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プロローグ
1話
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「あぁ、やっと着いたーーっ」
「葉子、声がでかすぎ」
僕と葉子は3、4時間かけて東京から長野県にあるペンションに着いた。
「もー、翼ったら運転慎重すぎなんだもん」
「仕方ないだろ、雪の上の運転は危ないんだから」
僕たちはレンタカーを借りて長野まで来たけれど、凍っている部分もあって何度もスリップしかけた。レンタカーのお兄さんの言う通りにスタッドレスタイヤにしておいて本当に良かった。
おかげで運転中、ヒヤッとする場面は何度かあったけれどなんとか無事についた。
「でも・・・お疲れ様」
葉子は僕を労いながら僕の腕に絡みつく。
辺りは雪で白一色。
こんなに降り積もった雪はなかなか東京では拝めない。
長野県の空気は、東京のように重い空気ではなく、とてもきれいだった。
でも、その分寒く、寄り添う葉子の温もりが本当に心地よかった。
僕はアウターのポケットの中でぎゅっとアルものを握り締めた。
「うわ・・・っ。すごいっ!!」
葉子がペンションを見て感動する。
非日常的空間。
こんなに積もった雪もすごいのだが、蒼色の壁をした洋館のようなペンションも歴史を感じさせる建物で、思わず僕たちは固唾を飲む。
「パンフレットよりすごいねぇ・・・」
「うん。そうだね」
今回の旅は付き合って3年の記念日ということでどこかに行こうと話し合っていたら、葉子がここに行きたいと言ってきまったのだ。
「カマクラが作れそうだね、あそこら辺」
「ホントだね」
駐車場もそうだったけれど、ペンションの庭にも玄関までの道に降った雪を除雪した雪が山のように積み上げられていて、一番高いところは僕の身長をゆうに超えるくらいあった。
そんな雪山を横目に僕らは玄関へとたどり着く。
「・・・こんにちは」
ゆっくりと重い玄関の扉を開ける。
雪国は暖房のためか気密性を大事にするようだ。
扉も重いが、圧力も重い。
「・・・は~いっ、少々お待ちを」
ペンションに入って挨拶をすると、体格のいいおじさんが小走りにやってくる。
髭も生やしていて、ちょっと怖そうなおじさんだったが、スリッパが一度脱げてしまい、照れながら笑うおじさんを、葉子はくすりと笑った。
「お待ちしておりました、後藤様。オーナーの白鳥宗一郎と申します。本日は後藤様お二人の貸し切りになっておりますので、どうぞおくつろぎくださいませ」
宗一郎さんが一礼すると、葉子は「貸し切りだって」と僕の腕を引っ張って喜んでいる。
僕は宗一郎さんを見ていると、宗一郎さんの後ろの方に横切る男の人を見つける。
「あぁ、あれは私のせがれで栄太と言います。おーいっ、栄太。お客様だ・・・挨拶をしろっ」
僕の視線に気づいた宗一郎さんが後ろを向く。
僕らの顔を見ると、とても嫌そうな顔をして再び行ってしまう。
「接客は静江の仕事だろっ」
どことなく宗一郎さんに似つつも、不愛想な男。
宗一郎さんと違って、ヒョロガリな体形で、ハンサムな方かもしれないが、目つきはちょっと悪いし、宗一郎さんの低い声とは違って、少し高い声だった。
「何を言っているんだっ!すいません、教育がなってなくて・・・失礼を」
「いいえ、お気遣いなく」
僕らはそのままロビーへと案内される。
ロビーは誰もおらず、先ほどの栄太さんもどこかへ行ってしまったようだ。
「では、こちらでチェックインのサインを」
「はいっ」
朱色の絨毯を歩いてカウンターへと向かう。
一流ホテルに決して負けることのない、カウンター。
レトロさの中にも上品さを含んでいる。
金色の光るベルとペン。
僕はそのペンを取って住所や名前を書いていく。
(あっ、このペン書きやすい・・・)
僕が手続きを済ませている間、葉子は色々な置物を楽しそうに見ている。
僕も書き終わると、葉子と一緒にロビーを見て回る。
机などは既製品のように長方形ではなく、樹齢数十年、数百年に見える気を使った、丸みを帯びた面白い形をしていた。
しかし、ロビーの中でも一番びっくりしたのが、白熊の剥製だ。
「本物かな?」
「本物ですよ」
葉子の声におばさんの声がする。
「こんにちは、私は白鳥恵と申します。本日はようこそお越しくださいました」
白髪交じりの髪と細身の身体で疲れ切っている感じもしたけれど、聡明そうでしっかりした女性だと僕は思った。
おそらく、宗一郎さんの奥さんだろう。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
僕たちが挨拶を交わしていると階段を降りる音がするので、正面を見る。
