10 / 14
騎馬戦とリレーは花形競技
しおりを挟む
昼食を終えると、午後の部の前に応援合戦がある。どの分団も応援団長は運動部員が務めていて、体格が良く見栄えする。応援団長と分団長は長ランに長襷、その他の応援団員は学ランに襷掛けだった。
白百合団と睡蓮団の団長は、生徒会長と風紀委員長。岡止々岐団と紅芙蓉団の団長も生徒会役員だった。うーん、眼福眼福。さすが攻略対象、見てるだけなら幸せになれる。
勇壮華麗な応援団のパフォーマンスが終わると、午後は怒涛の高得点競技ラッシュになる。棒倒し、スウェーデンリレー、騎馬戦、分団対抗リレーと目白押しだ。
玉入れで燃え尽きたわたしは、応援席で声援を送る。春香さんも隣でニコニコしてるけど、聡子さんは足が速いので、スウェーデンリレーの集合アナウンスがかかって行ってしまった。
陸上部員はトラック競技へのエントリーが制限されている。だから、どの分団も最後の対抗リレーに投入してくる。陸上部以外の運動部員のほか、文化部所属の実はイケちゃう隠れスポーツマンをどう使うかが勝敗を握る。聡子さんは茶道部に入部したけど、お母さまのご実家が全国に支部がある古武術道場なのである。
「「聡子さーん、頑張ってーっ!」」
春香さんときゃあきゃあ言って送り出す。今日は誰もお行儀良くとは言わない。一生懸命応援するのがマナーです!
迫力の棒倒しが終わって、スウェーデンリレーの選手が入場してくる。続けて騎馬戦の呼び出しがかかった。男子生徒が何人も立ち上がって、女子生徒が口々に応援している。
騎馬戦は花形競技なので、生徒会役員や風紀委員は大体推薦でエントリーしている。確か生徒会書記は線の細い男子生徒なんだけど、儚すぎて怪我でもしないか心配している。
会長が黄色い声に追い立てられるように、移動を始めた。ふと顔を上げた彼と目が合う。ヤバっ。だからその「よっ」ていうのやめてよ。花城さんが睨んでいないか、キョロキョロしちゃったじゃない。よかった、いない。
「藤宮会長、最近依子さんと親しくされてますの?」
春香さんがおっとりと爆弾発言をかました。
「事故に居合わせたから、気にかけて下さっているだけです。もう元気なので、そのうち以前のようになりますよ」
花城さんを危険人物としてマークしているうちはわたしの身辺を注意してるんだろうけど、春香さんが心配するから黙っておく。
「一年生、始まりますわよ」
「あら花城さんがいますね」
スウェーデンリレーのスタート地点に、バトンを持った花城さんがいた。だからいなかったのね。
パァン、とピストルの軽い音がして、第一走者が一斉にスタートした。白い鉢巻をした花城さんは胸の差で二番手にいる。ほどほど頑張れー(棒読み)。
花城さんは二番手のままバトンを次につなぎ、第二走者がギリギリで抜かれて三番手に落ちた。第三走者は聡子さん。
「「聡子さーん!」」
凄い、聡子さんったらぶっちぎり! ぐんぐんスピードを上げて二人を抜き去るとトップに躍り出た。そのまま差を広げていくさまは、場内アナウンスを大興奮させた。
「白百合団の第三走者、二木聡子嬢、なんと茶道部だーっ! なんという逸材、これ程のスプリンターが埋もれていたとはッ! 二位以下をダントツに引き離してバトンをターッチ‼︎」
アンカーは聡子さんが作った圧倒的差を味方にして、悠々トップでテープを切った。私と春香さんは手を取り合って喜んだ。それにしても聡子さん、なんでモブなの。
