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内緒にされた真実と名探偵の真似事。
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お貴族様の馬車、凄い。目さえ閉じていれば快適だ。何故目を閉じていなけりゃならないのかと言うと、装飾の金ピカが窓から差し込む日光を反射してめっちゃ眩しいからだ。
クッション盛り盛りの広い箱馬車の中で寛いでいた。行儀悪く靴を脱いで座席で胡座を組み、流民の子どものブチを抱っこしている。心地よい揺れにブチはうとうとしていて、ヨダレが俺の胸元に染みている。ジージョエル侯爵が用意したびらびらフリルのブラウスが汚れるが、そんなの知ったことか。惜しくもなんともない。
王都で戴冠式と結婚式をするから移動なんだそうだ。馬鹿じゃないか、宰相。誰が新王になるのかも決めきっていないのに、花嫁だけ準備してどうする。それにまだ王様はお城から出発しただけで、行方不明にもなっていないだろう? むしろお城から出発したことを民にアピールするように、道々の旅籠で恭しくお出迎えしているって聞いたよ。
俺を手放すつもりがないからだろうが、王様を弑する計画を喋っちゃっていいのかね。
俺とブチは正面を向く座席に座らせてもらって、向かいにシュウさんが座っている。必ず傍に行くと宣言した通り、彼は専用世話係として潜り込んできた。
「宰相が自分の世話係を大勢連れて乗り込んできましたから、紛れ込み易かったですよ」
シュウさんが薄く笑って言った。伯爵家と侯爵家、互いに互いの所属だと思い込ませているらしい。酒場のマスターはシュウさんの顔を見ているけれど、侯爵は見ていないからな。
平然と侍従や従僕の輪に入って情報を仕入れてくる手腕は、本当に何者なのかと驚くしかない。
「ねぇ、シュウさん」
ブチが眠っているうちに、聞いておきたいことがある。
「宰相ってさぁ、本当に黒幕?」
子ども向けアニメや特撮モノに出てくる、お約束な悪役にしか思えないんだけど。ラスボスかと思ってたら、後から出て来た真の敵にトカゲの尻尾切りされる奴。現代日本人は総ライトオタクだ。俺だってシゲさんの影響でラノベを読んでいたから、実体験はなくても空想体験はある。
シュウさんが目の前にいることからして、宰相も侯爵もただの阿呆だ。お抱え使用人の管理が杜撰すぎる。
「さすがでございます」
シュウさんがにっこり笑った。正面から笑顔を見ると、改めて彼が美形だとわかる。華やかさはない。整った精巧な素体って感じだ。それこそ何にでも化けられるような。
⋯⋯いや、深くは考えない。なんか突いたらヤバイものが出て来そうだ。俺には親切で優しいからよしとしよう。
「さすがってことは、何かあるの?」
「ルン様と同じことは、大公殿下も王子殿下もお考えです。あの宰相閣下はとても国を動かせる器ではありません。欲をかいて国を欲してはおりますが、手に入れた後のことは考えてはいませんね」
荒れた国など欲しくはないから、圧政は敷かない。かと言って弱者の救済もしない。ようはほったらかしなんだよ。ほったらかされていた人々が、おとなしく宰相の言うことを聞くかなぁ。
「ギィ殿下が足繁く王都に向かわれているのも、宰相の後ろにいる何者かを探っているためです。大公殿下がおとなしく蟄居なさっているのも同じ理由でございますよ」
そう言えばギィのお父上って、ギィをそのまま年齢を重ねさせたような人だって言ってたな。ならば武張ったこともイケるってことだ。そんな御仁があの頓珍漢な宰相を相手に、おとなしく蟄居に甘んじているって変だよな。
「大公殿下はとにかく陛下を大事にしておられます。先の王妃殿下⋯⋯陛下のお母上様ですが、かの御方とは歳の離れた姉弟のように、もしくは歳の近い母子のようにしてお育ちになったので、異母弟である陛下のことは誰よりも愛しんでおられます」
大公様のお母上はやんごとない深窓の未亡人で、成人を迎えたばかりの王子様のお閨作法の指南役だったと聞いた。表に出ることなくひっそりと余生を過ごされたそうだが、大公様は婚外子ながら王子としてお城で育てられ、やがて嫁いできた父のご正妃様の息子として王室名鑑に記載されることになった。為さぬ仲の息子なんて邪険に扱われてもおかしくないのに、家族として迎えてもらったら感謝しかないよな。
複雑な生い立ちの大公様は、何よりも誰よりも、先の王妃様とその忘れ形見⋯⋯弟王様が大切なのだそうだ。そんな方が王様に毒を盛るなどするはずがないし、悪意のある者を近づけることすら言語道断だ。その大公様の目を掻い潜ってことを起こしたのが、あのお間抜けな宰相なのか? 甚だ疑問だ。