ロビーの正面、受付カウンターの隣に立派な階段があり、女性が二階から降りて来た。
「ふぁ~ぁ」
あくびをしながら降りてくる女性は葉子より3、4歳くらい年上、27、28歳くらいだろうか。葉子にも負けてはいないナイスバディ―だ。
しかし、ぼさぼさの頭でパジャマ姿でだらしなさそうな彼女より僕は葉子の方が好みだ。
「あれっ?お客さん?」
葉子が気になったように指を差す。
「こらこら、人に指さしちゃだめでしょ」
僕が注意すると葉子が苦笑いして、もう片方の手で人差し指を胸のあたりに引っ込める。
「こらっ、静江っ。今日はお客様が来るって言ってたでしょ!!」
「あれ~、そうだっけ?」
「お客様の来る日は2階は使えないわよ」
「えーーっ、めんどい」
恵さんが睨むと静江さんは「わかりましたよー」と言って、2階へ戻っていく。
「すいません、お見苦しいところをお見せして・・・」
「いえいえ、そんな頭を下げないでくださいよ」
恵さんが深々と頭を下げてくるので僕らは困惑してしまう。
「・・・では、お部屋に案内しますね」
僕らは恵さんに連れられて2階の部屋に案内される。
手すりも立派で触り心地がいい。
「さっ、こちらです」
恵さんが部屋の扉を開けて待っていてくれる。
僕と葉子は案内されるがままにその部屋に入る。
「わぁ・・・っ、すてき」
中世ヨーロッパの貴族の部屋を彷彿させる部屋。
アンティークがいい味を出している。
童話の世界にあるような立派な鏡の前に葉子が座って、僕を見てきて「お姫様みたいでしょ」と言ってくる。
僕が頷く前に葉子は窓に移る。
「見てみて景色。凄い綺麗」
「危ないから気を付けてくださいね、そこから落ちて足を骨折した人がいるので」
「えっ、こわっ。たかっ」
僕もちらっと見ると、下は池があり、凍っていた。飛び降りた骨折じゃすまないかもしれない。
「では、こちらがカギになります」
「はい、確かに承りました。あと、すいません、観光MAPってありますか?」
「それでしたらロビーに」
「葉子、荷物を整理したらロビーに行こうよ」
「うん、わかった」
僕は時計を見た。
時刻は16時5分。
旅行の初日の疲れた体でスノボーをして、怪我でもしたら嫌だし、ゲレンデに行くのは止めておいて、明日からの計画を立てよう。
付き合って3年。
何かが起こるようで起こらなかった日々。
(今日は何かが・・・ふふっ。起こる気がするな。起きなければ・・・起こしてやるっ)
そんな考えがあらぬ方向へ行くとは、この時の僕はまだ想像もしていなかった。
「葉子、声がでかすぎ」
僕と葉子は3、4時間かけて東京から長野県にあるペンションに着いた。
「もー、翼ったら運転慎重すぎなんだもん」
「仕方ないだろ、雪の上の運転は危ないんだから」
僕たちはレンタカーを借りて長野まで来たけれど、凍っている部分もあって何度もスリップしかけた。レンタカーのお兄さんの言う通りにスタッドレスタイヤにしておいて本当に良かった。
おかげで運転中、ヒヤッとする場面は何度かあったけれどなんとか無事についた。
「でも・・・お疲れ様」
葉子は僕を労いながら僕の腕に絡みつく。
辺りは雪で白一色。
こんなに降り積もった雪はなかなか東京では拝めない。
長野県の空気は、東京のように重い空気ではなく、とてもきれいだった。
でも、その分寒く、寄り添う葉子の温もりが本当に心地よかった。
僕はアウターのポケットの中でぎゅっとアルものを握り締めた。
「うわ・・・っ。すごいっ!!」
葉子がペンションを見て感動する。
非日常的空間。
こんなに積もった雪もすごいのだが、蒼色の壁をした洋館のようなペンションも歴史を感じさせる建物で、思わず僕たちは固唾を飲む。
「パンフレットよりすごいねぇ・・・」
「うん。そうだね」
今回の旅は付き合って3年の記念日ということでどこかに行こうと話し合っていたら、葉子がここに行きたいと言ってきまったのだ。
「カマクラが作れそうだね、あそこら辺」
「ホントだね」
駐車場もそうだったけれど、ペンションの庭にも玄関までの道に降った雪を除雪した雪が山のように積み上げられていて、一番高いところは僕の身長をゆうに超えるくらいあった。
そんな雪山を横目に僕らは玄関へとたどり着く。
「・・・こんにちは」
ゆっくりと重い玄関の扉を開ける。
雪国は暖房のためか気密性を大事にするようだ。
扉も重いが、圧力も重い。
「・・・は~いっ、少々お待ちを」
ペンションに入って挨拶をすると、体格のいいおじさんが小走りにやってくる。
髭も生やしていて、ちょっと怖そうなおじさんだったが、スリッパが一度脱げてしまい、照れながら笑うおじさんを、葉子はくすりと笑った。
「お待ちしておりました、後藤様。オーナーの白鳥宗一郎と申します。本日は後藤様お二人の貸し切りになっておりますので、どうぞおくつろぎくださいませ」
