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本編2 エガスト王国編
34 レオナルド王子
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ようやく暖かい日々が続くようになった。
だから、今日は長時間外にいなければならないが、さほど苦にはならないだろう。それに、今日のイベントは俺が毎年楽しみにしているイベントだ。このイベントがあると春をようやく感じることができる。
「楽しみですね、兄様」
隣にいた弟で第2王子であるリューガーが話しかけてきた。
「あぁ。ただ・・・・・・やはり、父上がいないのは残念だがな」
現国王であり、我が父、エレメンダス国王は2年前くらいから病に伏せている。2年前と言えば、第三次東西戦争があり、度重なる遠征と戦が父上を弱らせてしまったのだろう。かなり激戦だったと言うが辛勝し、今では西のエガスト王国の話は耳に入らない。この国がこうして、安泰なのは父上のおかげであろう。
「よしっ。これから作物の品評会を始める。優れた作物は父上に献上する。みな、期待しているぞ」
「「「「はっ」」」」
みなが俺に頭を下げる。
今日来たのは、春の作物を作っている農家や、それを扱っている商人や貴族だ。俺が再び座ると、整列していた彼ら・彼女らは大臣や従者の指示に従って準備を始める。
「さすがです。レオナルド王子」
後ろで控えていたアレクが耳元で囁くので、俺は当然だと笑顔で返す。そう、当然でなければならない。父上が回復する兆しはあまりない。そうなると、次期王は俺か隣のリューガー。兄であり、第一王子である俺が負けるわけにいかない。だから、俺はみなの前で威厳をもって話すことぐらい余裕ででき、ホッとなんて・・・していない。
この国で、もっとも優雅な昼食を取る。まだ市場にもほとんど出回っていない果物や野菜もテーブルに並んでおり、俺とリューガー、そしてその後を俺の従者であるアレクやリューガーの従者、大臣やゴートン伯爵やハンス伯爵ながら俺やリューガーが許可した貴族が歩く。ある者は歩く俺たちを注視し、ある者は目を伏せているが、みなが我々の動向に意識を全集中させている。
俺はイチゴの皿の前で、立ち止まると、リューガー達も立ち止まる。そして、イチゴを一粒口に含むと、ほんのりとした酸味と、その酸味をすぐに忘れるくらいの甘さが口の中に広がる。
「うん、悪くない」
毅然と振る舞おうとしたけれど、あまりのおいしさに頬が落ちると思うくらい緩んでしまった。
「左様でございますか。お気に召されたようで嬉しい限りです」
俺が果実の甘味を味わっていると、みすぼらしい格好をした男と身なりのいい男が喜んだ顔をしている。身なりのよい男は貴族で、みすぼらしい格好の男はその貴族の管理する土地の農家なのだろう。みすぼらしい男の服は一張羅なのだろうが、色褪せていた。そして、身なりのいい男は品がよい笑顔だったが、みすぼらしい男の方は、心の底から喜んでいる様子でだらしない顔をしていた。それを見て、俺も緩んだ顔を引き締めて、
「リューガー、それとお前たちも食べたえ」
一緒に歩いていた者たちに許可を出す。
「ではっ」
リューガーが食べ、そして、他の者たちも食べ始める。美味しそうに食べるリューガーの顔はきれいで、品が良かった。
「うん、美味しい」
「本当ですな、リューガー様」
リューガーの言葉に従者たちが同調する。王座は一番上でその席は孤高だ。そんなことを気にするべきではないのだが、リューガーが囲まれているのを見ると、切なくなった。
「もう1つ食べてもいいですか?」
声がする方に目線を落とすと、アレクが可愛らしい顔でにこっと微笑んだ。
「ふっ、もちろんだ」
アレクは「やったっ」と言って、2個食べた。1つと言ったではないかと言いたくもなったが、なんとなく微笑ましくて見逃してやった。
「よし、お前」
「はっ」
身なりのいい男が返事をして、その返事の仕方をみすぼしい男も真似する。
「お前じゃない、お前の方だ」
「へっ・・・・・・」
俺はみすぼしい男を指さすと、その男も自分で自分の顔を指さす。なんとも、間抜けな顔をしているものだ。
「このイチゴを作ったのは貴様か?」
「ははっ、そうで・・・」
俺は身なりのいい男が割って入ろうとしてきたので、目で一喝すると、みすぼしい男の隣に戻った。みすぼしい男はどうしていいのかわからない顔をして、身なりのいい男の表情を伺っていたが、身なりのいい男が面倒くさそうにあごで答えるように促すと、みすぼしい男はおどおどしながら、
「はい、そうです・・・」
「うむっ。素晴らしいイチゴだった。父上にもぜひ食べさせたい」
俺は手を差し伸べる。みすぼらしい男はそわそわしながらも、俺の手を握った。その手は汚れていて爪などには土が詰まっていた。俺たちが握手をすると、
「このイチゴが国王様に献上する第一号の作物として決定しましたっ!!」
アレクは両手に持ったイチゴを掲げて宣言すると、みんなが俺とその男に視線を集め、拍手をする。そして、アレクはそのままその両手に持ったイチゴを口に含む。
(あいつめ、5個は食べたな)
皿にはあったイチゴはもうなかった。俺がそれを見て固まっていると、みすぼらしい男は「あっ・・・まだ、持ってきておりますよ」と教えてくれた。俺は咳払いしながら、他の者も食べるからまた並べるように指示をした。
「貴様にはそうだな・・・まずは、良い服を用意してやろう。それと・・・何か欲しいものはあるか?」
「えーっと・・・、農機具が壊れてしまったので、新しい農機具が・・・」
ちらっちらっと身なりの良い男を見ながら、喋るみすぼらしい男。きっと、身なりの良い男に買って欲しいと言って、言葉を濁されているのだろう。
「よしっ、農機具と、このイチゴの価値に見合う褒賞を取らす」
「ほっ、本当ですか。やったぁっ!! ・・・・・・あっ。ありがとうございます」
はしゃいだみすぼらしい男は、また身なりの良い男に睨まれて、恐縮する。
「とはいえ、本業を疎かにするのではないぞ?」
「はっはい」
「それと、もちろん。きみにもだ。名前は・・・?」
俺は身なりのいい男の顔を見ると、流石王子という顔で、礼儀正しく礼をして、
「スコットと申します」
「うむ、スコット。よくやった」
俺が手を差し出すと、スコットも手を握る。
「ん? どうかしたか?」
「いっいえ・・・光栄で感極まった次第でございます」
「そうか、きみも引き続き精進したまえ」
俺は土がついた手を引っ込めて、違う果物のところへと向かう。すると、アレクが俺の半歩後ろを歩く。
「美味しかったか? アレク」
「ええ、とっても。王子も、おいしかったでしょ?」
アレクはさも、自分がソレを作ったかのように満面の笑みで俺を見てきた。
「あぁ、そうだな」
俺がアレクの頭を撫でようとすると、アレクはハンカチを渡してきたので、俺は手を拭いて、アレクの髪をくしゃくしゃっと撫でた。
その後もいくつかの物を食べたが、今年は豊作とは言えなかった。讃えたいと思うのは結局そのイチゴだけで、あとは例年よりも見劣りするものばかり。
(まぁ、旬であるのは間違いない)
そう、冬に待ち望んだこのイベントは美味しい物が食べられるので、俺の舌だって満足はしている。一通り俺たちが回り終わった会場はパーティー会場と早変わりしており、みなが立食していい顔をしている。けれど、王子として、懸念に対してお酒を飲んで忘れるわけにはいかない。それを周りの大臣に聞いたら、そんな年もありますよ、と軽くあしらわれてしまった。
「王子」
軽装の兵士と一緒にいたアレクが俺に話しかけてきた。
「ウォーリー伯爵からの手紙です」
「おぉ、来たか」
そうだ、ウォーリー伯爵領のミシェルは聖女と言われ、あいつなら俺の疑問を晴らしてくれるに違いない。妾とはいえ、きっと・・・・・・
「なっ・・・・・・」
まさか毎年楽しみにしているイベントがこんな後味が悪くなるとは思っていなかった。
だから、今日は長時間外にいなければならないが、さほど苦にはならないだろう。それに、今日のイベントは俺が毎年楽しみにしているイベントだ。このイベントがあると春をようやく感じることができる。
「楽しみですね、兄様」
隣にいた弟で第2王子であるリューガーが話しかけてきた。
「あぁ。ただ・・・・・・やはり、父上がいないのは残念だがな」
現国王であり、我が父、エレメンダス国王は2年前くらいから病に伏せている。2年前と言えば、第三次東西戦争があり、度重なる遠征と戦が父上を弱らせてしまったのだろう。かなり激戦だったと言うが辛勝し、今では西のエガスト王国の話は耳に入らない。この国がこうして、安泰なのは父上のおかげであろう。
「よしっ。これから作物の品評会を始める。優れた作物は父上に献上する。みな、期待しているぞ」
「「「「はっ」」」」
みなが俺に頭を下げる。
今日来たのは、春の作物を作っている農家や、それを扱っている商人や貴族だ。俺が再び座ると、整列していた彼ら・彼女らは大臣や従者の指示に従って準備を始める。
「さすがです。レオナルド王子」
後ろで控えていたアレクが耳元で囁くので、俺は当然だと笑顔で返す。そう、当然でなければならない。父上が回復する兆しはあまりない。そうなると、次期王は俺か隣のリューガー。兄であり、第一王子である俺が負けるわけにいかない。だから、俺はみなの前で威厳をもって話すことぐらい余裕ででき、ホッとなんて・・・していない。
この国で、もっとも優雅な昼食を取る。まだ市場にもほとんど出回っていない果物や野菜もテーブルに並んでおり、俺とリューガー、そしてその後を俺の従者であるアレクやリューガーの従者、大臣やゴートン伯爵やハンス伯爵ながら俺やリューガーが許可した貴族が歩く。ある者は歩く俺たちを注視し、ある者は目を伏せているが、みなが我々の動向に意識を全集中させている。
俺はイチゴの皿の前で、立ち止まると、リューガー達も立ち止まる。そして、イチゴを一粒口に含むと、ほんのりとした酸味と、その酸味をすぐに忘れるくらいの甘さが口の中に広がる。
「うん、悪くない」
毅然と振る舞おうとしたけれど、あまりのおいしさに頬が落ちると思うくらい緩んでしまった。
「左様でございますか。お気に召されたようで嬉しい限りです」
俺が果実の甘味を味わっていると、みすぼらしい格好をした男と身なりのいい男が喜んだ顔をしている。身なりのよい男は貴族で、みすぼらしい格好の男はその貴族の管理する土地の農家なのだろう。みすぼらしい男の服は一張羅なのだろうが、色褪せていた。そして、身なりのいい男は品がよい笑顔だったが、みすぼらしい男の方は、心の底から喜んでいる様子でだらしない顔をしていた。それを見て、俺も緩んだ顔を引き締めて、
「リューガー、それとお前たちも食べたえ」
一緒に歩いていた者たちに許可を出す。
「ではっ」
リューガーが食べ、そして、他の者たちも食べ始める。美味しそうに食べるリューガーの顔はきれいで、品が良かった。
「うん、美味しい」
「本当ですな、リューガー様」
リューガーの言葉に従者たちが同調する。王座は一番上でその席は孤高だ。そんなことを気にするべきではないのだが、リューガーが囲まれているのを見ると、切なくなった。
「もう1つ食べてもいいですか?」
声がする方に目線を落とすと、アレクが可愛らしい顔でにこっと微笑んだ。
「ふっ、もちろんだ」
アレクは「やったっ」と言って、2個食べた。1つと言ったではないかと言いたくもなったが、なんとなく微笑ましくて見逃してやった。
「よし、お前」
「はっ」
身なりのいい男が返事をして、その返事の仕方をみすぼしい男も真似する。
「お前じゃない、お前の方だ」
「へっ・・・・・・」
俺はみすぼしい男を指さすと、その男も自分で自分の顔を指さす。なんとも、間抜けな顔をしているものだ。
「このイチゴを作ったのは貴様か?」
「ははっ、そうで・・・」
俺は身なりのいい男が割って入ろうとしてきたので、目で一喝すると、みすぼしい男の隣に戻った。みすぼしい男はどうしていいのかわからない顔をして、身なりのいい男の表情を伺っていたが、身なりのいい男が面倒くさそうにあごで答えるように促すと、みすぼしい男はおどおどしながら、
「はい、そうです・・・」
「うむっ。素晴らしいイチゴだった。父上にもぜひ食べさせたい」
俺は手を差し伸べる。みすぼらしい男はそわそわしながらも、俺の手を握った。その手は汚れていて爪などには土が詰まっていた。俺たちが握手をすると、
「このイチゴが国王様に献上する第一号の作物として決定しましたっ!!」
アレクは両手に持ったイチゴを掲げて宣言すると、みんなが俺とその男に視線を集め、拍手をする。そして、アレクはそのままその両手に持ったイチゴを口に含む。
(あいつめ、5個は食べたな)
皿にはあったイチゴはもうなかった。俺がそれを見て固まっていると、みすぼらしい男は「あっ・・・まだ、持ってきておりますよ」と教えてくれた。俺は咳払いしながら、他の者も食べるからまた並べるように指示をした。
「貴様にはそうだな・・・まずは、良い服を用意してやろう。それと・・・何か欲しいものはあるか?」
「えーっと・・・、農機具が壊れてしまったので、新しい農機具が・・・」
ちらっちらっと身なりの良い男を見ながら、喋るみすぼらしい男。きっと、身なりの良い男に買って欲しいと言って、言葉を濁されているのだろう。
「よしっ、農機具と、このイチゴの価値に見合う褒賞を取らす」
「ほっ、本当ですか。やったぁっ!! ・・・・・・あっ。ありがとうございます」
はしゃいだみすぼらしい男は、また身なりの良い男に睨まれて、恐縮する。
「とはいえ、本業を疎かにするのではないぞ?」
「はっはい」
「それと、もちろん。きみにもだ。名前は・・・?」
俺は身なりのいい男の顔を見ると、流石王子という顔で、礼儀正しく礼をして、
「スコットと申します」
「うむ、スコット。よくやった」
俺が手を差し出すと、スコットも手を握る。
「ん? どうかしたか?」
「いっいえ・・・光栄で感極まった次第でございます」
「そうか、きみも引き続き精進したまえ」
俺は土がついた手を引っ込めて、違う果物のところへと向かう。すると、アレクが俺の半歩後ろを歩く。
「美味しかったか? アレク」
「ええ、とっても。王子も、おいしかったでしょ?」
アレクはさも、自分がソレを作ったかのように満面の笑みで俺を見てきた。
「あぁ、そうだな」
俺がアレクの頭を撫でようとすると、アレクはハンカチを渡してきたので、俺は手を拭いて、アレクの髪をくしゃくしゃっと撫でた。
その後もいくつかの物を食べたが、今年は豊作とは言えなかった。讃えたいと思うのは結局そのイチゴだけで、あとは例年よりも見劣りするものばかり。
(まぁ、旬であるのは間違いない)
そう、冬に待ち望んだこのイベントは美味しい物が食べられるので、俺の舌だって満足はしている。一通り俺たちが回り終わった会場はパーティー会場と早変わりしており、みなが立食していい顔をしている。けれど、王子として、懸念に対してお酒を飲んで忘れるわけにはいかない。それを周りの大臣に聞いたら、そんな年もありますよ、と軽くあしらわれてしまった。
「王子」
軽装の兵士と一緒にいたアレクが俺に話しかけてきた。
「ウォーリー伯爵からの手紙です」
「おぉ、来たか」
そうだ、ウォーリー伯爵領のミシェルは聖女と言われ、あいつなら俺の疑問を晴らしてくれるに違いない。妾とはいえ、きっと・・・・・・
「なっ・・・・・・」
まさか毎年楽しみにしているイベントがこんな後味が悪くなるとは思っていなかった。
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