各学年男女別のスウェーデンリレーが終わった。午後の競技から得点板は更新されないので、どの分団が勝ってるかはよくわからない。スウェーデンリレーも一年女子は一位だったけど、他は二位とか三位とか。ひっくるめたら各分団、いい勝負だと思う。
いよいよ騎馬戦がやって来た。勝ち抜き戦で対戦相手はクジ引きで決める。白百合団 対 岡止々岐団、睡蓮団 対 紅芙蓉団で、双方勝った方が決勝に進む。
馬が潰れるか鉢巻を取られたら討ち死に、大将が討ち取られたら終了、制限時間が来たら残った馬の数で勝負が来まる。
大将は団長が務めることになっている。白百合団は藤宮会長、睡蓮団は高根沢委員長、岡止々岐団と紅芙蓉団はそれぞれ生徒会副会長と書記が務めている。可憐な乙女のような書記さんを団長にするなんて、なんて無謀なんだと思ったら、敢えて大将に据えて全員で守りきる作戦らしい。役員は慣例で強制エントリーなので、仕方がないのかぁ。
白百合団 対 岡止々岐団は会長と副会長が華麗に一騎討ちをして勝負がつかず、制限時間いっぱいで終わった。残った馬は一騎差で白百合団の辛勝。やっぱり各分団精鋭を持って臨んでいるだけあって、迫力が凄い。
悔しいけど、藤宮会長かっこ良すぎ。
続く睡蓮団 対 紅芙蓉団は紅芙蓉団が大将を自軍の馬で囲う穴熊作戦で、大将同士の直接対決はなかった。高根沢委員長の馬は縦横無尽に動き回り、片っ端から鉢巻を奪っていった。
あ、ボンバー発見。彼も騎馬戦だったんだ。ボンバーの馬は紅芙蓉の書記さんに向かって突っ込んでいったけど、守りを固める精鋭にあっさり鉢巻を取られ⋯⋯って、ズラまで取られた‼︎
アフロが宙を舞い、瓶底眼鏡が地に落ちる。
日本人の遺伝子何処いった! キンキラキンの金髪が初夏の太陽で煌めいで、クルンとした瞳の美少年が潰れた馬の上でなんかわぁわぁ叫んでいる。
こちらも制限時間いっぱいで終了し、睡蓮団が勝ち上がった。
て言うか、ボンバーもう正体バラすんかい! まだ五月でしょーッ⁈ ボンバーは『王道くん』なんで、ズラと眼鏡を外したら超美少年が出てくるの。
実況も勝ち負けよりボンバーの美少年っぷりをシャウトしてるし、応援席の生徒もザワザワとどよめいている。
騒然とした中、決勝のために隊列が組まれるけど、ソワソワした空気は拭えない。みんなチラチラとボンバーを見ていて、藤宮会長と高根沢委員長がビシッと何か言っていた。多分集中しろとか整列しろとか注意してるんだけど、応援席までは聞こえない。
グダグダのまま開始のピストルが鳴って、両団一斉に動き出した。ボンバーの馬は全力で逃げ回っている。なんかすごい数の馬が追いかけていて、見ていて怖い。
その間、藤宮会長と高根沢委員長は格好よく鉢巻を奪いながら、お互いの距離を詰めている。大将の一騎討ちする気と見た。委員長、ボンバーの救助に行かなくていいのかな?気にするそぶりもない。
一騎討ちとボンバー、どっちに注目したらいいのかひとりであたふたしていると、春香さんがわたしの腕をちょいとつついた。
「あちら、見てくださいな」
「ヒッ」
示されたのは、応援席に戻っていた花城さん。思わず変な声が出ちゃったけど、それはもう恐ろしい般若でございました!これから殺人でも犯しそうな顔で、ボンバーを睨みつけている。
一体何事⁈
⋯⋯もしかして、ボンバーが注目されているのが気に食わないとか?
