神の末裔は褥に微睡む。

織緒こん

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神の甘露。✳︎

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 emergency‼︎

 R 17.5(笑)。18歳未満のお嬢様とえちえち苦手な方はご自衛ください。なし崩しかよ、でもオールオッケーだ! な、お姉様がたは、背後注意でお楽しみください。

 ⁂ ⁂ ⁂ ⁂ ⁂

 うあ⋯⋯。

 熱い⋯⋯。

 なんだ、コレ? この身体にこんなに熱が燻ったことない。前世まえもないけど。

「ジェム⋯⋯」

 どうしていいのかわからなくなって、ジェムを見上げた。見下ろした彼の生真面目な表情カオが崩れるのが見えて、すぐに視界が塞がれた。

 ジェムが着ていた上着を脱いで、俺の頭から覆ったからだ。被った上着ごと抱き上げられて、浮遊感に目が回る。

「イェン様、時間と場所を選んでください。これではアリスが可哀想ではありませんか。恥ずかしい思いをするでしょう」

「あら、人間ひとは明るいうちだとなのね」

「それ以前に、夫婦の秘事は他人の前で匂わせるものではありません」

「ジェレマイアの言うことはもっともだが、お相手はイェン神様だ。言葉を選べ!」

 イラついたジェムの声とまるで意に介さないイェンの声。外務卿の声は慌てている。

 そんなことより、熱い。息ができない。苦しい。

「ジェム⋯⋯もぅ、ヤダぁ⋯⋯熱いぃ」

 頭から被った上着は安心する匂いがするけど、とにかく息苦しい。はふはふと胸で呼吸を繰り返しながら、俺を横抱きするジェムの胸に顔をうずめた。

「湖の社に行きなさい。あそこはユレのための褥。ノーマ、ルシンダ、万事恙無つつがなく整えなさい」

 イェンの言葉が終わらないうちにジェムが歩き出した。

「お待ちなさい。送るわ」

 一瞬、肉体が膨張するような違和感を感じた。上着が剥ぎ取られると、俺とジェム、イェンしかいなかった。みんな何処に行った?

 違った、三人だけ移動したんだ。場所が変わっている。

「ジェレマイア、と言ったわね。お前がアリスレアの毒抜きに付き合っている間、世界中の神殿に神託を下ろして回るわ。じゃあね、可愛いアリスレア。素直にしてるのが一番楽よ」

 イェンはヒラヒラと手を振って消えた。

 第三者の目がなくなって、俺の身体から力が抜ける。こんな恥ずかしい姿、誰にも見られたくない。全身が熱くて息苦しいし、胎の奥がウズウズする。女医のティシューに内診された場所だ。それから固く張り詰めたささやかなアソコ。

「アリス。ひとまず横になって」

 優しくおろされたのは、極上の絹で覆われた柔らかなベッド。イェン風に言うなら褥ってヤツだ。

 俺はすぐにジェムに背を向けて身体を丸めて、アソコに手を伸ばした。

「⋯⋯ジェム、見られたくないぃ。恥ずかしくて死にそう⋯⋯」

 燻る熱を知らない身体が、ひたすら息苦しさを訴える。アリスレアの身体⋯⋯神子返りの身体的特徴で男の機能の発達がとても遅い。ティシュー曰く、一生精通を迎えない神子返りもいるらしい。

 事実、アリスレアも未通だった。

 それが初めて固く張り詰めている。それもジェムの前で。

 阿呆イェン、説明してから飲ませろや!

「アリス、夫婦のことは正気に戻ってからしよう。今からするのは治療だから⋯⋯楽にしてやるから身を任せて」

「んんぅ⋯⋯恥ずかしいから、やぁ」

 全身から汗が吹き出す。デトックス効果でも狙ってんのか、あの桃ジュース。

 浅い呼吸を繰り返しながら、ズボンの前立てを寛げようとして、失敗する。ファスナーが開発されていないから、隠しボタンが縦に並んでるんだよ。

「うぇ⋯⋯はずれない⋯⋯⋯⋯ジェムぅ、どうしたらいい⋯⋯?」

 思わずジェムに助けを求めた。

 待った、どうかしてた。今の無し!

「アリス⋯⋯」

 切なげに名前を呼ばれる。それだけで背中に震えが走った。

 ジェムは剣を持つ節くれだった太い指で、器用に前立てのボタンを外してくれた。それだけじゃなくて、俺の身体を軽々と仰向けにすると、ブラウスのボタンもあっという間に外して袖を引き抜いた。

 衣が皮膚をすべる。それだけでなにが起こったのかわからなくなるほど悶えた。

「こわい⋯⋯こんなの、なったこと、ない⋯⋯」

「大丈夫。全部神の甘露ネクタルのせいだ。楽な姿勢になろう」

 今度は胡座を組んで座ったジェムの足の間に、背中を預けて座らされた。衣服は全て剥ぎ取られていて、ジェムのシャツに直接背中が擦られる。

「ああ⋯⋯っ」

 変な声が出て、慌てて両手で口を覆った。

 ジェムは俺の足を大きく開くと、自分の膝に引っ掛けた。ヤダ、ぜんぶ見えちゃうだろ⁈ ⋯⋯ジェム、後ろにいるからそうでもないのか?

 多分、この身体が快楽を未経験だから、この程度で済んでいるんだろう。神様の回春薬の威力、こんなものじゃないだろう。

 現実逃避して他所ごとを考えていたら、唐突にささやかなアレを大きな手で包まれて腰が跳ねた。

「んあっ⋯⋯待って待って、無理‼︎ 俺、この身体でイったことない! はんっ⋯⋯出せなきゃ苦しいだけだろ⁈」

 前世まえの俺はどうだった? 昔すぎて覚えてない! それになんだか、後ろから変な粘液が降りてきてる感覚がする。これ、ゲス乳兄弟に香油を塗りたくられたときよりヌルついてないか⁈

「達しないと、終わらないだろう。イェン様が夫も必要だと言ったのは、そういうことだと思う」

 だよねーっ!

 俺もそう思う‼︎

「変な薬のせいで、なし崩しにえっちなことはしたくないっつうかッ!」

 とか言いながら、勝手に腰がくねってジェムの手のひらにアレを押しつける。

「怖がらないで。神の甘露ネクタルも毒も全部抜けて、アリスが自分で求めてくれるまで奪ったりしないから」

 背後から顳顬こめかみにキスが落とされる。やだ、口が寂しい⋯⋯あれ、俺なにを思った?

「あん⋯⋯やっ、奥が⋯⋯変⋯⋯⋯⋯あぅん⋯⋯ッ」

 もう変な声しか出ない。広げた足の間の奥を探られる。溢れるなにかをくるくると塗りこめてくるのは、ジェムの指だ。つぷんとそれが胎内に侵入してくると、ゾワゾワと快感が走った。

「やっ、やだ⋯⋯っ! うそ、そこが気持ちいいとか、ないッ⋯⋯あんっ」

 そこを使われるときは、痛みと圧迫感しかなかった。それに指なんか入れられたことない! ゲスは香油を塗りたくった張型で慣らしをしたし、クズは突っ込むだけだった。

 優しく中を捏ねるように愛撫されて⋯⋯そうだ、これは愛撫だ。愛されているんだ。そう思ったら胎の奥がキュウッとなった。

「気持ちいいのか? これは愛の行為だ。いくらでも気持ちよくなっていい。イェン様も身を任せた方が苦しみは少ないと言っていたろう」

 低い熱に掠れた声が耳に直接吹き込まれた。

「妻を愛するのは夫の特権だ。この熱を鎮めるのは他の誰でもない、あなたの夫だ」

 その言葉に陥落しない妻がいるだろうか?

 俺は心も身体も抵抗をやめた。そしたらあとは、ひたすらに気持ちよくて、あんあん言い続けた。神子返りの身体は結局前からはなにも吐き出すことができなくて、初めて中でイった。

 最後はどうなったのか、よく覚えていない⋯⋯。
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