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(うーん、やっぱり緊張するなぁ)
広い食堂で私とキリル様の二人きり。
それも、隣り合って座っているのだ。
テーブルには先ほど作ったパンとスープを置かせていただいた。
私はメイドなのでキリル様の後で食べようと思ったのだけれど、キリル様がそれを拒び、従者として何度も否定するのは逆に失礼にあたるので、私が折れた次第だ。
「じゃあ、あーーーん」
そう言って、キリル様が私の口にスープの入ったスプーンを運ぼうとする。
「キリル様?」
「あぁ、毒が入っていないかなって」
「そんなっ。私はそんなことはしません」
「ほら、キミはボクに巻き込まれたから恨んでいるかもと思って」
「ですから、私は昨日も申し上げた通り、気にしておりません」
「怒っている?」
「怒っておりません」
「えっ、怒っているでしょ?」
「キリル様、アーノルド様に似てきたのではありませんか?」
「おー、なかなかトゲのある言い方だね」
私は目を閉じて、心を落ち着ける。
今の態度はメイドとしては反省しなければならない。
なぜなら、主の安心・安全を守るのも従者の努めであり、主が少しでも心配であるならば、それを取り除いて差し上げるべきなのである。
「分かりました、ではスプーンをお貸しくださいませ」
「えー、やだよ。もしかしたら、そのままボクの口にそのスプーンを運ぶかもしれないじゃないか?」
今日のキリル様はかなり上機嫌なご様子で、いつもとは違うようだ。
「分かりました・・・・・・」
私は恥ずかったので、大きな口を開ける顔は見せるのはもっと嫌だと思ったので、スプーンに合ったサイズの口を開ける。
「あむっ」
(美味しいけれど・・・・・・少し濃いわね)
お屋敷の探け・・・・・・状況確認に時間がかかったために少し煮詰め過ぎてしまったようだ。
「はいっ、あーーーんっ」
「二口はいらないんじゃ・・・・・・あむっ」
一度了承してしまったことを拒むほど私の意志は固くなかった。
私は再び、口の中に入れられたスープを味わう。
「うん、美味しそうだね。じゃあボクも・・・・・・」
「あっ、こちらをお使いください」
私はまだ使っていない私のスプーンを差し出す。
「そっちのスプーンに・・・」
「毒は塗っておりません」
「はははっ、冗談だよ、冗談」
私が渡したスプーンでキリル様は「うん、本当に美味しいな」と言いながら、スープの器が綺麗になるまで食べてくださった。そして、スプーンをテーブルに置き、ナプキンで口を拭き終わったキリル様は、私の顔を見て、
「キミに頼みたいことがあるんだ」
と試すような顔をして微笑みました。
広い食堂で私とキリル様の二人きり。
それも、隣り合って座っているのだ。
テーブルには先ほど作ったパンとスープを置かせていただいた。
私はメイドなのでキリル様の後で食べようと思ったのだけれど、キリル様がそれを拒び、従者として何度も否定するのは逆に失礼にあたるので、私が折れた次第だ。
「じゃあ、あーーーん」
そう言って、キリル様が私の口にスープの入ったスプーンを運ぼうとする。
「キリル様?」
「あぁ、毒が入っていないかなって」
「そんなっ。私はそんなことはしません」
「ほら、キミはボクに巻き込まれたから恨んでいるかもと思って」
「ですから、私は昨日も申し上げた通り、気にしておりません」
「怒っている?」
「怒っておりません」
「えっ、怒っているでしょ?」
「キリル様、アーノルド様に似てきたのではありませんか?」
「おー、なかなかトゲのある言い方だね」
私は目を閉じて、心を落ち着ける。
今の態度はメイドとしては反省しなければならない。
なぜなら、主の安心・安全を守るのも従者の努めであり、主が少しでも心配であるならば、それを取り除いて差し上げるべきなのである。
「分かりました、ではスプーンをお貸しくださいませ」
「えー、やだよ。もしかしたら、そのままボクの口にそのスプーンを運ぶかもしれないじゃないか?」
今日のキリル様はかなり上機嫌なご様子で、いつもとは違うようだ。
「分かりました・・・・・・」
私は恥ずかったので、大きな口を開ける顔は見せるのはもっと嫌だと思ったので、スプーンに合ったサイズの口を開ける。
「あむっ」
(美味しいけれど・・・・・・少し濃いわね)
お屋敷の探け・・・・・・状況確認に時間がかかったために少し煮詰め過ぎてしまったようだ。
「はいっ、あーーーんっ」
「二口はいらないんじゃ・・・・・・あむっ」
一度了承してしまったことを拒むほど私の意志は固くなかった。
私は再び、口の中に入れられたスープを味わう。
「うん、美味しそうだね。じゃあボクも・・・・・・」
「あっ、こちらをお使いください」
私はまだ使っていない私のスプーンを差し出す。
「そっちのスプーンに・・・」
「毒は塗っておりません」
「はははっ、冗談だよ、冗談」
私が渡したスプーンでキリル様は「うん、本当に美味しいな」と言いながら、スープの器が綺麗になるまで食べてくださった。そして、スプーンをテーブルに置き、ナプキンで口を拭き終わったキリル様は、私の顔を見て、
「キミに頼みたいことがあるんだ」
と試すような顔をして微笑みました。
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