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種付呪法
After. 種付呪法第七夜
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狭い部屋に嬌声が響く。猫のように甲高い声は薄い壁など貫通し、隣人へ否応なしにその交わり激しさを伝える。
真っ昼間からその男と女はセックスにふけていた。
「んっ……あぁん」
くの字に腰をまげ男と唇へ重ねる。蛞蝓の交尾ように溶け合いながら二つの舌が混じり合う。
二つの接合部。上と下と両方の口で同時に行われるこの奉仕は男の情熱を刺激した。
「はぁはぁ……梨沙、出すぞ!」
もう限界だと、激しい息遣いで言う男に梨沙は脚を絡めて応じた。
男が果てた。静液が避妊具の中に放たれ薄い膜越しにその熱を感じる。
僅か0.3mmの壁に男の熱い子種が閉じ込められる。
「はぁはぁはぁ……愛してるよ」
離れた二つの接合部は名残惜しそうに糸を引いていた。
「ねぇもう行くの?」
行為を終えた男はそそくさと上着を羽織った。
梨沙は物欲しそうに男を呼んだ。
「仕事だよ」
そう言って男は梨沙を置いて部屋を後にした。
一人残された梨沙は服も着ず全裸でベットに横たわる。
「足りない……」
梨沙は残されたコンドームを手に取る。二人の体液で濡れたそれは先ほどまで梨沙と男を隔てていたものだ。
中には男が吐き出した精液が溜まっている。まだ暖かい。
梨沙は躊躇うことなくコンドームを口に含んだ。
ぐっちゃ。ぐっちゃ。
ガムの様に咀嚼する梨沙。
ゴム質の苦い味と共に精液の味が口に広がる。
「まだ……足りないの」
彼とのセックスに物足りなさを感じるようになったのは何時からだろうか。
いくら深く繋がろうが激しく動こうが梨沙が満たされる事は無かった。
避妊具をつけていることも不満の一つだった。幾ら薄かろうが生の感覚には程遠い。避妊具に出されるたび、梨沙は子宮が渇きを訴えているのを感じていた。
ぐっちゃ。ぐっちゃ。ぺっ。
両手を皿にしてコンドームを吐き出す。味のなくなったガムと同じようにだ。
熱に魘された頭の片隅で梨沙は考える。ここ最近、自分はすっかり変わってしまった。
前はこのような変態的趣向は持ち合わせていなかった筈だ。
まだまだ梨沙の疼きは治らない。股からは愛液が垂れてベットのシーツを汚した。
理由は分かっていた。ガサゴソと散らかった棚の中に手を入れその奥へ追いやった玩具を取り出す。
梨沙が取り出したもの、それはピンクの樹脂で形作られたオナホールだ。
全ての原因はこのオナホールだった。オナホールを戸口に置かれたあの日、梨沙は精液のスライムに襲われた。それから毎日、同じ事が続いた。
初めは抵抗した梨沙だが、何度も襲われるとその気力も無くなった。
精液スライムが梨沙に与える快楽は耐えようが無いもので、梨沙があの怪物へ従順するのにさほど時間は掛からなかった。
オナホールに残る誰のとも知れない精液の残り香を嗅ぎながら梨沙は独りオナニーを続けた。
その日の夜。
梨沙は最近通い始めたジムから帰宅する途中だった。
夜道を歩きながら梨沙は背後に気配を感じていた。梨沙の後ろ、少し離れた位置に男いた。
顔が見えない程深く被った帽子、紐の緩んだよぼよぼのスウェット、靴だけが真新しいスニーカー。男は服の上からでも分かるほど太っていてそわそわと落ち着かない様子で辺りを見回している。
どう見ても不審者。
関わり合いになりたくは無いと願う梨沙だがあろうことかその男は梨沙の後をずっと追いかけてきていた。
男は梨沙から一定の距離を空けて歩き、梨沙が道を曲がり視界に消えるとその時だけ小走りになって近づいて来る。
下手でバレバレの尾行。だがそれがかえって怖かった。
まだ時刻も遅すぎるという訳でもなく、周囲の民家には明かりが灯っている。叫べば直ぐに助けが来るはずだ。
梨沙は少し歩調を早めた。
あまり刺激しない方がいいだろうと梨沙は振り返りもせず真っ直ぐ帰路へ着こうとした。
マンションが見えると同時に梨沙はぎょっとした。
目の前の電柱に先程の男が潜んでいる事に気づいたのだ。
男は電柱の影から梨沙を見つめると粘っこい笑みを見せた。
そして、梨沙を通せんぼするかの如く立ち塞がった。
「何か用ですか?」
梨沙は平然を装い男にそう聞いた。答えなければすぐ横を通り過ぎようと考えていた。
男は梨沙の問いには答えず、おもむろにスウェットを脱ぎ捨てた。
「?!」
男はスウェットの下には何も着ていなかった。
だらし無い脂肪が皮に乗り鏡餅のように連なった腹。
露出狂だ。こいつは自分の性器を他人に見せつける事で性的快楽と征服感に浸る変態だ。
少なくとも武器のようなものは持っていない。逆上されてもここは民家が近い。
叫べばいいだけ。それだけでこの変態は逃げていくだろう。
しかし、梨沙にはそれが出来なかった。
男のペニスは完全に勃起している。太い土管のようなペニスだ。皮は剥けておらず余った皮が垂れている。正面から見ると植物のヘタのようでみっともない。
梨沙はこのペニスに見覚えがあった。
男がニタニタと気味の悪い笑みを浮かべ近づいてくる。梨沙は力なくその場にへたり込んだ。
「あぁ……あぁぁ!」
喉を震わせ出た嗚咽の声は恐怖からでは無かった。
男は一歩一歩、歩いて梨沙に近づく。全裸になったまま勃起したペニスを梨沙の顔面に突きつける。
「はっはっはっはっ」
興奮した犬のような激しく短い息遣い。頬は高揚のため赤く染まっている。
口を開き伸ばした舌はペニスに向けられている。
「はっはっ……知ってる!……はっはっ……私っあなたを知ってる!」
このペニスは三日に渡り梨沙を犯し続けた精液スライムのペニスであった。
男は梨沙の頭を掴み立たせた。梨沙は男の指示全てに従順に従う。ご主人様に媚を売る雌犬のように。
男は梨沙の様子に満足したのか押し殺したように笑うと全裸のまま歩き出した。
その後ろを梨沙が付いていく。
梨沙は無も言われなかったがそうするべきだと理解していた。
梨沙は男に連れられ公衆便所に連れ込まれた。
「ンッ……はぁん」
小便のすえた臭いが染み付いた男子便所。雄と雌は生まれたままの姿になり抱き合っていた。
抱き合うというよりかは埋め込まれると表現する方が近い。
男の肉腹に押さえ込まれ激しく唇を貪られる梨沙の姿は捕食されているようにも見える。
ずぞぞぞぞぞ。
男は梨沙の唾液をすすり飲む。梨沙はその感息は出来ない。
掃除機のように梨沙を吸い込み続けている。
「ぷはっ……はぁはぁ……」
長い口付けが終わる。ようやく新鮮な酸素にありつけた梨沙はぱくぱくと魚のように口を開閉している。
梨沙は便所に満ちる黄ばんだ空気をたっぷりと吸い込んだ。
梨沙の目前にそり立ったペニスが差し出された。
梨沙はぺろりと舌舐めずりすると潤んだ瞳で男を見上げた。
「……犯して下さい」
男が梨沙を汚い床に押し倒した。我慢できないと言った乱暴な動きで梨沙の両足を開き床に押し付ける。
「あぁんっ」
男は曇った笑い声を上げ、梨沙へ挿入した。
ぷちゅりと、空気が押し出される音。男のペニスは梨沙の膣壁に密着し押し広げなら奥へ進んでいく。
獣のような咆哮を上げ男は一気にペニスを捻じ込んだ。男をキツく締め上げる梨沙の膣で包皮を剥ぎ、男のズル向けになった亀頭が子宮口に密着した。
「んンンッ!」
「おっおっおっ……おぉぉぉ」
気味の悪い息遣い。それは男が息を吐きながら喘いでいるからだ。息を吸う事もせずに男は両手で梨沙の足を力強く押し付け獣のような激しさで腰を振る。
「すごっ……いぃ…好きぃあなた……好きぃ」
梨沙は両手で男の肩を抱きしめて自分に近寄せる。その口は男への愛を囀り続ける。
自分の彼にすら見せたこの無い雌の本能で梨沙は男を求める。
「あはははは!っはぁ……めちゃくちゃにして」
男も異常だが、梨沙も異常であった。ゲラゲラと甲高く笑うその表情は狂気に歪み男の欲望をその膣に受け止める。
公衆便所に梨沙の笑い声と腰と腰のぶつかり合う男が響いた。
「あはははっあはははははは!」
男が全身を大きく反った姿勢を取り梨沙の子宮口にペニスを押し付けた。
ぶりゅりゅりゅりゅ。
チューブからラードを絞り出すような汚らしい音を立て男が射精する。
あり得ない半個体のような精液が梨沙の子宮に注ぎ込まれる。
「あははは!来た!……すっごい……これ……埋まっちゃう!私の長いコレ……コレすきぃっ!」
射精は止まらない。どくどくと精液を流し込みながら。男は梨沙の上に覆い被さった。
「……お?」
男の手足がだらりと垂れる。射精のリズムに合わせてビクビクと痙攣する。
男は息をしていない。目は見開かれ瞳孔は広がっていた。
どろどろと男の皮膚が溶け始めた。膿のように白い液体が噴き出る。
腐った魚の悪臭が男子便所に満ちる。
男は尚も射精を止めない。いや、今や男は全身で射精していた。
「おふっ……おっ……はぅん」
梨沙が手を伸ばす。男の身体を貫通し天井の明かりへ掌を向ける。
男の身体はもう原形を留めていない程ドロドロになってしまっていた。
「あぁ幸せ……」
光に照らされた梨沙の手が輝く。指先から溶け出した透明の液体が肘を伝う。
梨沙の身体も男と同じように溶け始めていた。
ただ違うのは汚れた白濁液ではなく雪解け水のような透明色をしている事だけだ。
二色の液体はお互いに溶け合い混ざり合ってゆく。
やがて……。
やがて無人となった男子便所。
床一面に張った白濁液は耐え難い悪臭を放っていた。
チカチカと音を立て、蛍光灯が点滅する。
どろりと音を立て白濁液が動いた。まるで意思を持った生物のように鎌首をもたげる。
ーーー人を呪えば……。
真っ昼間からその男と女はセックスにふけていた。
「んっ……あぁん」
くの字に腰をまげ男と唇へ重ねる。蛞蝓の交尾ように溶け合いながら二つの舌が混じり合う。
二つの接合部。上と下と両方の口で同時に行われるこの奉仕は男の情熱を刺激した。
「はぁはぁ……梨沙、出すぞ!」
もう限界だと、激しい息遣いで言う男に梨沙は脚を絡めて応じた。
男が果てた。静液が避妊具の中に放たれ薄い膜越しにその熱を感じる。
僅か0.3mmの壁に男の熱い子種が閉じ込められる。
「はぁはぁはぁ……愛してるよ」
離れた二つの接合部は名残惜しそうに糸を引いていた。
「ねぇもう行くの?」
行為を終えた男はそそくさと上着を羽織った。
梨沙は物欲しそうに男を呼んだ。
「仕事だよ」
そう言って男は梨沙を置いて部屋を後にした。
一人残された梨沙は服も着ず全裸でベットに横たわる。
「足りない……」
梨沙は残されたコンドームを手に取る。二人の体液で濡れたそれは先ほどまで梨沙と男を隔てていたものだ。
中には男が吐き出した精液が溜まっている。まだ暖かい。
梨沙は躊躇うことなくコンドームを口に含んだ。
ぐっちゃ。ぐっちゃ。
ガムの様に咀嚼する梨沙。
ゴム質の苦い味と共に精液の味が口に広がる。
「まだ……足りないの」
彼とのセックスに物足りなさを感じるようになったのは何時からだろうか。
いくら深く繋がろうが激しく動こうが梨沙が満たされる事は無かった。
避妊具をつけていることも不満の一つだった。幾ら薄かろうが生の感覚には程遠い。避妊具に出されるたび、梨沙は子宮が渇きを訴えているのを感じていた。
ぐっちゃ。ぐっちゃ。ぺっ。
両手を皿にしてコンドームを吐き出す。味のなくなったガムと同じようにだ。
熱に魘された頭の片隅で梨沙は考える。ここ最近、自分はすっかり変わってしまった。
前はこのような変態的趣向は持ち合わせていなかった筈だ。
まだまだ梨沙の疼きは治らない。股からは愛液が垂れてベットのシーツを汚した。
理由は分かっていた。ガサゴソと散らかった棚の中に手を入れその奥へ追いやった玩具を取り出す。
梨沙が取り出したもの、それはピンクの樹脂で形作られたオナホールだ。
全ての原因はこのオナホールだった。オナホールを戸口に置かれたあの日、梨沙は精液のスライムに襲われた。それから毎日、同じ事が続いた。
初めは抵抗した梨沙だが、何度も襲われるとその気力も無くなった。
精液スライムが梨沙に与える快楽は耐えようが無いもので、梨沙があの怪物へ従順するのにさほど時間は掛からなかった。
オナホールに残る誰のとも知れない精液の残り香を嗅ぎながら梨沙は独りオナニーを続けた。
その日の夜。
梨沙は最近通い始めたジムから帰宅する途中だった。
夜道を歩きながら梨沙は背後に気配を感じていた。梨沙の後ろ、少し離れた位置に男いた。
顔が見えない程深く被った帽子、紐の緩んだよぼよぼのスウェット、靴だけが真新しいスニーカー。男は服の上からでも分かるほど太っていてそわそわと落ち着かない様子で辺りを見回している。
どう見ても不審者。
関わり合いになりたくは無いと願う梨沙だがあろうことかその男は梨沙の後をずっと追いかけてきていた。
男は梨沙から一定の距離を空けて歩き、梨沙が道を曲がり視界に消えるとその時だけ小走りになって近づいて来る。
下手でバレバレの尾行。だがそれがかえって怖かった。
まだ時刻も遅すぎるという訳でもなく、周囲の民家には明かりが灯っている。叫べば直ぐに助けが来るはずだ。
梨沙は少し歩調を早めた。
あまり刺激しない方がいいだろうと梨沙は振り返りもせず真っ直ぐ帰路へ着こうとした。
マンションが見えると同時に梨沙はぎょっとした。
目の前の電柱に先程の男が潜んでいる事に気づいたのだ。
男は電柱の影から梨沙を見つめると粘っこい笑みを見せた。
そして、梨沙を通せんぼするかの如く立ち塞がった。
「何か用ですか?」
梨沙は平然を装い男にそう聞いた。答えなければすぐ横を通り過ぎようと考えていた。
男は梨沙の問いには答えず、おもむろにスウェットを脱ぎ捨てた。
「?!」
男はスウェットの下には何も着ていなかった。
だらし無い脂肪が皮に乗り鏡餅のように連なった腹。
露出狂だ。こいつは自分の性器を他人に見せつける事で性的快楽と征服感に浸る変態だ。
少なくとも武器のようなものは持っていない。逆上されてもここは民家が近い。
叫べばいいだけ。それだけでこの変態は逃げていくだろう。
しかし、梨沙にはそれが出来なかった。
男のペニスは完全に勃起している。太い土管のようなペニスだ。皮は剥けておらず余った皮が垂れている。正面から見ると植物のヘタのようでみっともない。
梨沙はこのペニスに見覚えがあった。
男がニタニタと気味の悪い笑みを浮かべ近づいてくる。梨沙は力なくその場にへたり込んだ。
「あぁ……あぁぁ!」
喉を震わせ出た嗚咽の声は恐怖からでは無かった。
男は一歩一歩、歩いて梨沙に近づく。全裸になったまま勃起したペニスを梨沙の顔面に突きつける。
「はっはっはっはっ」
興奮した犬のような激しく短い息遣い。頬は高揚のため赤く染まっている。
口を開き伸ばした舌はペニスに向けられている。
「はっはっ……知ってる!……はっはっ……私っあなたを知ってる!」
このペニスは三日に渡り梨沙を犯し続けた精液スライムのペニスであった。
男は梨沙の頭を掴み立たせた。梨沙は男の指示全てに従順に従う。ご主人様に媚を売る雌犬のように。
男は梨沙の様子に満足したのか押し殺したように笑うと全裸のまま歩き出した。
その後ろを梨沙が付いていく。
梨沙は無も言われなかったがそうするべきだと理解していた。
梨沙は男に連れられ公衆便所に連れ込まれた。
「ンッ……はぁん」
小便のすえた臭いが染み付いた男子便所。雄と雌は生まれたままの姿になり抱き合っていた。
抱き合うというよりかは埋め込まれると表現する方が近い。
男の肉腹に押さえ込まれ激しく唇を貪られる梨沙の姿は捕食されているようにも見える。
ずぞぞぞぞぞ。
男は梨沙の唾液をすすり飲む。梨沙はその感息は出来ない。
掃除機のように梨沙を吸い込み続けている。
「ぷはっ……はぁはぁ……」
長い口付けが終わる。ようやく新鮮な酸素にありつけた梨沙はぱくぱくと魚のように口を開閉している。
梨沙は便所に満ちる黄ばんだ空気をたっぷりと吸い込んだ。
梨沙の目前にそり立ったペニスが差し出された。
梨沙はぺろりと舌舐めずりすると潤んだ瞳で男を見上げた。
「……犯して下さい」
男が梨沙を汚い床に押し倒した。我慢できないと言った乱暴な動きで梨沙の両足を開き床に押し付ける。
「あぁんっ」
男は曇った笑い声を上げ、梨沙へ挿入した。
ぷちゅりと、空気が押し出される音。男のペニスは梨沙の膣壁に密着し押し広げなら奥へ進んでいく。
獣のような咆哮を上げ男は一気にペニスを捻じ込んだ。男をキツく締め上げる梨沙の膣で包皮を剥ぎ、男のズル向けになった亀頭が子宮口に密着した。
「んンンッ!」
「おっおっおっ……おぉぉぉ」
気味の悪い息遣い。それは男が息を吐きながら喘いでいるからだ。息を吸う事もせずに男は両手で梨沙の足を力強く押し付け獣のような激しさで腰を振る。
「すごっ……いぃ…好きぃあなた……好きぃ」
梨沙は両手で男の肩を抱きしめて自分に近寄せる。その口は男への愛を囀り続ける。
自分の彼にすら見せたこの無い雌の本能で梨沙は男を求める。
「あはははは!っはぁ……めちゃくちゃにして」
男も異常だが、梨沙も異常であった。ゲラゲラと甲高く笑うその表情は狂気に歪み男の欲望をその膣に受け止める。
公衆便所に梨沙の笑い声と腰と腰のぶつかり合う男が響いた。
「あはははっあはははははは!」
男が全身を大きく反った姿勢を取り梨沙の子宮口にペニスを押し付けた。
ぶりゅりゅりゅりゅ。
チューブからラードを絞り出すような汚らしい音を立て男が射精する。
あり得ない半個体のような精液が梨沙の子宮に注ぎ込まれる。
「あははは!来た!……すっごい……これ……埋まっちゃう!私の長いコレ……コレすきぃっ!」
射精は止まらない。どくどくと精液を流し込みながら。男は梨沙の上に覆い被さった。
「……お?」
男の手足がだらりと垂れる。射精のリズムに合わせてビクビクと痙攣する。
男は息をしていない。目は見開かれ瞳孔は広がっていた。
どろどろと男の皮膚が溶け始めた。膿のように白い液体が噴き出る。
腐った魚の悪臭が男子便所に満ちる。
男は尚も射精を止めない。いや、今や男は全身で射精していた。
「おふっ……おっ……はぅん」
梨沙が手を伸ばす。男の身体を貫通し天井の明かりへ掌を向ける。
男の身体はもう原形を留めていない程ドロドロになってしまっていた。
「あぁ幸せ……」
光に照らされた梨沙の手が輝く。指先から溶け出した透明の液体が肘を伝う。
梨沙の身体も男と同じように溶け始めていた。
ただ違うのは汚れた白濁液ではなく雪解け水のような透明色をしている事だけだ。
二色の液体はお互いに溶け合い混ざり合ってゆく。
やがて……。
やがて無人となった男子便所。
床一面に張った白濁液は耐え難い悪臭を放っていた。
チカチカと音を立て、蛍光灯が点滅する。
どろりと音を立て白濁液が動いた。まるで意思を持った生物のように鎌首をもたげる。
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