「そりゃ、背後に誰かいるんじゃないかと疑うよね」
妙に納得した。
思い返せば国を乗っ取ろうとしているヤツが、ドヤドヤと仲間を引き連れて召喚を行うのも変だ。一応選ばれし共犯者なんだろうけれど、ビア樽侯爵だって相当阿呆っぽかった。まだ顔を見ていないその他の有象無象も、ゲスさはあれど大物感はなかったな。
「大公様も宰相は小物だって思っていたんでしょう? どうしてそんな人を宰相にしたの?」
「痛いところを突かれましたね。わたくしは政になど携わることのない一介の侍従ですが、ジュナイヴ王国の一臣民としてお恥ずかしい限りです」
一介のって強調されると背中が寒い。多分ただの侍従じゃないんだろうけれど。思わず視線を逸らしてしまったのは許してくれ。
「本人はボンクラですが、コンセンス伯爵家はそれなりに使い勝手のいい家なのですよ。代々日和見で、味方もいなければ敵もいない家です。派閥争いが激化するたび担ぎ出される、いわば調整役です」
どっちを立てても角が立つとき、とりあえずコンセンス伯爵を据えておけばいい、みたいな?
「先代までは穏健な調整役に相応しい人物であったようです」
息子は違ったわけだ。
「そう言えば、聖女に関する書物ってたくさんあるの? やたら書物がとか文献がとか言っていたけど」
王族のギィならわかるんだ。だってかつての聖女たちの多くが王族に嫁いで、そのお墓も王族が祀っているんだから。宰相なら好きに閲覧できるのか? それとも図書館みたいなところにたくさん並んでいるのだろうか。
「聖女を題材にした物語なら、幼児向けのものなど数多く存在します。童話や寓話と呼ばれるものですね。あえて書物と呼ぶほどのものではないですよ。王城か魔術師の塔の書庫には聖女様の手記などが残っているやもしれませんが。となると宰相は自分で読んだか、読んだ誰かに入れ知恵されたか⋯⋯」
魔術師の塔か。⋯⋯あれ? 聖女の召喚って、魔術師が関わったりしないのか?
「ねぇ、シュウさん。部屋の天井いっぱいの大きな魔法陣って、発動させるのにどのくらいの魔力が必要かな?」
神殿のあの部屋の天井には、びっしりと魔法陣が刻まれていたんだ。
「それは聖女召喚に魔術師が関わっているかどうかという質問ですか?」
「うん」
俺はシュウさんの声を聞き漏らすまいと身を乗り出した。ブチを抱っこしているからほんのちょっとだけど、気分だ気分。
「ビン様を召喚するための儀式には、塔の魔術師が介入していると思いますよ。本来神殿は王家の聖域ですが、あそこでなんらかの儀式をする際には魔術師の塔より、聖なる力を持った魔術師を招聘いたします」
「魔術師ってさぁ、アロンさんが言うには、気位の高い年功序列主義者ばっかりだってことじゃない。ゲスクズなボンクラ宰相の言うことなんか聞く?」
「だからこその黒幕説ですよ」
話が最初に戻った。
「それ、ギィも俺に会ったときからわかっていたんじゃない? どうせ怖がるとか、余計な負担をかけないようにとかで黙っていたんでしょ?」
「否定はしません」
過保護だ。ため息を吐きながら無意識に胸元を探る。このペンダントはギィが俺のために選んでくれたものだ。最初にサーヤさんがくれたものは気に入らなかったらしい。
「駄目ですよ、ルン様。そんなに気にしていては、そこに大切なものがあると教えているようなものです」
「た、大切って、そりゃ大切だけど」
ミヤビンの髪の毛が隠されているんだから、当然大切だ。決して、ギィからのプレゼントだから大切なわけじゃない。ぼぼっと顔が熱くなって、今度こそ本当にシュウさんから視線を逸らした。
熱を覚ますようにパタパタと左手を振ると、手首で鎖がシャラリと鳴った。これは酒場の前でシュウさんが俺の懐中に入れたものだ。鳥笛をペンダントにしてあるんだけど、既にロケットを首から下げているからブレスレットにしている。鎖を三重に巻いたら丁度よかった。
「鳥笛も決して無くしてはいけませんよ。あなたと殿下で育てた鷹は賢いのです。呼べば必ず来ますからね」
シュウさんが真剣な声音で言ったとき、馬車がガタンと揺れて停車した。
⋯⋯森の直中で。
クッション盛り盛りの広い箱馬車の中で寛いでいた。行儀悪く靴を脱いで座席で胡座を組み、流民の子どものブチを抱っこしている。心地よい揺れにブチはうとうとしていて、ヨダレが俺の胸元に染みている。ジージョエル侯爵が用意したびらびらフリルのブラウスが汚れるが、そんなの知ったことか。惜しくもなんともない。
王都で戴冠式と結婚式をするから移動なんだそうだ。馬鹿じゃないか、宰相。誰が新王になるのかも決めきっていないのに、花嫁だけ準備してどうする。それにまだ王様はお城から出発しただけで、行方不明にもなっていないだろう? むしろお城から出発したことを民にアピールするように、道々の旅籠で恭しくお出迎えしているって聞いたよ。
