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 プルルルルッ

「・・・もしもし」

 私は再び私のスマホからの番号に出る。

「流星です。とりあえず、トイレ終わりました」

 私の知らないところで私の身体を動かし、触られたと思うと恥ずかしくなる。

「そんな報告はいりません」

 私の方が年上とはいえ、まだまだ自称花も恥じらう乙女だ。ちょっと、声が引きつってしまった。

「あっそっ」

 電話越しの流星は淡白に返事をした。どんな顔をしているかわからないし、どんな性格かもわからないから不安だ。

「変なことしてないわよねっ?」

 私は我慢できなくなって聞いた。

「すっ、するわけねーだろうが。あのな、そんな変なことをする奴が電話してからトイレすると思うのか?逆にお姉さんこそ、俺の身体に変なことはしてねーだろうな」

 私はトイレまでの一連のことを思い出した。

「しっしてないわよ・・・」

「まさか、本当に・・・っ」

 私のリアクションがあまりにも嘘っぽかったのだろうか、電話越しの流星が怒った感じになる。

「私はしてないわよっ!ただ、そのー、ねっ、アレが・・・その・・・。そうよ!アレがいけないのよっ。全然アレがおさまらないし、下げようとしても、全然下がらないし、下げると痛いし、触るとどんどん反発して、大きくなるしっ!!」

「・・・っ」

 なんだろう、今度は電話越しなのに私の身体に入った流星が真っ赤になっているのが想像できた。

「反省は・・・?」

 流星がイライラを抑えながら私に聞いてくる。

「だから、私悪くないもん。強いて言えば、発情期の君の身体が悪いんだもん」

 私も仕方なく、アレを見てしまったんだから、むしろ被害者だ。

「・・・らすぞ」

「ん?」

 フルフル震えながら、流星が何かを呟く。

「この貧相な身体、裸になってネットに晒すぞ」

「はぁ!?ちょっとっ!!そんなことしたら、どうなるかわかってるの?」

「謝罪は?」

 余裕ができた流星は実に憎たらしい言い方で質問に質問を返してくる。

「・・・すいませんでした」

(キミの身体が敏感なのがいけないと思うけどねっ!!)

 私は文句の部分はぐっ、と堪えながら流星に謝罪した。

「お姉さん、処女でしょ」

 カーーーーッっと、顔が暑くなるのを感じた。

「セクハラですっ」

「やっぱり、図星なんだ」

 嬉しそうにする流星。女の声でこんな風に侮辱されると、なおのことムカツク。

「そういう経験は・・・ありますぅ」

 実際にしたわけではないけれど、それっぽい雰囲気になったことは・・・ある。

「てか、流星くん性格悪すぎ。絶対童貞でしょ」

「・・・っ」

(ふっ、未熟者め。童貞のくせに処女をディスるな)

「それに、性格くっそ悪いから彼女もできたことないでしょ。てか、友達だっていないんじゃない?」

 私はマウントを取り返すように流星くんを煽りまくる。

 プツンッ

「あっ」

 電話が切られてしまった。
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