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本編
14話 告白と師匠 ~師弟?の誓い~
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「ソフィア!!!」
「ルッ、ルーク!?」
振り返った師匠は目を真っ赤にしている。
こんな師匠を初めて見た。
守りたい―――
もうこんな顔にさせたくはない。
「ちょっ、と。ルークっ!?」
僕は師匠を抱きしめた。
この女性を傷つける者は誰であっても許さない。
たとえ、僕自身であっても、だ。
「ソフィア、ソフィア、ソフィアッ!!!」
「ちょっと、本当にどうしたのよ・・・っ。それに、あれほど師匠と呼べと言ったでしょ・・・っ」
否定する師匠の言葉は弱々しいしい。
「ふっ。ふふふっ」
「何がおかしいですか、師匠」
急に笑い出した師匠に僕も肩透かしに合った気がして、子どもっぽく不機嫌に聞いてしまう。
「あっ」
師匠は僕の頭を撫でてくる。
昔のように優しく愛情を持って。
「覚えていない?ルーク。あなたが、初めて私の元に来た時もそうやって、私を呼び捨てで抱きついて来たのよ?」
言われれば、そうだったかもしれない。
王家のことも王宮で起こる全てのことが嫌で、師匠に出会い、逃げ場を探していた僕はこの人なら僕を助けてくれる、この人なら受け止めてくれると助けを求めた。
「ふふっ。昔は私が抱きしめてあげていたのに・・・今度は貴方に抱きしめられるなんてね・・・ふふっ、大きくなったわね。ルーク。でも、どうしたのかしら?あっ、わかったわ。ネタリア様だったかしら?やっぱり結婚が怖くなっちゃった?」
さっきダンゼンに話は全て聞かせて貰っているんだ。
赤い目をして、「うんうん、わかるぞ」みたいな風に大人ぶってもごまかされないぞ、と反論して指摘しようとしたけれど、僕は成長したんだ。
そんな無粋なことは言わない。
「あっ」
僕は師匠から離れると、師匠は少し寂しそうな顔をした。
僕は片膝をついて、師匠を見上げる。
「ルーク・ド・ソルドレイドは、ソフィアに求婚をさせていただきます」
「えっ・・・」
「ソフィア、貴女は僕の全てだ。そして、貴女の全てに僕はなりたい」
「もう、私は・・・フレーンリヒ公爵の・・・」
「さっき、ダンゼンに聞いてしまいました・・・それに、私は例えソフィアが誰かの者だったとしても僕はソフィアを奪いに行くでしょう」
「私の意見は聞かないのかな?」
「えぇ、聞きません」
僕がきっぱり言うと、少しむすっとする師匠。
「私は・・・そんな大人に育てた覚えはないぞ、ルーク」
「えぇ、だって、この想いは私が育てた想いです。私は―――誰よりもソフィアを愛しています」
師匠はびっくりした顔をして、赤面している。
師匠が目線を泳がせながら、僕をチラ見してくるけれど、僕は誠意が伝わるように目線を逸らさずに師匠を見上げた。
「まいったな・・・、ひな鳥かっ!。それとも・・・マザコンかっ!!。なーんてな、はははっ。たぶん、ルークは勘違いしているぞぉ?それは・・・そうだっ、家族愛って・・・んっ」
僕は師匠の唇を奪う。
最初は拒もうとした師匠も受け止めてくれる。
こういった強引なやり方は嫌いだ。
でも、昔師匠だって、キス魔ってくらいキスしてきたんだから、いいよね?
僕は大人のキスを師匠にする。
キスを重ねると、どんどん自分の気持ちが昂るのと共に、師匠の気持ちが高ぶっているのを感じる。このまま二人で・・・と、思った時、師匠が我に返ったように僕の胸を押す。
「こればっかりは、ソフィアに命令されたって変えることはできませんし、ソフィアが自分を愛するように命令されたから生まれた感情でもありません。最初はソフィアが言うように・・・家族愛だったかも知れません。けれど、僕はソフィアを見ていると、抱きしめたくなるし、昔は照れたけどキスだってたくさんしたい。それに・・・ソフィアに欲情・・・するときだって!!・・・ありました・・・」
僕は恥ずかしくて目を逸らしたいが、師匠から目を離さない。
「こっ・・・この馬鹿弟子!!不純弟子!!」
「えぇ、そんな風にさせてしまった師匠が責任を取ってください!!」
「さっきそれは自分の育てた想いだのほざいておったではないか!!」
「師匠が、魅力的過ぎるから行けないんです!!」
師匠は悔しそうに何を言おうか考えている。
(さぁ、どうしました?師匠。僕の貴女を愛する気持ちは何にだって負けませんよ)
僕はもう揺るがない。
だって、僕は師匠が好きで師匠の気持ちもダンゼンから聞いているのだから。
「・・・責任は取ったさ・・・。君が成人するまでに一人前にすると・・・」
「ソフィアは言ったよね?昔、立派な大人になったら結婚してやるって?僕立派になったよ?」
師匠は忘れているかもしれないけれど、僕の大事な思い出をドキドキしながら話す。
「そっ・・・その時、ぜってーやだ、って言ったじゃん、あー、思い出した。そうよ・・・私はババア・・・ですもん」
(覚えててくれたんだ・・・)
僕は嬉しくなるが、師匠が自分で言って辛そうな顔をしているので僕まで悲しくなる。
このディベートに勝つ気満々だったけど、師匠を傷つけてしまった過去は本当に申し訳ない。
「それは・・・ごめんなさい。照れてしまったんです。あの時は、自分の気持ちに整理がつかなくて、さっきソフィアが言ってたようにソフィアを母として見てたけど違和感を覚え始めてた時期で、それでソフィアを異性として意識し出してて・・・。でも、僕っ、あの言葉で立派になろうと決めたんだよ・・・」
「へっ、へぇ~~~、そうなんだ~」
ん?意外と許してくれそうな感じだ。
「でも・・・君には相応しくないよ。ルーク。君は15歳、私はもう25歳。人生を折り返す女だ。それに一端の剣士。貴族でも王族でもない私は、王族の求婚に応じることはできない」
「なんでですか!?王族の中には平民の妻だっているじゃ・・・」
「あぁ、側室という形でいるな・・・。だが、すまん。私は・・・その・・・ルークが他の女と一緒になって仲良くしているところを見て、平気ではいられないんだ」
必死に言う師匠はかわいい。
「なんだ、そんなことですか。僕だってソフィア以外の人と愛を結ぶ気なんて全くありませんよ」
「それは、国王は許さないだろう」
「僕は全てを投げだしても、ソフィアといたいんです。今も昔も。そして、未来も」
僕は満面の笑顔でソフィアを見る。
だって、嬉しいのだ。
僕のことなんて、全く眼中にないと思っていたソフィアが僕のことを愛して・・・。
「君は純愛だな、ルーク。しかし、私はそうではない。自分がかわいくて、仕方なかった。誰かに愛されたい、そう願って、でも、ルーク・・・君に求めることはなく、他の男たちに媚びを売って・・・」
「でも、それは父上に言われたからで・・・」
「それでも、事実は変わらない。私は君を待つことなく早く結果を求めた女だ。女としての幸せを願ってしまった。君が勇気を出していってくれたセリフも私は無下にしてしまい、結局ラッセルの元に身を置くことにしている」
「師匠は悪くありません。僕がはっきりと言っていれば・・・」
「いいや、私が悪い。例えルークに言われても同じ行動を取っていたかもしれない。私は卑しい女だ。君にばかり理想を押し付け、自分は浅ましく生きる卑怯者だ」
師匠は再び目を赤らめ泣きだしている。
「ねぇ、ソフィア」
「・・・何だ?」
「僕は自分の気持ちを伝えた。でも、まだ聞いていなかった。ソフィアは僕のこと・・・その・・・好き?」
ダンゼンは話を脚色するような男じゃない。
でも、こういうことは本人に聞かなければならないし、師匠の声で聴きたい。
昔と違った意味の言葉を。
「あぁ、大好きだ。私、ソフィアはルーク・ド・ソルドレイドが大好きだ」
きっぱり言ってくれる師匠。
そこまできっぱり言われるとすごく嬉しい。
「いいじゃんか、ソフィア」
「何がだ?」
「ソフィアは僕の恥ずかしいところ全部知ってるじゃん。おねしょをしたことも、その・・・パンツを・・・汚したことも。それに・・・僕が王族としての責任を逃げたことも」
「それは、子どもなら仕方ない」
「嫌だよ、僕は」
「なぜだ」
「だって、子どもじゃソフィアを幸せにできないもん」
師匠は僕を見て一瞬止まる。
「子どもは人を幸せにできるさ」
「でも、それは癒しとかそういう話でしょ?ソフィア。僕は、貴女のパートナーになりたいんだ。今も昔も、そして未来も」
僕はどんどん熱くなる気持ちを少し覚ますように小さく息を吐く。
「ねぇさっきの大好きって・・・家族の意味?」
僕が訪ねると師匠が抱きしめてくれる。
「察しろ・・・バカルーク」
師匠は僕の胸に飛び込んできてくれたが、顔を隠してしまった。
僕は師匠を抱きしめる。
「じゃあ、三つ約束しろ・・・ルーク」
顔を上げずに師匠が声を出す。
「はい、なんでしょうか」
僕は嬉しい気持ちを抑えながら、師匠の言葉に答える。
「一つ、浮気はするな」
「はい」
「二つ、ああいうキスをするときは、時と場所を考えろ」
「ふふっ」
「返事はどうした・・・」
「時と場所を考えればしてもいいんだよね」
「・・・あぁ」
「じゃあ、はい」
ソフィアは二つの質問をすると顔を上げる。また、目を赤くしていた。
「三つ・・・私のことは、私が言うまで師匠と呼べ」
「えーーーーーーっ」
僕は静かに困ったようにリアクションした。
「返事は!!」
「それは、夫婦としてどうなんですか?」
「なんか、ルークが偉そうなのがむかつくんだもん」
「大人になれって言ったソフィ・・・師匠が子どもっぽいこと言わないでくださいよ?じゃあ、ソフィアさん・・・はダメですか?」
「嫌なら・・・出ていく」
「いや、ここ外ですけど」
「いいから、どっち!?イエス、それともノー?」
「イエスです・・・師匠」
「うん!」
嬉しそうにしている師匠だが、まぁ・・・仕方ない。
師匠は呼び方でマウントを取りたがっているようだけれど、僕は師匠の笑顔にも泣き顔にも一生勝てる気がしない。まぁ、そんなことを師匠に教えたら、利用されそうだから言わないけど。
「じゃあ、今日は宴だ!!!飲むぞ!!!」
嬉しそうにする師匠。
僕も嬉しい。
でも・・・、今度は僕からも、しなくてはならないお願いをしょうか・・・。
「ルッ、ルーク!?」
振り返った師匠は目を真っ赤にしている。
こんな師匠を初めて見た。
守りたい―――
もうこんな顔にさせたくはない。
「ちょっ、と。ルークっ!?」
僕は師匠を抱きしめた。
この女性を傷つける者は誰であっても許さない。
たとえ、僕自身であっても、だ。
「ソフィア、ソフィア、ソフィアッ!!!」
「ちょっと、本当にどうしたのよ・・・っ。それに、あれほど師匠と呼べと言ったでしょ・・・っ」
否定する師匠の言葉は弱々しいしい。
「ふっ。ふふふっ」
「何がおかしいですか、師匠」
急に笑い出した師匠に僕も肩透かしに合った気がして、子どもっぽく不機嫌に聞いてしまう。
「あっ」
師匠は僕の頭を撫でてくる。
昔のように優しく愛情を持って。
「覚えていない?ルーク。あなたが、初めて私の元に来た時もそうやって、私を呼び捨てで抱きついて来たのよ?」
言われれば、そうだったかもしれない。
王家のことも王宮で起こる全てのことが嫌で、師匠に出会い、逃げ場を探していた僕はこの人なら僕を助けてくれる、この人なら受け止めてくれると助けを求めた。
「ふふっ。昔は私が抱きしめてあげていたのに・・・今度は貴方に抱きしめられるなんてね・・・ふふっ、大きくなったわね。ルーク。でも、どうしたのかしら?あっ、わかったわ。ネタリア様だったかしら?やっぱり結婚が怖くなっちゃった?」
さっきダンゼンに話は全て聞かせて貰っているんだ。
赤い目をして、「うんうん、わかるぞ」みたいな風に大人ぶってもごまかされないぞ、と反論して指摘しようとしたけれど、僕は成長したんだ。
そんな無粋なことは言わない。
「あっ」
僕は師匠から離れると、師匠は少し寂しそうな顔をした。
僕は片膝をついて、師匠を見上げる。
「ルーク・ド・ソルドレイドは、ソフィアに求婚をさせていただきます」
「えっ・・・」
「ソフィア、貴女は僕の全てだ。そして、貴女の全てに僕はなりたい」
「もう、私は・・・フレーンリヒ公爵の・・・」
「さっき、ダンゼンに聞いてしまいました・・・それに、私は例えソフィアが誰かの者だったとしても僕はソフィアを奪いに行くでしょう」
「私の意見は聞かないのかな?」
「えぇ、聞きません」
僕がきっぱり言うと、少しむすっとする師匠。
「私は・・・そんな大人に育てた覚えはないぞ、ルーク」
「えぇ、だって、この想いは私が育てた想いです。私は―――誰よりもソフィアを愛しています」
師匠はびっくりした顔をして、赤面している。
師匠が目線を泳がせながら、僕をチラ見してくるけれど、僕は誠意が伝わるように目線を逸らさずに師匠を見上げた。
「まいったな・・・、ひな鳥かっ!。それとも・・・マザコンかっ!!。なーんてな、はははっ。たぶん、ルークは勘違いしているぞぉ?それは・・・そうだっ、家族愛って・・・んっ」
僕は師匠の唇を奪う。
最初は拒もうとした師匠も受け止めてくれる。
こういった強引なやり方は嫌いだ。
でも、昔師匠だって、キス魔ってくらいキスしてきたんだから、いいよね?
僕は大人のキスを師匠にする。
キスを重ねると、どんどん自分の気持ちが昂るのと共に、師匠の気持ちが高ぶっているのを感じる。このまま二人で・・・と、思った時、師匠が我に返ったように僕の胸を押す。
「こればっかりは、ソフィアに命令されたって変えることはできませんし、ソフィアが自分を愛するように命令されたから生まれた感情でもありません。最初はソフィアが言うように・・・家族愛だったかも知れません。けれど、僕はソフィアを見ていると、抱きしめたくなるし、昔は照れたけどキスだってたくさんしたい。それに・・・ソフィアに欲情・・・するときだって!!・・・ありました・・・」
僕は恥ずかしくて目を逸らしたいが、師匠から目を離さない。
「こっ・・・この馬鹿弟子!!不純弟子!!」
「えぇ、そんな風にさせてしまった師匠が責任を取ってください!!」
「さっきそれは自分の育てた想いだのほざいておったではないか!!」
「師匠が、魅力的過ぎるから行けないんです!!」
師匠は悔しそうに何を言おうか考えている。
(さぁ、どうしました?師匠。僕の貴女を愛する気持ちは何にだって負けませんよ)
僕はもう揺るがない。
だって、僕は師匠が好きで師匠の気持ちもダンゼンから聞いているのだから。
「・・・責任は取ったさ・・・。君が成人するまでに一人前にすると・・・」
「ソフィアは言ったよね?昔、立派な大人になったら結婚してやるって?僕立派になったよ?」
師匠は忘れているかもしれないけれど、僕の大事な思い出をドキドキしながら話す。
「そっ・・・その時、ぜってーやだ、って言ったじゃん、あー、思い出した。そうよ・・・私はババア・・・ですもん」
(覚えててくれたんだ・・・)
僕は嬉しくなるが、師匠が自分で言って辛そうな顔をしているので僕まで悲しくなる。
このディベートに勝つ気満々だったけど、師匠を傷つけてしまった過去は本当に申し訳ない。
「それは・・・ごめんなさい。照れてしまったんです。あの時は、自分の気持ちに整理がつかなくて、さっきソフィアが言ってたようにソフィアを母として見てたけど違和感を覚え始めてた時期で、それでソフィアを異性として意識し出してて・・・。でも、僕っ、あの言葉で立派になろうと決めたんだよ・・・」
「へっ、へぇ~~~、そうなんだ~」
ん?意外と許してくれそうな感じだ。
「でも・・・君には相応しくないよ。ルーク。君は15歳、私はもう25歳。人生を折り返す女だ。それに一端の剣士。貴族でも王族でもない私は、王族の求婚に応じることはできない」
「なんでですか!?王族の中には平民の妻だっているじゃ・・・」
「あぁ、側室という形でいるな・・・。だが、すまん。私は・・・その・・・ルークが他の女と一緒になって仲良くしているところを見て、平気ではいられないんだ」
必死に言う師匠はかわいい。
「なんだ、そんなことですか。僕だってソフィア以外の人と愛を結ぶ気なんて全くありませんよ」
「それは、国王は許さないだろう」
「僕は全てを投げだしても、ソフィアといたいんです。今も昔も。そして、未来も」
僕は満面の笑顔でソフィアを見る。
だって、嬉しいのだ。
僕のことなんて、全く眼中にないと思っていたソフィアが僕のことを愛して・・・。
「君は純愛だな、ルーク。しかし、私はそうではない。自分がかわいくて、仕方なかった。誰かに愛されたい、そう願って、でも、ルーク・・・君に求めることはなく、他の男たちに媚びを売って・・・」
「でも、それは父上に言われたからで・・・」
「それでも、事実は変わらない。私は君を待つことなく早く結果を求めた女だ。女としての幸せを願ってしまった。君が勇気を出していってくれたセリフも私は無下にしてしまい、結局ラッセルの元に身を置くことにしている」
「師匠は悪くありません。僕がはっきりと言っていれば・・・」
「いいや、私が悪い。例えルークに言われても同じ行動を取っていたかもしれない。私は卑しい女だ。君にばかり理想を押し付け、自分は浅ましく生きる卑怯者だ」
師匠は再び目を赤らめ泣きだしている。
「ねぇ、ソフィア」
「・・・何だ?」
「僕は自分の気持ちを伝えた。でも、まだ聞いていなかった。ソフィアは僕のこと・・・その・・・好き?」
ダンゼンは話を脚色するような男じゃない。
でも、こういうことは本人に聞かなければならないし、師匠の声で聴きたい。
昔と違った意味の言葉を。
「あぁ、大好きだ。私、ソフィアはルーク・ド・ソルドレイドが大好きだ」
きっぱり言ってくれる師匠。
そこまできっぱり言われるとすごく嬉しい。
「いいじゃんか、ソフィア」
「何がだ?」
「ソフィアは僕の恥ずかしいところ全部知ってるじゃん。おねしょをしたことも、その・・・パンツを・・・汚したことも。それに・・・僕が王族としての責任を逃げたことも」
「それは、子どもなら仕方ない」
「嫌だよ、僕は」
「なぜだ」
「だって、子どもじゃソフィアを幸せにできないもん」
師匠は僕を見て一瞬止まる。
「子どもは人を幸せにできるさ」
「でも、それは癒しとかそういう話でしょ?ソフィア。僕は、貴女のパートナーになりたいんだ。今も昔も、そして未来も」
僕はどんどん熱くなる気持ちを少し覚ますように小さく息を吐く。
「ねぇさっきの大好きって・・・家族の意味?」
僕が訪ねると師匠が抱きしめてくれる。
「察しろ・・・バカルーク」
師匠は僕の胸に飛び込んできてくれたが、顔を隠してしまった。
僕は師匠を抱きしめる。
「じゃあ、三つ約束しろ・・・ルーク」
顔を上げずに師匠が声を出す。
「はい、なんでしょうか」
僕は嬉しい気持ちを抑えながら、師匠の言葉に答える。
「一つ、浮気はするな」
「はい」
「二つ、ああいうキスをするときは、時と場所を考えろ」
「ふふっ」
「返事はどうした・・・」
「時と場所を考えればしてもいいんだよね」
「・・・あぁ」
「じゃあ、はい」
ソフィアは二つの質問をすると顔を上げる。また、目を赤くしていた。
「三つ・・・私のことは、私が言うまで師匠と呼べ」
「えーーーーーーっ」
僕は静かに困ったようにリアクションした。
「返事は!!」
「それは、夫婦としてどうなんですか?」
「なんか、ルークが偉そうなのがむかつくんだもん」
「大人になれって言ったソフィ・・・師匠が子どもっぽいこと言わないでくださいよ?じゃあ、ソフィアさん・・・はダメですか?」
「嫌なら・・・出ていく」
「いや、ここ外ですけど」
「いいから、どっち!?イエス、それともノー?」
「イエスです・・・師匠」
「うん!」
嬉しそうにしている師匠だが、まぁ・・・仕方ない。
師匠は呼び方でマウントを取りたがっているようだけれど、僕は師匠の笑顔にも泣き顔にも一生勝てる気がしない。まぁ、そんなことを師匠に教えたら、利用されそうだから言わないけど。
「じゃあ、今日は宴だ!!!飲むぞ!!!」
嬉しそうにする師匠。
僕も嬉しい。
でも・・・、今度は僕からも、しなくてはならないお願いをしょうか・・・。
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