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「ごめんなさい、今日は授業をしません」
ざわつく、教室。一人ニヤついている妹のメリル。
(あいつとは顔を合わせないでおこう)
「先生はこの国を出ます。今までありがとうございました」
私はみんなに頭を下げる。
「どうしてですか・・・?」
泣きそうなシェリル。
「それはね・・・失恋でしょ。お姉ちゃん」
立ち上がるメリル。
「どういうことだ、メリル?」
ボルトくんが振り返ってメリルを見ると、ドヤ顔でメリルが私の隣に立つ。
「お姉ちゃんはね、ファンゼル王子にフラれたの」
「「「「えーーーーっ」」」」
びっくりする生徒たちはざわつく。
私はお別れの言葉をみんなに言いたいだけなのに、邪魔をするメリル。
ただ、性格上ここでいろいろ言うと長引くだけなので、私は心を捨て、無の境地で待つ。
「ファンゼル王子はねぇ、どうやら私の才能と美貌に気づいちゃったら、うふふっ、もー私のことしか考えられなくなっちゃったらしくてねっ、私と結婚するの。来月」
「「「「えーーーーっ」」」」
予想通りのリアクションが返ってきて嬉しそうなメリル。
「だから、みんなも~、お姉ちゃんじゃなくてこの私、メリルに魔法を教わった方がいいと思うわ。あら、ごめんなさい、ダーリンが待っている時間だから行かないとっ。アイススケート」
メリルは床をスケートのように滑れる魔法を使ってスイスイご機嫌な様子で教室を後にした。
「あれって、先生の真似かな・・・?」
シェリルちゃんが隣の子に話をしている。
「というわけで、私は旅に出て、新しい国でも創っちゃおうかなって思ってるので、みんなとはお別れです。寂しくなりますが・・・」
「いやだっ!!」
ボルトくんが叫ぶと、みんなも嫌だと口々に言ってきた。
ざわつく、教室。一人ニヤついている妹のメリル。
(あいつとは顔を合わせないでおこう)
「先生はこの国を出ます。今までありがとうございました」
私はみんなに頭を下げる。
「どうしてですか・・・?」
泣きそうなシェリル。
「それはね・・・失恋でしょ。お姉ちゃん」
立ち上がるメリル。
「どういうことだ、メリル?」
ボルトくんが振り返ってメリルを見ると、ドヤ顔でメリルが私の隣に立つ。
「お姉ちゃんはね、ファンゼル王子にフラれたの」
「「「「えーーーーっ」」」」
びっくりする生徒たちはざわつく。
私はお別れの言葉をみんなに言いたいだけなのに、邪魔をするメリル。
ただ、性格上ここでいろいろ言うと長引くだけなので、私は心を捨て、無の境地で待つ。
「ファンゼル王子はねぇ、どうやら私の才能と美貌に気づいちゃったら、うふふっ、もー私のことしか考えられなくなっちゃったらしくてねっ、私と結婚するの。来月」
「「「「えーーーーっ」」」」
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「だから、みんなも~、お姉ちゃんじゃなくてこの私、メリルに魔法を教わった方がいいと思うわ。あら、ごめんなさい、ダーリンが待っている時間だから行かないとっ。アイススケート」
メリルは床をスケートのように滑れる魔法を使ってスイスイご機嫌な様子で教室を後にした。
「あれって、先生の真似かな・・・?」
シェリルちゃんが隣の子に話をしている。
「というわけで、私は旅に出て、新しい国でも創っちゃおうかなって思ってるので、みんなとはお別れです。寂しくなりますが・・・」
「いやだっ!!」
ボルトくんが叫ぶと、みんなも嫌だと口々に言ってきた。
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