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『アリア・・・』
『お母様っ』
白い世界の中、お母様が笑顔で両手を広げて私を待っている。
『アリア・・・』
『お父様っ』
その隣にお父様が現れた。お母様と同じように優しく微笑んでいる。
私は嬉しくなって、二人に駆け寄る。身体がとても軽い。
(全然、息が切れないわっ)
私はスカートをたくし上げながら、愛しい二人の元へと向かっていく。
『あれっ、あれっ、あれっ!?』
私の軽すぎる身体はふわっと浮き上がってしまって、足が地面から離れてしまって足を動かしても前へと進めなくなってしまう。
『お父様っ、お母様っ!!』
悲しそうな二人。 二人は私に背を向けてしまう。
『待って、待ってよっ!!』
二人が向こうに行ってしまうと、世界が暗転する。そして、私の隣には屈強な見覚えのある兵士がいて、私の量でを掴む。
『離してっ、離してってばっ!!お父様っ!!お母様っ!!』
「助けて!!!!」
目を見開くと、煌びやかな知らない天井が眼前にあった。
「・・・え?」
ピピピピピッ
明るい世界。久しぶりに見る晴れた景色。窓の外からは小鳥が嬉しそうに鳴いている。
私は自分の状態を確認する。
ふかふかのベットに横たわっていた身体を起こして、まず服装を確認するけれど、肌触りのよいシルクの服でこんなに上質な寝間着を私は持っていない。
私はベットから降りようとすると、丁寧にスリッパが置いてある。
ジーーーッ
別にスリッパがどうこうというわけではなかったのだけれど、下を向いたら状況整理をしたくなった私はぼーっとする。
コンコンッ
「アリア?起きているかい?」
「あっ、うん」
(昔の癖でリチャードにため口で返事をしちゃったっ)
リチャードの声で私は今まで起きたことがフラッシュバックする。
(そうだ・・・私は・・・)
「入るよ」
「えっ、あ・・・っ」
ガチャッ
美青年はにこっとこちらを見て安堵したような顔で笑っている。
「おはよう、アリア」
「おはよう、リチャード・・・王子」
「はははっ、リチャードで良いってば。昔みたいにさ」
「うん・・・ありがとっ」
とはいえ、昔と違ってかわいい顔がかっこいい顔になっていてちょっとドキドキしてしまう。
・・・が、なんとなく、リチャードの方が少し照れて、顔を赤らめてチラチラとこちらを見ている。
「何か羽織った方がいいかもね・・・。あと、足はもう少し閉じた方が・・・」
「あっ」
今動いたばかりと言うのもあって、寝間着は少しはだけており、その肌着は白色で体のラインがはっきり出ていたのに気づいた私はとても恥ずかしくなったので急いで掛け布団の中に入ったのであった。
『お母様っ』
白い世界の中、お母様が笑顔で両手を広げて私を待っている。
『アリア・・・』
『お父様っ』
その隣にお父様が現れた。お母様と同じように優しく微笑んでいる。
私は嬉しくなって、二人に駆け寄る。身体がとても軽い。
(全然、息が切れないわっ)
私はスカートをたくし上げながら、愛しい二人の元へと向かっていく。
『あれっ、あれっ、あれっ!?』
私の軽すぎる身体はふわっと浮き上がってしまって、足が地面から離れてしまって足を動かしても前へと進めなくなってしまう。
『お父様っ、お母様っ!!』
悲しそうな二人。 二人は私に背を向けてしまう。
『待って、待ってよっ!!』
二人が向こうに行ってしまうと、世界が暗転する。そして、私の隣には屈強な見覚えのある兵士がいて、私の量でを掴む。
『離してっ、離してってばっ!!お父様っ!!お母様っ!!』
「助けて!!!!」
目を見開くと、煌びやかな知らない天井が眼前にあった。
「・・・え?」
ピピピピピッ
明るい世界。久しぶりに見る晴れた景色。窓の外からは小鳥が嬉しそうに鳴いている。
私は自分の状態を確認する。
ふかふかのベットに横たわっていた身体を起こして、まず服装を確認するけれど、肌触りのよいシルクの服でこんなに上質な寝間着を私は持っていない。
私はベットから降りようとすると、丁寧にスリッパが置いてある。
ジーーーッ
別にスリッパがどうこうというわけではなかったのだけれど、下を向いたら状況整理をしたくなった私はぼーっとする。
コンコンッ
「アリア?起きているかい?」
「あっ、うん」
(昔の癖でリチャードにため口で返事をしちゃったっ)
リチャードの声で私は今まで起きたことがフラッシュバックする。
(そうだ・・・私は・・・)
「入るよ」
「えっ、あ・・・っ」
ガチャッ
美青年はにこっとこちらを見て安堵したような顔で笑っている。
「おはよう、アリア」
「おはよう、リチャード・・・王子」
「はははっ、リチャードで良いってば。昔みたいにさ」
「うん・・・ありがとっ」
とはいえ、昔と違ってかわいい顔がかっこいい顔になっていてちょっとドキドキしてしまう。
・・・が、なんとなく、リチャードの方が少し照れて、顔を赤らめてチラチラとこちらを見ている。
「何か羽織った方がいいかもね・・・。あと、足はもう少し閉じた方が・・・」
「あっ」
今動いたばかりと言うのもあって、寝間着は少しはだけており、その肌着は白色で体のラインがはっきり出ていたのに気づいた私はとても恥ずかしくなったので急いで掛け布団の中に入ったのであった。
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