神の末裔は褥に微睡む。

織緒こん

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愛に酔う。✳︎✳︎✳︎

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emergency‼︎

 R18回です。十八歳未満の方と苦手な方は回避してください。ただいま有能な侍従さんが離脱しておりますので、かわりに若奥様のお世話をしてくださるお姉様方、「予想通りだ、姉神様ナイス」と言うお姉様方、背後にご注意の上、お楽しみください。

 ⁂ ⁂ ⁂ ⁂ ⁂

 熱い手のひらが頬を辿る。瞼に顳顬にキスを受けながらうっとりと目を閉じると、唇を舐められた。深いキスを催促されたんだと思って口を開くと、ねっとりと口内を掻き回すように舌が入りこんで来る。

 後ろが濡れたのが、わかる。

 キスだけで、俺の身体は喜んでいるんだ。

 唇から顎、首筋をなぞって柔く食まれる。それだけでさざなみのような快感が湧き起こった。シャツの下に差し込まれた手で、尖った胸の頂きを優しく押しつぶされる。乳房はないけど授乳のために緩やかに張った胸元は、一般的な男の胸部に比べて柔らかい。

「アリス、可愛いアリス。逃がさない」

 肩で大きく息をしながら、ジェムは必死に自制している。

 生乾きの服を全て脱ぎ捨てると、ジェムの雄々しい滾りが目に入った。⋯⋯大きい。いつも俺が先に我を失うから、見たことなかった。体感としては物凄いって知ってたけど、視覚の暴力だ。

 神子返りの身体とは全然違う。これが自分の胎内に収まるなんて、信じられなかった。

 神の甘露ネクタルを二杯も飲まされたせいか、ジェムの滾りは太い血管を浮かび上がらせて赤黒く脈打っている。張り出した先端の小さな口も、脈に呼応してとぷとぷと透明な雫を垂らしていた。

「ジェム、きて。もう挿れて。こんなになってても俺が優先なんだもん。たまには自分本位でいいよ」

 自分から仰向けになって脚を開いた。腰を浮かせて下から両手で尻の肉を広げて見せる。恥ずかしくて泣きそうだけど、真摯なジェムは俺の蜜口を丁寧に弛める気でいる。

「駄目だ⋯⋯挿れてしまっては、歯止めが効かない。傷つけたくないのだ」

「⋯⋯アリスが悪いって言って、めちゃくちゃにして」

 歓喜で泣きたくなる。

 こんなに苦しそうなのに、俺のこと大事にしてくれる。俺を愛してるから、耐えているんだろ? ジェムが好きなのはアリスレアの容姿かもしれないなんて、ウジウジ悩んでた過去の自分に見せてやりたい。

 ここまで言っても我慢するから、右手を伸ばして後ろから中指を突っ込んだ。見せつけてやる。

 くちゅりと粘ついた音がする。

 初めて自分の指を迎え入れた場所は、違う、それじゃないと駄々を捏ねるようにパクパクと蠢いた。

「ジェムのがいい。ジェムのを頂戴」

「アリスが、悪い!」

 ジェムは俺の指を引き抜くと、熱い滾りをあてがって一気に最奥まで貫いた。俺の口から声になりそびれた呼気が漏れて、一瞬身体が硬直した。

 孕み袋まで突き刺さったような衝撃に、はっはっと浅い息を繰り返す。

 最奥にジェムの情熱を感じる。

「⋯⋯熱いの気持ちいい」

 生命の源を注ぎ込まれて、ゾクゾクと快感に支配される。

「クソ、若造でもないのにッ!」

 ジェムの乱暴な口調が嬉しい。一突きで達してしまったことが悔しいらしい。いや、神の甘露ネクタルを摂取してからどんだけの時間が経ってるんだ。むしろ挿れるまで吐き出さなかったのが凄い。

 でも一度達したことで僅かに余裕を取り戻したらしい。

「アリス、痛くない?」

 ここまで来て俺を気遣うか。こうなったら路線変更だ。ジェムの熱を発散させる方向じゃあ、遠慮を引き剥がせない。だったらお強請りしてやる。

「暗黒神に気持ち悪いこと言われたんだ。忘れたい。俺に触っていいのはジェムだけだろう? めちゃくちゃに気持ちよくして、たくさん注いで。俺の胎内なか、ジェムでいっぱいにして欲しいんだ。それにな、俺だって男だ。あいつのこと蹴り飛ばしたりして、結構興奮してるんだ。鎮めてよ」

 じっとしているだけでも、胎の内がジェムの滾りを引き絞るのがわかる。俺の身体は、こんなにもジェムを求めている。妻の役目だからとか、流されたとかじゃなく、本能でジェムが欲しい。

「ジェムが欲しい。だから、ジェムも俺を欲しがって」

「本当に⋯⋯悪い子だ、アリス」

「あ⋯⋯ッ」

 ぐりっと子宮の入り口を突き上げられた。

 長いストロークで入り口から奥まで隈なくこそげられて、悶えるような快感に堪らなくなって逃げるように腰を揺すった。ジェムの前後の動きと俺の左右の動きが合わさって、余計にひどいことになった。口から意味のない悲鳴なような甘え声がひっきりなしに紡ぎ出される。

「すまない、アリス⋯⋯ッ乱暴にするっ!」

「ジェムぅ⋯⋯いいよぅ⋯⋯ッ。好き⋯⋯あっ、んぁ⋯⋯あッあぁ」

 ガツガツと奥を突かれる。最初からこんなに激しいのは初めてだ。あっという間に昇りつめて、ヒクヒクと喉を震わせる。俺の腹は濡れていない。中だけでイッたみたいだ。長く尾を引く絶頂に重ねて、次の波が来た。

 ジェムはもう、遠慮なんかどこかにやっちゃって、ひたすらに俺を貪る。最初からこんなでもおかしくなかったのに、痩せ我慢なんかするんじゃないっての。

 肩に首に、甘い噛み痕が残される。いつもの控えめなキスマークも嬉しいけど、愛しくて、どうにかなりそうだ。

 繋がったまま引き起こされて、ジェムの腿に乗る。太い首に手を回して滴る汗を舐めた。それだけイッちゃいそうだ。

 楔で子宮の入り口を押し上げて、ゆすゆすと揺らされる。子どもを育む場所がコリコリと抉られて、きゅう、と胎内が締まった。

「俺の中⋯⋯ん、ジェムの、カタチに⋯⋯なっちゃった⋯⋯⋯⋯あん」

 俺の声はどこか蕩然としている。頭の中、お花畑だ。中も外もジェムに満たされて多幸感でいっぱいになる。

「畜生」

 苛立ったような台詞を吐いて、ジェムが再び体位を変えた。小柄な俺の体重なんてなんでもないんだろう。うつ伏せになって膝をついて尻を掲げる。腰を掴まれて一層激しく突かれた。

 ⋯⋯バック、ジェムとは初めてだ。

 クシュナ王の、いつもの体位。辛い記憶を掘り起こさないように、ジェムはこの体位は避けていたように思う。でも俺、ずっと上書きしてもらいたかった。

 やっと叶った。

「アリス、いくよ」

「ん⋯⋯あああぁぁッ」

 情熱を受け止めた衝撃で、神子返りのささやかな場所から色のない体液が飛び出した。たぶん俺の精液には父親になる能力は備わっていない。

 中だけで何度もイッて、前でもイッた。神子返りの身体では、前でイくのは一回でも辛い。

 流石にぐったりして身体が支えられなくなったけど、ジェムの楔はまったく情熱を失っていない。とは言え俺もすっかり手足が重いのに、ジェムをしゃぶる場所だけは貪欲に蠢いている。

「ジェムぅ、今度は、顔見てイきたい」

 俺の望みは叶えられた。正常位でゆったりと愛されて、甘く喘いで、もうイくのが辛いほどイかされた。ジェムもいっぱい俺の中で情熱を解き放って、触れ合う場所はずっと水の音を立てている。

「ね、順番。次はジェムが好きな格好で、しよう?」

 甘えることでジェムが我慢しなくてもいいなら、いっぱい甘えよう。正直限界だけど、神の甘露ネクタルを飲んだジェムは、まだ熱い目をしている。

「いいよ、溺れるくらい、愛して」

 そうつぶやいたのが、その日の最後の記憶。

 歓喜のなか、俺は甘い微睡まどろみに引き摺り込まれた。
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