俺を手放すつもりがないからだろうが、王様を弑する計画を喋っちゃっていいのかね。
俺とブチは正面を向く座席に座らせてもらって、向かいにシュウさんが座っている。必ず傍に行くと宣言した通り、彼は専用世話係として潜り込んできた。
「宰相が自分の世話係を大勢連れて乗り込んできましたから、紛れ込み易かったですよ」
シュウさんが薄く笑って言った。伯爵家と侯爵家、互いに互いの所属だと思い込ませているらしい。酒場のマスターはシュウさんの顔を見ているけれど、侯爵は見ていないからな。
平然と侍従や従僕の輪に入って情報を仕入れてくる手腕は、本当に何者なのかと驚くしかない。
「ねぇ、シュウさん」
ブチが眠っているうちに、聞いておきたいことがある。
「宰相ってさぁ、本当に黒幕?」
子ども向けアニメや特撮モノに出てくる、お約束な悪役にしか思えないんだけど。ラスボスかと思ってたら、後から出て来た真の敵にトカゲの尻尾切りされる奴。現代日本人は総ライトオタクだ。俺だってシゲさんの影響でラノベを読んでいたから、実体験はなくても空想体験はある。
シュウさんが目の前にいることからして、宰相も侯爵もただの阿呆だ。お抱え使用人の管理が杜撰すぎる。
「さすがでございます」
シュウさんがにっこり笑った。正面から笑顔を見ると、改めて彼が美形だとわかる。華やかさはない。整った精巧な素体って感じだ。それこそ何にでも化けられるような。
⋯⋯いや、深くは考えない。なんか突いたらヤバイものが出て来そうだ。俺には親切で優しいからよしとしよう。
「さすがってことは、何かあるの?」
「ルン様と同じことは、大公殿下も王子殿下もお考えです。あの宰相閣下はとても国を動かせる器ではありません。欲をかいて国を欲してはおりますが、手に入れた後のことは考えてはいませんね」
荒れた国など欲しくはないから、圧政は敷かない。かと言って弱者の救済もしない。ようはほったらかしなんだよ。ほったらかされていた人々が、おとなしく宰相の言うことを聞くかなぁ。
「ギィ殿下が足繁く王都に向かわれているのも、宰相の後ろにいる何者かを探っているためです。大公殿下がおとなしく蟄居なさっているのも同じ理由でございますよ」
そう言えばギィのお父上って、ギィをそのまま年齢を重ねさせたような人だって言ってたな。ならば武張ったこともイケるってことだ。そんな御仁があの頓珍漢な宰相を相手に、おとなしく蟄居に甘んじているって変だよな。
「大公殿下はとにかく陛下を大事にしておられます。先の王妃殿下⋯⋯陛下のお母上様ですが、かの御方とは歳の離れた姉弟のように、もしくは歳の近い母子のようにしてお育ちになったので、異母弟である陛下のことは誰よりも愛しんでおられます」
大公様のお母上はやんごとない深窓の未亡人で、成人を迎えたばかりの王子様のお閨作法の指南役だったと聞いた。表に出ることなくひっそりと余生を過ごされたそうだが、大公様は婚外子ながら王子としてお城で育てられ、やがて嫁いできた父のご正妃様の息子として王室名鑑に記載されることになった。為さぬ仲の息子なんて邪険に扱われてもおかしくないのに、家族として迎えてもらったら感謝しかないよな。
複雑な生い立ちの大公様は、何よりも誰よりも、先の王妃様とその忘れ形見⋯⋯弟王様が大切なのだそうだ。そんな方が王様に毒を盛るなどするはずがないし、悪意のある者を近づけることすら言語道断だ。その大公様の目を掻い潜ってことを起こしたのが、あのお間抜けな宰相なのか? 甚だ疑問だ。
「そりゃ、背後に誰かいるんじゃないかと疑うよね」
妙に納得した。
思い返せば国を乗っ取ろうとしているヤツが、ドヤドヤと仲間を引き連れて召喚を行うのも変だ。一応選ばれし共犯者なんだろうけれど、ビア樽侯爵だって相当阿呆っぽかった。まだ顔を見ていないその他の有象無象も、ゲスさはあれど大物感はなかったな。
「大公様も宰相は小物だって思っていたんでしょう? どうしてそんな人を宰相にしたの?」
「痛いところを突かれましたね。わたくしは政になど携わることのない一介の侍従ですが、ジュナイヴ王国の一臣民としてお恥ずかしい限りです」
一介のって強調されると背中が寒い。多分ただの侍従じゃないんだろうけれど。思わず視線を逸らしてしまったのは許してくれ。
「本人はボンクラですが、コンセンス伯爵家はそれなりに使い勝手のいい家なのですよ。代々日和見で、味方もいなければ敵もいない家です。派閥争いが激化するたび担ぎ出される、いわば調整役です」
どっちを立てても角が立つとき、とりあえずコンセンス伯爵を据えておけばいい、みたいな?
「先代までは穏健な調整役に相応しい人物であったようです」
息子は違ったわけだ。
「そう言えば、聖女に関する書物ってたくさんあるの? やたら書物がとか文献がとか言っていたけど」
王族のギィならわかるんだ。だってかつての聖女たちの多くが王族に嫁いで、そのお墓も王族が祀っているんだから。宰相なら好きに閲覧できるのか? それとも図書館みたいなところにたくさん並んでいるのだろうか。
「聖女を題材にした物語なら、幼児向けのものなど数多く存在します。童話や寓話と呼ばれるものですね。あえて書物と呼ぶほどのものではないですよ。王城か魔術師の塔の書庫には聖女様の手記などが残っているやもしれませんが。となると宰相は自分で読んだか、読んだ誰かに入れ知恵されたか⋯⋯」
魔術師の塔か。⋯⋯あれ? 聖女の召喚って、魔術師が関わったりしないのか?
「ねぇ、シュウさん。部屋の天井いっぱいの大きな魔法陣って、発動させるのにどのくらいの魔力が必要かな?」
神殿のあの部屋の天井には、びっしりと魔法陣が刻まれていたんだ。
「それは聖女召喚に魔術師が関わっているかどうかという質問ですか?」
「うん」
俺はシュウさんの声を聞き漏らすまいと身を乗り出した。ブチを抱っこしているからほんのちょっとだけど、気分だ気分。
「ビン様を召喚するための儀式には、塔の魔術師が介入していると思いますよ。本来神殿は王家の聖域ですが、あそこでなんらかの儀式をする際には魔術師の塔より、聖なる力を持った魔術師を招聘いたします」
「魔術師ってさぁ、アロンさんが言うには、気位の高い年功序列主義者ばっかりだってことじゃない。ゲスクズなボンクラ宰相の言うことなんか聞く?」
「だからこその黒幕説ですよ」
話が最初に戻った。
「それ、ギィも俺に会ったときからわかっていたんじゃない? どうせ怖がるとか、余計な負担をかけないようにとかで黙っていたんでしょ?」
「否定はしません」
過保護だ。ため息を吐きながら無意識に胸元を探る。このペンダントはギィが俺のために選んでくれたものだ。最初にサーヤさんがくれたものは気に入らなかったらしい。
「駄目ですよ、ルン様。そんなに気にしていては、そこに大切なものがあると教えているようなものです」
「た、大切って、そりゃ大切だけど」
ミヤビンの髪の毛が隠されているんだから、当然大切だ。決して、ギィからのプレゼントだから大切なわけじゃない。ぼぼっと顔が熱くなって、今度こそ本当にシュウさんから視線を逸らした。
熱を覚ますようにパタパタと左手を振ると、手首で鎖がシャラリと鳴った。これは酒場の前でシュウさんが俺の懐中に入れたものだ。鳥笛をペンダントにしてあるんだけど、既にロケットを首から下げているからブレスレットにしている。鎖を三重に巻いたら丁度よかった。
「鳥笛も決して無くしてはいけませんよ。あなたと殿下で育てた鷹は賢いのです。呼べば必ず来ますからね」
シュウさんが真剣な声音で言ったとき、馬車がガタンと揺れて停車した。
⋯⋯森の直中で。
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