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「「「うがああああああっ」」」
「ねぇ、どうしたの?マルガリータ様、デネブ、ボロネーゼっ!?」
レイラ以外の女性。
それは、レイラの継母マルガリータ、異母妹デネブ、ボロネーゼも例外ではなかった。
レイラは三人のところへ駆け寄り、声をかけるが、振り払われてしまう。
「レイラ、大丈夫かい?」
吹き飛ばされたレイラをエリオットが受け止める。
「ええ、私は平気。でも、みんながっ!!」
レイラが慌てるのも無理はない。
三人を含めた女性たちがみるみるうちに肌の色が緑や紫など、人間ではありえない色へと変色し、身体も大きくなっていった。
「ヴァアアアアアッ」
一番最初に変化したのはボロネーゼだった。
服を溶かした身体はもう人間のものではなく、スライム・・・というよりヘドロのような青い液体になりながらも、顔や手などの面影が存在する化け物になっていた。
「ガアアアアアアッ」
次にデネブが服を破いて大きくなった。
ボロネーゼ同様、人間を辞めており、緑色の顔になり、イボカエルのような皮膚にオーガともフランケンシュタインともいえるような筋力と大きさになって地団駄を踏んでいる。
「ボロネーゼ、デネブっ!!」
レイラが叫ぶが、ふたりはその場で苦しそうに暴れている。
レイラ二人に近づこうとすると、エリオットが引き留める。
「彼女たちは障気を吸い過ぎた・・・手遅れだ」
エリオットが悲しそうにレイラを止める。
「ギャアアアアアアッ!!」
マルガリータが叫ぶ。身体を四方八方に揺らしながら、身体はとても暗くなっていき、次第にかげのような存在になりながら、頭を振り、でこぼこが増えていく。次第に首が伸びながら分裂し、3つの頭を持つ全身が影のようなドラゴンに変わった。
「ニクイニクイニクイニクイ・・・イマワシイ・・・。アイツサエイナケレバ・・・ワタシガオウヲ・・・ッ」
「お母様っ、落ち着いて・・・自分で自分を苦しめないで・・・ね?」
「ワタシヲアワレムナ!!!!!!!!!!!!」
「ワタシガイチバンダ!!!」
「さしずめ、嫉妬、憤怒、虚栄といったところか・・・」
エリオットが怖い顔をしてマルガリータだった物を見る。
「エリオット。あれは・・・お母様なの・・・っ、私のお母様なのっ!!」
レイラは先ほどのエリオットとキュラドの戦いを見て、エリオットが三人を退治してしまうのではないかと心配になり、彼の腰に抱き着いて、懇願する。
「何を言っているんだい?レイラ?キミがもしボクの知っているレイラだったら、あいつはキミをさらった赤の他人だよ」
「確かに血は繋がっていないけれど、あの二人とは異母姉妹なのっ。お母様が早くに亡くなってっ、私を一生懸命育ててくれたお母さんなのっ」
「そうであるならば・・・こうはならなかっただろうな・・・っ」
エリオットは少し寂しそうな顔をして呟いた。
「よし、レイラ。逃げようっ!!」
エリオットは再び先ほどまでの笑顔になって、レイラの手を取り扉の向こうへと走った。
「ねぇ、どうしたの?マルガリータ様、デネブ、ボロネーゼっ!?」
レイラ以外の女性。
それは、レイラの継母マルガリータ、異母妹デネブ、ボロネーゼも例外ではなかった。
レイラは三人のところへ駆け寄り、声をかけるが、振り払われてしまう。
「レイラ、大丈夫かい?」
吹き飛ばされたレイラをエリオットが受け止める。
「ええ、私は平気。でも、みんながっ!!」
レイラが慌てるのも無理はない。
三人を含めた女性たちがみるみるうちに肌の色が緑や紫など、人間ではありえない色へと変色し、身体も大きくなっていった。
「ヴァアアアアアッ」
一番最初に変化したのはボロネーゼだった。
服を溶かした身体はもう人間のものではなく、スライム・・・というよりヘドロのような青い液体になりながらも、顔や手などの面影が存在する化け物になっていた。
「ガアアアアアアッ」
次にデネブが服を破いて大きくなった。
ボロネーゼ同様、人間を辞めており、緑色の顔になり、イボカエルのような皮膚にオーガともフランケンシュタインともいえるような筋力と大きさになって地団駄を踏んでいる。
「ボロネーゼ、デネブっ!!」
レイラが叫ぶが、ふたりはその場で苦しそうに暴れている。
レイラ二人に近づこうとすると、エリオットが引き留める。
「彼女たちは障気を吸い過ぎた・・・手遅れだ」
エリオットが悲しそうにレイラを止める。
「ギャアアアアアアッ!!」
マルガリータが叫ぶ。身体を四方八方に揺らしながら、身体はとても暗くなっていき、次第にかげのような存在になりながら、頭を振り、でこぼこが増えていく。次第に首が伸びながら分裂し、3つの頭を持つ全身が影のようなドラゴンに変わった。
「ニクイニクイニクイニクイ・・・イマワシイ・・・。アイツサエイナケレバ・・・ワタシガオウヲ・・・ッ」
「お母様っ、落ち着いて・・・自分で自分を苦しめないで・・・ね?」
「ワタシヲアワレムナ!!!!!!!!!!!!」
「ワタシガイチバンダ!!!」
「さしずめ、嫉妬、憤怒、虚栄といったところか・・・」
エリオットが怖い顔をしてマルガリータだった物を見る。
「エリオット。あれは・・・お母様なの・・・っ、私のお母様なのっ!!」
レイラは先ほどのエリオットとキュラドの戦いを見て、エリオットが三人を退治してしまうのではないかと心配になり、彼の腰に抱き着いて、懇願する。
「何を言っているんだい?レイラ?キミがもしボクの知っているレイラだったら、あいつはキミをさらった赤の他人だよ」
「確かに血は繋がっていないけれど、あの二人とは異母姉妹なのっ。お母様が早くに亡くなってっ、私を一生懸命育ててくれたお母さんなのっ」
「そうであるならば・・・こうはならなかっただろうな・・・っ」
エリオットは少し寂しそうな顔をして呟いた。
「よし、レイラ。逃げようっ!!」
エリオットは再び先ほどまでの笑顔になって、レイラの手を取り扉の向こうへと走った。
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