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ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン―――
私の悲鳴を聞いてか、何度もチャイムが鳴るけれど、今は静かにしてほっておいてほしい。
惨めさと、恥ずかしさと、痛さ。
脂汗が出てきた私は悶絶して、最初跳ねていたけれど、今はうずくまっている。
ピンポーン、ドンドンドンッ
由衣ちゃんは異変に心配したようで玄関のドアを叩いているようだ。
「ううっ」
私はゆっくりチャックを降ろそうとするこれど、皮がパンツと一緒に挟まっているようでなかなか抜けない。
「くっ!!」
思い切って、何とか流星くんの身体の大事な部分を救出する。
そして、私は痛くならないように蟹股気味にインターホンまで歩く。
ピッ
「あっ、流星。大丈夫!?」
物凄い心配した由衣ちゃんの顔が再び画面に映る。
「あぁ・・・大丈夫だよ」
自分の間抜けさが嫌になりながら、ひりひりする下腹部を見る。
「ねぇ、何があったの?」
「いや、大したことないから・・・それと申し訳ないんだけれど、今日は先に行ってくれないか?」
「今日はって・・・今日もじゃん」
どうやら、流星くんは由衣ちゃんとの登下校を断っていたようだ。
(もったいない・・・いつつっ)
女の私でもわかるくらいの美少女。清涼飲料水のCMに出ていてもおかしくないような爽やかな顔。私も昔は結構伸ばしていたけれど、背中ぐらいまで伸ばした綺麗な黒髪は艶があって羨ましい。
「ねぇ、今日は心配だから顔だけは見せてよ?」
(ん?もしかして・・・)
「引きこもり・・・たい日もあるよな・・・」
そんな記憶もないけれど、私は由衣ちゃんにカマをかけるため微妙な言い方をする。
「何言ってんのよ、無遅刻無欠席のくせに」
「・・・だよな」
まだ、痛いのでそんなに元気には言えないけれど、推理が当たったことに少し満足する。
「今日は待つからね」
「怒った顔もかわいいな~」
「はあああっ!?」
(ヤバイ、またやってしまった)
ついつい本音が出てしまった。でも、やばい。同性のかわいいって意味だったけれど、流星くんが言ったとなると、意味合いが違ってくるかもしれない。
(こんなんだから、職場でもやらかしちゃうんだよ、私。ホント、バカっ!!)
「あっ、いや・・・悪い。テレビで、子どもがさ、親に怒っている顔が・・・かわいくて・・・つい。お前のことじゃないから、気にすんな」
「・・・あっそ。それより、暑いんだから早くしてくんない?」
由衣ちゃんは顔を少し赤らめながら、手で顔を仰ぎながら目線を逸らす。
(まだ、そこまで気温も暑くはないけれど、まぁ・・・青春ね)
「今・・・行くよ」
ピッ
「ふぅーーーーーーっ」
痛みも大分引いてきた。
いろんな気持ちが溢れているけれど、私は気合を入れて玄関へと向かった。
おそらく、流星くんの初恋の相手に会いに。
私の悲鳴を聞いてか、何度もチャイムが鳴るけれど、今は静かにしてほっておいてほしい。
惨めさと、恥ずかしさと、痛さ。
脂汗が出てきた私は悶絶して、最初跳ねていたけれど、今はうずくまっている。
ピンポーン、ドンドンドンッ
由衣ちゃんは異変に心配したようで玄関のドアを叩いているようだ。
「ううっ」
私はゆっくりチャックを降ろそうとするこれど、皮がパンツと一緒に挟まっているようでなかなか抜けない。
「くっ!!」
思い切って、何とか流星くんの身体の大事な部分を救出する。
そして、私は痛くならないように蟹股気味にインターホンまで歩く。
ピッ
「あっ、流星。大丈夫!?」
物凄い心配した由衣ちゃんの顔が再び画面に映る。
「あぁ・・・大丈夫だよ」
自分の間抜けさが嫌になりながら、ひりひりする下腹部を見る。
「ねぇ、何があったの?」
「いや、大したことないから・・・それと申し訳ないんだけれど、今日は先に行ってくれないか?」
「今日はって・・・今日もじゃん」
どうやら、流星くんは由衣ちゃんとの登下校を断っていたようだ。
(もったいない・・・いつつっ)
女の私でもわかるくらいの美少女。清涼飲料水のCMに出ていてもおかしくないような爽やかな顔。私も昔は結構伸ばしていたけれど、背中ぐらいまで伸ばした綺麗な黒髪は艶があって羨ましい。
「ねぇ、今日は心配だから顔だけは見せてよ?」
(ん?もしかして・・・)
「引きこもり・・・たい日もあるよな・・・」
そんな記憶もないけれど、私は由衣ちゃんにカマをかけるため微妙な言い方をする。
「何言ってんのよ、無遅刻無欠席のくせに」
「・・・だよな」
まだ、痛いのでそんなに元気には言えないけれど、推理が当たったことに少し満足する。
「今日は待つからね」
「怒った顔もかわいいな~」
「はあああっ!?」
(ヤバイ、またやってしまった)
ついつい本音が出てしまった。でも、やばい。同性のかわいいって意味だったけれど、流星くんが言ったとなると、意味合いが違ってくるかもしれない。
(こんなんだから、職場でもやらかしちゃうんだよ、私。ホント、バカっ!!)
「あっ、いや・・・悪い。テレビで、子どもがさ、親に怒っている顔が・・・かわいくて・・・つい。お前のことじゃないから、気にすんな」
「・・・あっそ。それより、暑いんだから早くしてくんない?」
由衣ちゃんは顔を少し赤らめながら、手で顔を仰ぎながら目線を逸らす。
(まだ、そこまで気温も暑くはないけれど、まぁ・・・青春ね)
「今・・・行くよ」
ピッ
「ふぅーーーーーーっ」
痛みも大分引いてきた。
いろんな気持ちが溢れているけれど、私は気合を入れて玄関へと向かった。
おそらく、流星くんの初恋の相手に会いに。
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