1 / 8
1
しおりを挟む
「ルイズ、お前が父親を殺したのだろうっ!!そんな奴とは結婚する気はない。婚約破棄だっ!」
彼の18歳の誕生日パーティーに参加した優秀なお嬢様学校に在籍する私の友人たちと、名だたる貴族もいるけれど、お金を積めば入れる彼の友人・・・?たちが集まる中で、私を指さして叫ぶのは、ガブリアス家の次男であり、私の婚約者で同い年のガブリアス・グリフ。シャツのしわが気になるガラの悪そうな友人を二人従えて、私にそう申されました。
周りの様子を見ると、彼がお誘いした方の中には、身なりの整った方々のグループがため息をついています。もしかしたら、学校でもこのように振る舞い、失望されていらっしゃるのでしょうか。
「大丈夫? ルイズ」
私は本当に良い友人を持ちました。私の友人たちは私に近寄り、私を心配してくださいます。それを見てグリフとそのご友人がたじろいでいます。もしかして、殿方のくせに数の力で私を言いくるめる気だったのでしょうか。
「私は大丈夫よ。それより、ごめんなさい。こんなところに皆さんを呼んでしまって・・・」
私は友人のみんなに深々と頭を下げました。婚約者の誕生日ということで、婚約するのだから友人も連れてこいということだったので、みんなを連れてきましたが、どうやらグリフの狙いは私を友人の前で恥をかかせることのようですね。婚約破棄はともかく、彼の誤った発言は訂正しないと。
「私は父を殺していませんが」
私は身に覚えがないので、さらっと答えました。
「嘘を付くな、そもそも父親が亡くなったというのにパーティーに参加するなど、全く不謹慎な女だ」
グリフがそう言うと取り巻きの二人が相槌をしながら笑ってます。でも、そうしているのは彼らくらい。はぁ、本当に哀れですわ・・・。
「私が出席したのは、グリフ様がぜひに出席してほしいと懇願したからですよね。それに、私の父が私に殺されて亡くなったとして、まだ数日しか経っていないのに誕生パーティーを開催する婚約者の方が問題かと思いますが、いかがでしょうか」
「うっ・・・・・・それはお前を励まそうと、いや、お前にせがまれてだっ!!」
「だとしたら、先ほどグリフ様が仰った「パーティーに参加する」という言葉を使うのはおかしいですわ。それなら、「パーティーをせがむ」と私に言うべきでは?」
ある聡明な方が仰っていました、人を罠に嵌めようとするならば、徹底的にやらないと。
なので、私はグリフの言った言葉の矛盾を指摘しました。
「うっ、うるさいっ!! おっ、お前を気遣って言ったのだ。見苦しいぞ、ルイズ」
見苦しいのはどちらかは周りの皆さんはわかっていそうですけれど、茶番には付き合ってあげましょう。でも、ちゃんとしたオチがない茶番はダメですよ、グリフ。
「じゃあ、私がどうやって殺したのか、教えてくださるかしら、グリフ様」
私がそう言うと、グリフはニヤリとして私を見ました。
「ふっ、こっちには目撃者がいるんだ」
そう言うと、三人の影から一人の女性が出てきました。
「ふふふっ」
子どもっぽい笑い方で現れた女性。
「嘘でしょ・・・ヴィトリール」
その人は、私の2つ年下のヴィトリールでした。
彼の18歳の誕生日パーティーに参加した優秀なお嬢様学校に在籍する私の友人たちと、名だたる貴族もいるけれど、お金を積めば入れる彼の友人・・・?たちが集まる中で、私を指さして叫ぶのは、ガブリアス家の次男であり、私の婚約者で同い年のガブリアス・グリフ。シャツのしわが気になるガラの悪そうな友人を二人従えて、私にそう申されました。
周りの様子を見ると、彼がお誘いした方の中には、身なりの整った方々のグループがため息をついています。もしかしたら、学校でもこのように振る舞い、失望されていらっしゃるのでしょうか。
「大丈夫? ルイズ」
私は本当に良い友人を持ちました。私の友人たちは私に近寄り、私を心配してくださいます。それを見てグリフとそのご友人がたじろいでいます。もしかして、殿方のくせに数の力で私を言いくるめる気だったのでしょうか。
「私は大丈夫よ。それより、ごめんなさい。こんなところに皆さんを呼んでしまって・・・」
私は友人のみんなに深々と頭を下げました。婚約者の誕生日ということで、婚約するのだから友人も連れてこいということだったので、みんなを連れてきましたが、どうやらグリフの狙いは私を友人の前で恥をかかせることのようですね。婚約破棄はともかく、彼の誤った発言は訂正しないと。
「私は父を殺していませんが」
私は身に覚えがないので、さらっと答えました。
「嘘を付くな、そもそも父親が亡くなったというのにパーティーに参加するなど、全く不謹慎な女だ」
グリフがそう言うと取り巻きの二人が相槌をしながら笑ってます。でも、そうしているのは彼らくらい。はぁ、本当に哀れですわ・・・。
「私が出席したのは、グリフ様がぜひに出席してほしいと懇願したからですよね。それに、私の父が私に殺されて亡くなったとして、まだ数日しか経っていないのに誕生パーティーを開催する婚約者の方が問題かと思いますが、いかがでしょうか」
「うっ・・・・・・それはお前を励まそうと、いや、お前にせがまれてだっ!!」
「だとしたら、先ほどグリフ様が仰った「パーティーに参加する」という言葉を使うのはおかしいですわ。それなら、「パーティーをせがむ」と私に言うべきでは?」
ある聡明な方が仰っていました、人を罠に嵌めようとするならば、徹底的にやらないと。
なので、私はグリフの言った言葉の矛盾を指摘しました。
「うっ、うるさいっ!! おっ、お前を気遣って言ったのだ。見苦しいぞ、ルイズ」
見苦しいのはどちらかは周りの皆さんはわかっていそうですけれど、茶番には付き合ってあげましょう。でも、ちゃんとしたオチがない茶番はダメですよ、グリフ。
「じゃあ、私がどうやって殺したのか、教えてくださるかしら、グリフ様」
私がそう言うと、グリフはニヤリとして私を見ました。
「ふっ、こっちには目撃者がいるんだ」
そう言うと、三人の影から一人の女性が出てきました。
「ふふふっ」
子どもっぽい笑い方で現れた女性。
「嘘でしょ・・・ヴィトリール」
その人は、私の2つ年下のヴィトリールでした。
2
お気に入りに追加
88
あなたにおすすめの小説
【完結】君の世界に僕はいない…
春野オカリナ
恋愛
アウトゥーラは、「永遠の楽園」と呼ばれる修道院で、ある薬を飲んだ。
それを飲むと心の苦しみから解き放たれると言われる秘薬──。
薬の名は……。
『忘却の滴』
一週間後、目覚めたアウトゥーラにはある変化が現れた。
それは、自分を苦しめた人物の存在を全て消し去っていたのだ。
父親、継母、異母妹そして婚約者の存在さえも……。
彼女の目には彼らが映らない。声も聞こえない。存在さえもきれいさっぱりと忘れられていた。
婚約破棄されました。あとは知りません
天羽 尤
恋愛
聖ラクレット皇国は1000年の建国の時を迎えていた。
皇国はユーロ教という宗教を国教としており、ユーロ教は魔力含有量を特に秀でた者を巫女として、唯一神であるユーロの従者として大切に扱っていた。
聖ラクレット王国 第一子 クズレットは婚約発表の席でとんでもない事を告げたのだった。
「ラクレット王国 王太子 クズレットの名の下に 巫女:アコク レイン を国外追放とし、婚約を破棄する」
その時…
----------------------
初めての婚約破棄ざまぁものです。
---------------------------
お気に入り登録200突破ありがとうございます。
-------------------------------
【著作者:天羽尤】【無断転載禁止】【以下のサイトでのみ掲載を認めます。これ以外は無断転載です〔小説家になろう/カクヨム/アルファポリス/マグネット〕】
断罪される理由はありません、まずは貴方の行動を振り返りましょう【5話完結+おまけ1話】
酒本 アズサ
恋愛
《本編完結しました!》
おまけの1話追加しました。
「シャルロット、お前はソフィーをこれまで虐め抜いて来ただろう、私はその様な品性の無い女とは結婚する気はない! 婚約破棄する!」
公爵家令嬢のシャルロットは学院の卒業パーティーで婚約者の第二王子から婚約破棄を告げられた、それも身に覚えのない事で。
そちらが冤罪を被せようとするならわたしくしは貴方の小物っぷりを皆様に知って頂きましょう。
貴族というものは軽率な行動を取ってはいけない、きちんと確証を得てから口に出さなければいけないと言うことを教えて差し上げますわ。
長年の淑女教育により完璧な令嬢の皮を被り続けた幼馴染みであるシャルロットの本来の性格を忘れた第二王子の悲劇の幕が今上がるー!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
一度書いてみたかったザマァに初チャレンジしてみました!
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿してます。
小説家になろう様のランキングにてジャンル別で
日間 1位(2日天下でしたが)
月間10位(2020.9)
になれました!
結婚式一時間前なのに婚約破棄された令嬢の周りはザマァにまみれて追放される
甘い秋空
恋愛
結婚式一時間前の親族の顔合わせの席なのに、婚約破棄された令嬢。周りはザマァにまみれて次々に追放されていく。タイムリミットが迫る中、新郎がいない令嬢は、果たして結婚式を挙げられるのか! (全四話完結)
貴方が選んだのは全てを捧げて貴方を愛した私ではありませんでした
ましゅぺちーの
恋愛
王国の名門公爵家の出身であるエレンは幼い頃から婚約者候補である第一王子殿下に全てを捧げて生きてきた。
彼を数々の悪意から守り、彼の敵を排除した。それも全ては愛する彼のため。
しかし、王太子となった彼が最終的には選んだのはエレンではない平民の女だった。
悲しみに暮れたエレンだったが、家族や幼馴染の公爵令息に支えられて元気を取り戻していく。
その一方エレンを捨てた王太子は着々と破滅への道を進んでいた・・・
【短編完結】記憶なしで婚約破棄、常識的にざまあです。だってそれまずいって
鏑木 うりこ
恋愛
お慕いしておりましたのにーーー
残った記憶は強烈な悲しみだけだったけれど、私が目を開けると婚約破棄の真っ最中?!
待って待って何にも分からない!目の前の人の顔も名前も、私の腕をつかみ上げている人のことも!
うわーーうわーーどうしたらいいんだ!
メンタルつよつよ女子がふわ~り、さっくりかる~い感じの婚約破棄でざまぁしてしまった。でもメンタルつよつよなので、ザクザク切り捨てて行きます!
微笑みの令嬢に待っていたのは婚約破棄でした、愛想が無いと言ったのはあなたでしょ!?
coco
恋愛
私は表情に乏しく、婚約者から愛想が無い女だと言われた。
反省した私は、色々な人に笑顔を見せる様にした。
そのおかげで、今では微笑みの令嬢と呼ばれる様になった。
そんな私を待っていたのは、彼からの突然の婚約破棄だった。
おまけに、男タラシと罵倒までされてしまい─!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる