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「じゃあなっ、はっはん。楽しみにしてるぜ。そいつの顔が青く腫れあがるのを拝むのをよおっ!!」
そう言って、リュウケンとダスティンたちは笑いながら行ってしまった。
「・・・何言ってんだよっ!?ルトゥス」
僕はルトゥスの胸元を握り締め、押したり引いたりしているとルトゥスは高笑いをする。
「ははははっ、大丈夫だ。バルトには才能があるから」
僕のことは僕が一番わかっているのに、なぜこうも自信満々に言えるのか。
「そんな適当なことを言って・・・」
他人事だからそんな態度が取れるんだと思った僕が呆れながら言うと、つかさずルトゥスは自信満々な顔で反論する。
「適当じゃないさ。いいか、バルトが剣で負ける時はいつも判定負けだ。けどな、俺を相手にするとき以外、お前は倒れない。死すら逃げ帰ると言われたお前の父親のように」
「父さんのことは別にいいだろ・・・」
僕は嫌な顔をしながら、ぼそっと言うとルトゥスが僕の心を読み取ろうと見つめてくる。ちょっときまずい・・・。
「まぁ・・・俺もそこまでバルトの父親のことは大人たちの話でしかは知らないけれど、お前は弱々しく見えて、タフさと、諦めずにスキを狙う気概がある」
そういうと、ルトゥスは僕の右手でアゴをくいっと上げながら掴む。自然と僕とルトゥスの顔が近づく。
「「・・・」」
見つめ合う僕ら。
憧れるルトゥスが珍しく、真顔で僕を見つめてくるので、僕もルトゥスから目が離せなかった。
「チンだ」
「えっ?」
「チン・・・つまり、アゴを狙え」
そう言って、アゴから手を離して、無邪気な顔をするルトゥス。
(あぁ・・・拳闘のアドバイスか・・・)
そうだとわかっても、僕の心臓はドクドクと鳴っていた。
「ははっ」
そんな僕の気持ちをわかっているのか、それともわかっていないのか・・・。
ルトゥスは子供っぽく笑った。
僕は恥ずかしくなって、前髪を整えながら、ルトゥスにこれ以上顔を見られないようにした。
そう言って、リュウケンとダスティンたちは笑いながら行ってしまった。
「・・・何言ってんだよっ!?ルトゥス」
僕はルトゥスの胸元を握り締め、押したり引いたりしているとルトゥスは高笑いをする。
「ははははっ、大丈夫だ。バルトには才能があるから」
僕のことは僕が一番わかっているのに、なぜこうも自信満々に言えるのか。
「そんな適当なことを言って・・・」
他人事だからそんな態度が取れるんだと思った僕が呆れながら言うと、つかさずルトゥスは自信満々な顔で反論する。
「適当じゃないさ。いいか、バルトが剣で負ける時はいつも判定負けだ。けどな、俺を相手にするとき以外、お前は倒れない。死すら逃げ帰ると言われたお前の父親のように」
「父さんのことは別にいいだろ・・・」
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「まぁ・・・俺もそこまでバルトの父親のことは大人たちの話でしかは知らないけれど、お前は弱々しく見えて、タフさと、諦めずにスキを狙う気概がある」
そういうと、ルトゥスは僕の右手でアゴをくいっと上げながら掴む。自然と僕とルトゥスの顔が近づく。
「「・・・」」
見つめ合う僕ら。
憧れるルトゥスが珍しく、真顔で僕を見つめてくるので、僕もルトゥスから目が離せなかった。
「チンだ」
「えっ?」
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(あぁ・・・拳闘のアドバイスか・・・)
そうだとわかっても、僕の心臓はドクドクと鳴っていた。
「ははっ」
そんな僕の気持ちをわかっているのか、それともわかっていないのか・・・。
ルトゥスは子供っぽく笑った。
僕は恥ずかしくなって、前髪を整えながら、ルトゥスにこれ以上顔を見られないようにした。
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