パァン
びっくぅーーッ。
ビビった! 超ビビった‼︎
騎馬戦終了のピストルの音だった。見ると藤宮会長も高根沢委員長も残っていた。白百合団は僅差で負けて、藤宮会長が悔しそうに笑った。対して高根沢委員長はニヤリと人の悪い笑みを浮かべている。拳を付き合わせてから会長が、委員長の腕を掲げた。勝利を讃える姿が、男の友情って感じで格好良い。
鑑賞用としては最高ですなぁ。
白百合団と睡蓮団の団長は、生徒会長と風紀委員長。岡止々岐団と紅芙蓉団の団長も生徒会役員だった。うーん、眼福眼福。さすが攻略対象、見てるだけなら幸せになれる。
勇壮華麗な応援団のパフォーマンスが終わると、午後は怒涛の高得点競技ラッシュになる。棒倒し、スウェーデンリレー、騎馬戦、分団対抗リレーと目白押しだ。
玉入れで燃え尽きたわたしは、応援席で声援を送る。春香さんも隣でニコニコしてるけど、聡子さんは足が速いので、スウェーデンリレーの集合アナウンスがかかって行ってしまった。
陸上部員はトラック競技へのエントリーが制限されている。だから、どの分団も最後の対抗リレーに投入してくる。陸上部以外の運動部員のほか、文化部所属の実はイケちゃう隠れスポーツマンをどう使うかが勝敗を握る。聡子さんは茶道部に入部したけど、お母さまのご実家が全国に支部がある古武術道場なのである。
「「聡子さーん、頑張ってーっ!」」
春香さんときゃあきゃあ言って送り出す。今日は誰もお行儀良くとは言わない。一生懸命応援するのがマナーです!
迫力の棒倒しが終わって、スウェーデンリレーの選手が入場してくる。続けて騎馬戦の呼び出しがかかった。男子生徒が何人も立ち上がって、女子生徒が口々に応援している。
騎馬戦は花形競技なので、生徒会役員や風紀委員は大体推薦でエントリーしている。確か生徒会書記は線の細い男子生徒なんだけど、儚すぎて怪我でもしないか心配している。
会長が黄色い声に追い立てられるように、移動を始めた。ふと顔を上げた彼と目が合う。ヤバっ。だからその「よっ」ていうのやめてよ。花城さんが睨んでいないか、キョロキョロしちゃったじゃない。よかった、いない。
「藤宮会長、最近依子さんと親しくされてますの?」
春香さんがおっとりと爆弾発言をかました。
「事故に居合わせたから、気にかけて下さっているだけです。もう元気なので、そのうち以前のようになりますよ」
花城さんを危険人物としてマークしているうちはわたしの身辺を注意してるんだろうけど、春香さんが心配するから黙っておく。
「一年生、始まりますわよ」
「あら花城さんがいますね」
スウェーデンリレーのスタート地点に、バトンを持った花城さんがいた。だからいなかったのね。
パァン、とピストルの軽い音がして、第一走者が一斉にスタートした。白い鉢巻をした花城さんは胸の差で二番手にいる。ほどほど頑張れー(棒読み)。
花城さんは二番手のままバトンを次につなぎ、第二走者がギリギリで抜かれて三番手に落ちた。第三走者は聡子さん。
「「聡子さーん!」」
凄い、聡子さんったらぶっちぎり! ぐんぐんスピードを上げて二人を抜き去るとトップに躍り出た。そのまま差を広げていくさまは、場内アナウンスを大興奮させた。
「白百合団の第三走者、二木聡子嬢、なんと茶道部だーっ! なんという逸材、これ程のスプリンターが埋もれていたとはッ! 二位以下をダントツに引き離してバトンをターッチ‼︎」
アンカーは聡子さんが作った圧倒的差を味方にして、悠々トップでテープを切った。私と春香さんは手を取り合って喜んだ。それにしても聡子さん、なんでモブなの。
各学年男女別のスウェーデンリレーが終わった。午後の競技から得点板は更新されないので、どの分団が勝ってるかはよくわからない。スウェーデンリレーも一年女子は一位だったけど、他は二位とか三位とか。ひっくるめたら各分団、いい勝負だと思う。
いよいよ騎馬戦がやって来た。勝ち抜き戦で対戦相手はクジ引きで決める。白百合団 対 岡止々岐団、睡蓮団 対 紅芙蓉団で、双方勝った方が決勝に進む。
馬が潰れるか鉢巻を取られたら討ち死に、大将が討ち取られたら終了、制限時間が来たら残った馬の数で勝負が来まる。
大将は団長が務めることになっている。白百合団は藤宮会長、睡蓮団は高根沢委員長、岡止々岐団と紅芙蓉団はそれぞれ生徒会副会長と書記が務めている。可憐な乙女のような書記さんを団長にするなんて、なんて無謀なんだと思ったら、敢えて大将に据えて全員で守りきる作戦らしい。役員は慣例で強制エントリーなので、仕方がないのかぁ。
白百合団 対 岡止々岐団は会長と副会長が華麗に一騎討ちをして勝負がつかず、制限時間いっぱいで終わった。残った馬は一騎差で白百合団の辛勝。やっぱり各分団精鋭を持って臨んでいるだけあって、迫力が凄い。
悔しいけど、藤宮会長かっこ良すぎ。
続く睡蓮団 対 紅芙蓉団は紅芙蓉団が大将を自軍の馬で囲う穴熊作戦で、大将同士の直接対決はなかった。高根沢委員長の馬は縦横無尽に動き回り、片っ端から鉢巻を奪っていった。
あ、ボンバー発見。彼も騎馬戦だったんだ。ボンバーの馬は紅芙蓉の書記さんに向かって突っ込んでいったけど、守りを固める精鋭にあっさり鉢巻を取られ⋯⋯って、ズラまで取られた‼︎
アフロが宙を舞い、瓶底眼鏡が地に落ちる。
日本人の遺伝子何処いった! キンキラキンの金髪が初夏の太陽で煌めいで、クルンとした瞳の美少年が潰れた馬の上でなんかわぁわぁ叫んでいる。
こちらも制限時間いっぱいで終了し、睡蓮団が勝ち上がった。
て言うか、ボンバーもう正体バラすんかい! まだ五月でしょーッ⁈ ボンバーは『王道くん』なんで、ズラと眼鏡を外したら超美少年が出てくるの。
実況も勝ち負けよりボンバーの美少年っぷりをシャウトしてるし、応援席の生徒もザワザワとどよめいている。
騒然とした中、決勝のために隊列が組まれるけど、ソワソワした空気は拭えない。みんなチラチラとボンバーを見ていて、藤宮会長と高根沢委員長がビシッと何か言っていた。多分集中しろとか整列しろとか注意してるんだけど、応援席までは聞こえない。
グダグダのまま開始のピストルが鳴って、両団一斉に動き出した。ボンバーの馬は全力で逃げ回っている。なんかすごい数の馬が追いかけていて、見ていて怖い。
その間、藤宮会長と高根沢委員長は格好よく鉢巻を奪いながら、お互いの距離を詰めている。大将の一騎討ちする気と見た。委員長、ボンバーの救助に行かなくていいのかな?気にするそぶりもない。
一騎討ちとボンバー、どっちに注目したらいいのかひとりであたふたしていると、春香さんがわたしの腕をちょいとつついた。
「あちら、見てくださいな」
「ヒッ」
示されたのは、応援席に戻っていた花城さん。思わず変な声が出ちゃったけど、それはもう恐ろしい般若でございました!これから殺人でも犯しそうな顔で、ボンバーを睨みつけている。
一体何事⁈
⋯⋯もしかして、ボンバーが注目されているのが気に食わないとか?
パァン
びっくぅーーッ。
ビビった! 超ビビった‼︎
騎馬戦終了のピストルの音だった。見ると藤宮会長も高根沢委員長も残っていた。白百合団は僅差で負けて、藤宮会長が悔しそうに笑った。対して高根沢委員長はニヤリと人の悪い笑みを浮かべている。拳を付き合わせてから会長が、委員長の腕を掲げた。勝利を讃える姿が、男の友情って感じで格好良い。
鑑賞用としては最高ですなぁ。
10
お気に入りに追加
240
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり

ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

はずれのわたしで、ごめんなさい。
ふまさ
恋愛
姉のベティは、学園でも有名になるほど綺麗で聡明な当たりのマイヤー伯爵令嬢。妹のアリシアは、ガリで陰気なはずれのマイヤー伯爵令嬢。そう学園のみなが陰であだ名していることは、アリシアも承知していた。傷付きはするが、もう慣れた。いちいち泣いてもいられない。
婚約者のマイクも、アリシアのことを幽霊のようだの暗いだのと陰口をたたいている。マイクは伯爵家の令息だが、家は没落の危機だと聞く。嫁の貰い手がないと家の名に傷がつくという理由で、アリシアの父親は持参金を多めに出すという条件でマイクとの婚約を成立させた。いわば政略結婚だ。
こんなわたしと結婚なんて、気の毒に。と、逆にマイクに同情するアリシア。
そんな諦めにも似たアリシアの日常を壊し、救ってくれたのは──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる