【完結】豊穣の聖女な私を捨てない方がいいと思いますよ?あっ、捨てるんですか、そうですか・・・はーい。

西東友一

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22 その後・・・

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 それから、ネイアス国王の葬儀がユリウスの指揮のもと盛大に執り行われた。
 ネイアス国王は自身の葬儀は粛々とやるようにと側近に伝えていたようだったけれど、ユリウスが手配した各国への依頼により、物資が届き始め、ユリウスは尊敬した父の葬儀を盛大にやると決心した。葬儀には多くの国民が集まり、ネイアス国王の崩御を悼んだ。葬儀にはもちろんアドルド王子・・・いいえ、ただのアドルドも次男として参加した。

 アドルド王子はユリウスの言葉が響いたのか、「俺ならできるっ!!」と豪語して国を出たけれど、真っすぐにアテネシア王女の国へと転がり込もうとしたけれど、門前払いにあったそうだ。なんなら、アテネシア王女はネイアス前国王の渡した駄賃まで取り上げたという。それを聞いたユリウスもそれには怒ったらしく、飢饉の時に援助がなかったことと、王家の親族から金を巻き上げたことを理由に経済制裁をして、他国からも窮地に裏切る国という汚名がついて、貴族に没落したとかしないとか。

 どちらにしても、王子と王女の肩書きを持っていた二人は、自らの力で人生を歩むことが決まったようだ。今までぬるま湯に浸かっていた二人には、かなり過酷かもしれないけれど、まぁ頑張って欲しい。

 そしてユリウスはというと―――

「この手紙をロムル王国へ、エスタシオン共和国の来賓が来週来るからおもてなしの準備を頼む」

「はっ、承知しましたユリウス

 すっかりと国王としてバシバシ働いている。
 もとから、大臣の仕事をしていた彼にとって、この程度は朝飯前。彼の今の目標は尊敬する父ネイアス前国王よりも、もっと国を良くすることだ。

 そして、私はと言うと・・・絶賛引きこもっていた。
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