宗一郎さんが一礼すると、葉子は「貸し切りだって」と僕の腕を引っ張って喜んでいる。
僕は宗一郎さんを見ていると、宗一郎さんの後ろの方に横切る男の人を見つける。
「あぁ、あれは私のせがれで栄太と言います。おーいっ、栄太。お客様だ・・・挨拶をしろっ」
僕の視線に気づいた宗一郎さんが後ろを向く。
僕らの顔を見ると、とても嫌そうな顔をして再び行ってしまう。
「接客は静江の仕事だろっ」
どことなく宗一郎さんに似つつも、不愛想な男。
宗一郎さんと違って、ヒョロガリな体形で、ハンサムな方かもしれないが、目つきはちょっと悪いし、宗一郎さんの低い声とは違って、少し高い声だった。
「何を言っているんだっ!すいません、教育がなってなくて・・・失礼を」
「いいえ、お気遣いなく」
僕らはそのままロビーへと案内される。
ロビーは誰もおらず、先ほどの栄太さんもどこかへ行ってしまったようだ。
「では、こちらでチェックインのサインを」
「はいっ」
朱色の絨毯を歩いてカウンターへと向かう。
一流ホテルに決して負けることのない、カウンター。
レトロさの中にも上品さを含んでいる。
金色の光るベルとペン。
僕はそのペンを取って住所や名前を書いていく。
(あっ、このペン書きやすい・・・)
僕が手続きを済ませている間、葉子は色々な置物を楽しそうに見ている。
僕も書き終わると、葉子と一緒にロビーを見て回る。
机などは既製品のように長方形ではなく、樹齢数十年、数百年に見える気を使った、丸みを帯びた面白い形をしていた。
しかし、ロビーの中でも一番びっくりしたのが、白熊の剥製だ。
「本物かな?」
「本物ですよ」
葉子の声におばさんの声がする。
「こんにちは、私は白鳥恵と申します。本日はようこそお越しくださいました」
白髪交じりの髪と細身の身体で疲れ切っている感じもしたけれど、聡明そうでしっかりした女性だと僕は思った。
おそらく、宗一郎さんの奥さんだろう。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
僕たちが挨拶を交わしていると階段を降りる音がするので、正面を見る。
ロビーの正面、受付カウンターの隣に立派な階段があり、女性が二階から降りて来た。
「ふぁ~ぁ」
あくびをしながら降りてくる女性は葉子より3、4歳くらい年上、27、28歳くらいだろうか。葉子にも負けてはいないナイスバディ―だ。
しかし、ぼさぼさの頭でパジャマ姿でだらしなさそうな彼女より僕は葉子の方が好みだ。
「あれっ?お客さん?」
葉子が気になったように指を差す。
「こらこら、人に指さしちゃだめでしょ」
僕が注意すると葉子が苦笑いして、もう片方の手で人差し指を胸のあたりに引っ込める。
「こらっ、静江っ。今日はお客様が来るって言ってたでしょ!!」
「あれ~、そうだっけ?」
「お客様の来る日は2階は使えないわよ」
「えーーっ、めんどい」
恵さんが睨むと静江さんは「わかりましたよー」と言って、2階へ戻っていく。
「すいません、お見苦しいところをお見せして・・・」
「いえいえ、そんな頭を下げないでくださいよ」
恵さんが深々と頭を下げてくるので僕らは困惑してしまう。
「・・・では、お部屋に案内しますね」
僕らは恵さんに連れられて2階の部屋に案内される。
手すりも立派で触り心地がいい。
「さっ、こちらです」
恵さんが部屋の扉を開けて待っていてくれる。
僕と葉子は案内されるがままにその部屋に入る。
「わぁ・・・っ、すてき」
中世ヨーロッパの貴族の部屋を彷彿させる部屋。
アンティークがいい味を出している。
童話の世界にあるような立派な鏡の前に葉子が座って、僕を見てきて「お姫様みたいでしょ」と言ってくる。
僕が頷く前に葉子は窓に移る。
「見てみて景色。凄い綺麗」
「危ないから気を付けてくださいね、そこから落ちて足を骨折した人がいるので」
「えっ、こわっ。たかっ」
僕もちらっと見ると、下は池があり、凍っていた。飛び降りた骨折じゃすまないかもしれない。
「では、こちらがカギになります」
「はい、確かに承りました。あと、すいません、観光MAPってありますか?」
「それでしたらロビーに」
「葉子、荷物を整理したらロビーに行こうよ」
「うん、わかった」
僕は時計を見た。
時刻は16時5分。
旅行の初日の疲れた体でスノボーをして、怪我でもしたら嫌だし、ゲレンデに行くのは止めておいて、明日からの計画を立てよう。
付き合って3年。
何かが起こるようで起こらなかった日々。
(今日は何かが・・・ふふっ。起こる気がするな。起きなければ・・・起こしてやるっ)
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