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「ふふふんっ」

 あぁ、冬のお風呂は最高だ。
 私はお風呂に入り、お風呂の蓋の上でスマホを弄る。時々水滴が落ちてくるけど、それを拭くフェイスタオルもしっかり完備している。

「ちょっと、咲菜っ。まだ入ってるのっ?」

 あっ、ママだ。
 脱衣所にママのシルエットが映る。
 さすがにママといえど、お風呂のドアは開けないと思うけど、私の快適な空間を邪魔しないで欲しい。

「ちょっと、入ってこないでよ」

「何時間入ってるのよ」

 私はスマホの画面を見る。

「まだ、1時間過ぎただけじゃん」

「1時間も、でしょ。あと10分で出なさい」

「えーっ」

「えーっ、じゃない。いいわね?」

 ママが脱衣所のドアを力強く締める。
 私は「はぁっ」とため息をついて、お風呂の蓋の上に置いてあったペットボトルの蓋を開ける。中にはお茶が入っていて、汗を掻き過ぎたら水分補給も完璧なのだ。

「あーあっ、自由にお風呂が入れる世界だったらいいのに・・・」

 私はスマホの画面を消して、お風呂の蓋の上に置いた腕の上に顔を埋める。すると、なんだか今日は眠くなってしまった。

(あぁ、ヤバイ・・・・・・さすがにお風呂で寝ちゃったら・・・・・・)

 けれど、睡魔に勝てなかった。
 私の意識は途絶えてしまった。
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