26 / 27
25.祝福生み出し合う世界(最終話)
しおりを挟む
七色の世界。
様々な色が自分らしくいられる世界。時には主張し、時には調和しながら暮らしていく。そんな中で、一番主張せず、他の色を受け止める白色が輝く時がある。それが、結婚式。
純白な衣装を身にまとったミシェルは何よりも綺麗で他の様々な色がその日だけは引き立て役になり、ミシェルの美しさに花を添えた。
そんな綺麗な彼女に最後の仕上げをするのはマハラジャ。彼女の薬指に相応しい高い透明度と輝きを持つダイヤの指輪をはめ、ミシェルもマハラジャにお返しするように彼の薬指にエメラルビイアを指輪をつける。エメラルビイアとは、エメラルドとルビーとサファイアという生成される条件が異なるはずの3つの宝石が奇跡によって一つになった唯一の宝石。
生粋の宝石と三つ巴の宝石。二人は指輪を集まった人々に見せて、二人が結ばれたことを示した。
「きれいです」
ミシェルにかかっていたベールを上げたマハラジャはいつも通り優しい笑顔をしていたけれど、ミシェルの美しい姿に頬を赤らめていた。
「ありがとうございます・・・」
ミシェルも彼と同じように頬を赤らめて笑う。
お互いの赤らみはお互いの唇を疼かせて、二人はお互い惹かれ合うように唇を重ねた。二人の頭には挙式の順番なんてものはどこかに行ってしまい、相手のことしか考えられなかった。
二人はその後、結婚の誓いを署名しチャペルから出ていく。
すると、外には二人を待っていた国民達が手にお米を持って待っていた。
「ライスシャワー・・・?」
ミシェルは驚いた。
ライスシャワーは作物が豊かだったエバーガーデニア王国の文化。結婚する二人が食べ物に困らないようにと祈るものであり、ガラハラ王国の文化ではなかったけれど、祝福されるミシェルが喜ぶことを考えた国民達が商人に話を聞いて、用意してきたのだ。
その心遣いがミシェルには嬉しかった。
「行こうか」
マハラジャがミシェルの手を取って歩いていく。
二人は国民が作った幸せの雨の中を幸せな笑顔で歩いていく。
(人にも作れるんだ・・・)
ゴロゴロゴロ・・・ッ
「すっ、すいません。お米を見たら・・・お腹が鳴っちゃって」
「では、披露宴に急ぎましょうか。どうぞ、皆さんもぜひ参加してください」
ライスシャワーがマハラジャとミシェルを幸せにし、マハラジャとミシェルの振る舞いがみんなを笑顔にした。
その後、ガラハラ王国の人々は素敵な王と王妃に導かれ豊かで幸せに暮らすことができ、マハラジャとミシェルも子宝にも恵まれ、仲睦まじく暮らしていきました。
FIN
・・・エピローグに続く
様々な色が自分らしくいられる世界。時には主張し、時には調和しながら暮らしていく。そんな中で、一番主張せず、他の色を受け止める白色が輝く時がある。それが、結婚式。
純白な衣装を身にまとったミシェルは何よりも綺麗で他の様々な色がその日だけは引き立て役になり、ミシェルの美しさに花を添えた。
そんな綺麗な彼女に最後の仕上げをするのはマハラジャ。彼女の薬指に相応しい高い透明度と輝きを持つダイヤの指輪をはめ、ミシェルもマハラジャにお返しするように彼の薬指にエメラルビイアを指輪をつける。エメラルビイアとは、エメラルドとルビーとサファイアという生成される条件が異なるはずの3つの宝石が奇跡によって一つになった唯一の宝石。
生粋の宝石と三つ巴の宝石。二人は指輪を集まった人々に見せて、二人が結ばれたことを示した。
「きれいです」
ミシェルにかかっていたベールを上げたマハラジャはいつも通り優しい笑顔をしていたけれど、ミシェルの美しい姿に頬を赤らめていた。
「ありがとうございます・・・」
ミシェルも彼と同じように頬を赤らめて笑う。
お互いの赤らみはお互いの唇を疼かせて、二人はお互い惹かれ合うように唇を重ねた。二人の頭には挙式の順番なんてものはどこかに行ってしまい、相手のことしか考えられなかった。
二人はその後、結婚の誓いを署名しチャペルから出ていく。
すると、外には二人を待っていた国民達が手にお米を持って待っていた。
「ライスシャワー・・・?」
ミシェルは驚いた。
ライスシャワーは作物が豊かだったエバーガーデニア王国の文化。結婚する二人が食べ物に困らないようにと祈るものであり、ガラハラ王国の文化ではなかったけれど、祝福されるミシェルが喜ぶことを考えた国民達が商人に話を聞いて、用意してきたのだ。
その心遣いがミシェルには嬉しかった。
「行こうか」
マハラジャがミシェルの手を取って歩いていく。
二人は国民が作った幸せの雨の中を幸せな笑顔で歩いていく。
(人にも作れるんだ・・・)
ゴロゴロゴロ・・・ッ
「すっ、すいません。お米を見たら・・・お腹が鳴っちゃって」
「では、披露宴に急ぎましょうか。どうぞ、皆さんもぜひ参加してください」
ライスシャワーがマハラジャとミシェルを幸せにし、マハラジャとミシェルの振る舞いがみんなを笑顔にした。
その後、ガラハラ王国の人々は素敵な王と王妃に導かれ豊かで幸せに暮らすことができ、マハラジャとミシェルも子宝にも恵まれ、仲睦まじく暮らしていきました。
FIN
・・・エピローグに続く
15
お気に入りに追加
226
あなたにおすすめの小説
なんでもいいけど、実家の連中なんとかしてくれません?-虐げられたお姫様、宗主国の皇帝陛下に拾われたついでに復讐する-
下菊みこと
恋愛
このヒロイン、実は…かなり苦労した可愛い可哀想な幼子である。ざまぁもあるよ。
エルネスティーヌはお姫様。しかし恵まれない人生を送ってきた。そんなエルネスティーヌは宗主国の皇帝陛下に拾われた。エルネスティーヌの幸せな人生がここから始まる。復讐の味は、エルネスティーヌにとっては蜜のようであった。
小説家になろう様でも投稿しています。
転生令嬢だと打ち明けたら、婚約破棄されました。なので復讐しようと思います。
柚木ゆず
恋愛
前世の記憶と膨大な魔力を持つサーシャ・ミラノは、ある日婚約者である王太子ハルク・ニースに、全てを打ち明ける。
だが――。サーシャを待っていたのは、婚約破棄を始めとした手酷い裏切り。サーシャが持つ力を恐れたハルクは、サーシャから全てを奪って投獄してしまう。
信用していたのに……。
酷い……。
許せない……!。
サーシャの復讐が、今幕を開ける――。
【完結済み】「こんなことなら、婚約破棄させてもらう!」幼い頃からの婚約者に、浮気を疑われた私。しかし私の前に、事の真相を知る人物が現れて……
オコムラナオ
恋愛
(完結済みの作品を、複数話に分けて投稿します。最後まで書きあがっておりますので、安心してお読みください)
婚約者であるアルフレッド・アルバートン侯爵令息から、婚約破棄を言い渡されたローズ。
原因は、二人で一緒に行ったダンスパーティーで、ローズが他の男と踊っていたから。
アルフレッドはローズが以前から様子がおかしかったことを指摘し、自分以外の男に浮気心を持っているのだと責め立てる。
ローズが事情を説明しようとしても、彼は頑なに耳を貸さない。
「こんなことなら、婚約破棄させてもらう!」
彼がこう宣言したとき、意外なところからローズに救いの手が差し伸べられる。
明かされたのはローズの潔白だけではなく、思いもよらない事実だった……
婚約破棄を要求されましたが、俺に婚約者はいませんよ?
紅葉ももな(くれはももな)
恋愛
長い外国留学から帰ってきたラオウは、突然婚約破棄を要求されました。
はい?俺に婚約者はいませんけど?
そんな彼が幸せになるまでのお話。
妹に婚約者を寝取られた令嬢、猫カフェで癒しのもふもふを満喫中! ~猫カフェに王子と宮廷魔法使いがいて溺愛はじまりました!
朱音ゆうひ
恋愛
男爵令嬢シャルロットは、妹に婚約者を寝取られた。妹は「妊娠した」と主張しているが、シャルロットは魔眼持ちなので、妹のぽってりお腹が脂肪だと見抜いている。
別サイトにも投稿してます(https://ncode.syosetu.com/n0955ip/)
悪役令嬢のお姉様が、今日追放されます。ざまぁ――え? 追放されるのは、あたし?
柚木ゆず
恋愛
猫かぶり姉さんの悪事がバレて、ついに追放されることになりました。
これでやっと――え。レビン王太子が姉さんを気に入って、あたしに罪を擦り付けた!?
突然、追放される羽目になったあたし。だけどその時、仮面をつけた男の人が颯爽と助けてくれたの。
優しく助けてくれた、素敵な人。この方は、一体誰なんだろう――え。
仮面の人は……。恋をしちゃった相手は、あたしが苦手なユリオス先輩!?
※4月17日 本編完結いたしました。明日より、番外編を数話投稿いたします。
その公女、至極真面目につき〜デラム公女アリスタの婚約破棄ショー〜
ルーシャオ
恋愛
デラム公女アリスタは、婚約者であるクラルスク公爵家嫡男ヴュルストがいつも女性を取っ替え引っ替えして浮気していることにいい加減嫌気が差しました。
なので、真面目な公女としてできる手を打ち、やってやると決めたのです。
トレディエールの晩餐会で、婚約破棄ショーが幕を開けます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる