかったけど、ゆっくり歩いているうちに元気になった。
「デートだね」
「それもニホンの言葉?」
「はい、ちょっと翻訳が難しいけど、意味は恋人同士や夫婦が、ふたりで外出したり遊戯に興じることです」
もう日本語だよね。カタカナ英語とか日本語英語でいいと思う。逢引とか逢瀬って言うと、ニュアンスが違うって言うか、爽やかさが消える気がする。
「デートって初めてです」
ちょっとテレテレ。
「モーリン、玻璃はわたしの何を試していると思う?」
「忍耐でございますわ。当然でございましょう」
「なんの話し?」
答えはなかった。モーリンさん、また能面になってるよ。ブライトさまも何でもないって微笑むだけだし⋯⋯。
気を取り直してデートを続け、夕方の早い時間に旅籠に帰った。旅籠には子爵邸を引き上げたロベルトさんたちが居て、アントニオさんが長持ちを移動していた。それ、ふたりで持つものじゃないの?
おれたちに気付いたロベルトさんは、笑顔で出迎えてくれ⋯⋯あれ、固まった。
「レオンさま? ウチの可愛い弟分に、何しやがりました?」
笑顔がブリザード! どうしたの、ロベルトさん⁈ 完全に幼馴染みバージョンの口調になってるよ!
「どんだけ注いだんですか⁈ ハリーの体からレオンさまの魔力が溢れてるじゃないですか! オーラが光ってます、キラキラです。見るものが見たら寵愛が丸わかりですッ! 大体、魔力のないハリーにこれだけ注いだら、酔っ払って大変だったでしょうに⁈」
「うん、とても可愛かった」
ブライトさまがいい笑顔で言って、ロベルトさんが眉を釣り上げた。
え? え? どう言うこと?
昨日のおれの話し?
⋯⋯。
「ハリー‼︎ 躾は最初が肝心ですよ‼︎」
おれは居た堪れなくて、旅籠の部屋に駆け込んだのだった。
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