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10主人公 メリー視点
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ルーカスが帰るように言ったけれど、私はナンシーと少し話をしたかったので、話をした。ナンシーは何度も謝ってきて色々話をしてくれた。ルーカスが言う通り、彼女のご両親は捕まり、さらに身代金を要求されたそうだ。
(だから、私のところに)
その額はとてもナンシーの家だけでは払える額ではなかった。だから、私のところに来たらしいのだけれど、私に迷惑をかけたくないと思って思いとどまったらしい。そして、近づいてきたのが仕掛け人のエドワードとキャサリンだったらしい。最初はお金を貸す代わりに、口裏を合わせろと言うことを言葉巧みに言われたけれど、断り続けたのだが、それを察したキャサリンが両親の安全をちらつかせてきたらしい。
その話を聞いて、悪だくみをしたキャサリンはナンシーの家からも巻き上げる気だったと気づき、本当に怖い人だと思った。
「ありがとうね、ナンシー」
「なんで、お礼を言うの、メリー? やめてよっ」
学生時代にあんな怖い人を相手にしてもくじけずにいれたのは、やっぱりナンシーのおかげだと思った。
「ねぇ、メリー。私たちも・・・ごめんなさいっ」
キャサリン派閥も含めた学友や貴族の方々が申し訳なさそうに私に謝りに来た。
「どうして謝るの?」
「だって、絶対、キャサリンが嘘をついてるのに、あなたの味方をできなくて・・・」
「ううん、あんなに怖い人だと思わなかったもの。謝りにきてくれてありがとう」
そういうと、みんなホッとした顔をしてくれた。それから、ちょっと言いすぎな部分もあったけれど、恐怖から解き放たれた彼女達はキャサリンの話で盛り上がってしまい、会場で残っているのがルーカスと王家の使用人だけになってしまい、私はルーカスを見ると、ジェスチャーで
気にしないでいいよ。
としてくれた。優しいなっ、と思いつつ、このまま残り続けるわけにもいかない。
「さっ、みんな、そろそろ帰りましょう」
と私は話を遮った。
「ねぇ、メリー?」
「なにかしら?」
「これからも、仲良くしてくださるかしら?」
「私も」
「私もよ」
「えっ、えっ、ええええっ」
次々に手を上げて、皆さんが私に言ってくるので、友達がナンシーくらいしかいなかった私はそんなこと慣れていなくて困惑してしまう。
「あっ、あの・・・私、もうただのメリーですよ? 王家に嫁ぐわけもない、皆さんの御家よりも爵位がないただのメリーなんですけど? えっ、えっ、えっ?」
「「「ふふふふっ」」」
なぜか、笑われた。
(えーーっと、えーーっと、こういう時の対処法って、何で笑われたのかって・・・読んだ本に書いてあったかしら? えーっと・・・)
「あなたが、素敵だからよ」
ナンシーが言った。皆さんも同意するような顔で微笑んでいる。
(私は・・・そんな・・・)
今回だって自分一人で解決しようと思ったけれど、キャサリンに言いくるめられそうになってしまったし、王は認めてくださったけれど、まだまだ未熟だし、ダメダメだし、自分からは皆さんに話しかけるよりも勉強を優先するような人だったし、皆さんに声を掛けられないようなビビりだし・・・・・・
(でも・・・)
「よろしく・・・お願いします」
ルーカスを待たせているのは申し訳なかった。
けれど、たくさんの友達が私にできた。
(だから、私のところに)
その額はとてもナンシーの家だけでは払える額ではなかった。だから、私のところに来たらしいのだけれど、私に迷惑をかけたくないと思って思いとどまったらしい。そして、近づいてきたのが仕掛け人のエドワードとキャサリンだったらしい。最初はお金を貸す代わりに、口裏を合わせろと言うことを言葉巧みに言われたけれど、断り続けたのだが、それを察したキャサリンが両親の安全をちらつかせてきたらしい。
その話を聞いて、悪だくみをしたキャサリンはナンシーの家からも巻き上げる気だったと気づき、本当に怖い人だと思った。
「ありがとうね、ナンシー」
「なんで、お礼を言うの、メリー? やめてよっ」
学生時代にあんな怖い人を相手にしてもくじけずにいれたのは、やっぱりナンシーのおかげだと思った。
「ねぇ、メリー。私たちも・・・ごめんなさいっ」
キャサリン派閥も含めた学友や貴族の方々が申し訳なさそうに私に謝りに来た。
「どうして謝るの?」
「だって、絶対、キャサリンが嘘をついてるのに、あなたの味方をできなくて・・・」
「ううん、あんなに怖い人だと思わなかったもの。謝りにきてくれてありがとう」
そういうと、みんなホッとした顔をしてくれた。それから、ちょっと言いすぎな部分もあったけれど、恐怖から解き放たれた彼女達はキャサリンの話で盛り上がってしまい、会場で残っているのがルーカスと王家の使用人だけになってしまい、私はルーカスを見ると、ジェスチャーで
気にしないでいいよ。
としてくれた。優しいなっ、と思いつつ、このまま残り続けるわけにもいかない。
「さっ、みんな、そろそろ帰りましょう」
と私は話を遮った。
「ねぇ、メリー?」
「なにかしら?」
「これからも、仲良くしてくださるかしら?」
「私も」
「私もよ」
「えっ、えっ、ええええっ」
次々に手を上げて、皆さんが私に言ってくるので、友達がナンシーくらいしかいなかった私はそんなこと慣れていなくて困惑してしまう。
「あっ、あの・・・私、もうただのメリーですよ? 王家に嫁ぐわけもない、皆さんの御家よりも爵位がないただのメリーなんですけど? えっ、えっ、えっ?」
「「「ふふふふっ」」」
なぜか、笑われた。
(えーーっと、えーーっと、こういう時の対処法って、何で笑われたのかって・・・読んだ本に書いてあったかしら? えーっと・・・)
「あなたが、素敵だからよ」
ナンシーが言った。皆さんも同意するような顔で微笑んでいる。
(私は・・・そんな・・・)
今回だって自分一人で解決しようと思ったけれど、キャサリンに言いくるめられそうになってしまったし、王は認めてくださったけれど、まだまだ未熟だし、ダメダメだし、自分からは皆さんに話しかけるよりも勉強を優先するような人だったし、皆さんに声を掛けられないようなビビりだし・・・・・・
(でも・・・)
「よろしく・・・お願いします」
ルーカスを待たせているのは申し訳なかった。
けれど、たくさんの友達が私にできた。
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