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「ちっ、期待させてんじゃねーよ」
バイデルが転がりながら悔しがる。
「エドワード王子」
そんなバイデルをガイアスさんは無視して、エディに話しかける。
「なんでしょうか、師匠」
エディもバイデルを無視してガイアスに返事をする。
「もう師匠じゃない。ただの騎・・・剣士です。民衆の前に立つ際は私が一緒に立ちましょう。そうすれば、軍へのけん制になるでしょう」
「頼めるか」
「はいっ、このガイアス。王国騎士として最後の職務を全うしましょう」
そう言って、ガイアスさんは跪くが、すぐにエディがガイアスさんの肩を叩き、手を貸してガイアスさんを立ち上がらせて、今後の話を進め始めた。
(うん、良かった)
覚悟を持ってエディの話に乗ったつもりだけれど、民衆に人気があるガイアスさんということで気を抜いていてしまった。でも、ガイアスさんはガイアスさんで良かった。
「それより、おめでとうございます」
ガイアスがにこやかに急にエディに握手を求める。それをエディは不思議がる。すると、ガイアスは当たりを見渡して、私と目が合った。
「彼女と未来を創っていくんですよね? うん、芯がしっかりしたいいお嬢さんに見えますね。先ほどは驚かせてしまい本当に申し訳ございませんでした。あぁ、名乗っていなかったですね、私の名前はガイアスです」
私に近づいて来たガイアスさんは近くで見ると思った以上に大きかった。そのガイアスさんが大きな手を差し出してきたので、私は流されるまま私はその手を両手で握ると、とても逞しく荒れていた。きっと、剣を振っては豆を潰し、豆が潰れた状態でさらに潰して手の皮が固くなっていったのだろう。
「えっ? えっ? えっ?」
私は困惑して、エディを見ると、エディは目を背け頬が少し赤くなっていた。私はそこでイモムシのようになっている男のせいで、当分恋はいらないと思っていたのに、心臓が高鳴り、顔が暑くなるのを感じた。転がっていたバイデルは私とエディを交互に見て、
「なっ、そっその女は俺の婚約者だ。エドワード王子、その女をやるから罪を見逃してくれ」
呆れてしまった。
私との婚約を破棄して、妹のクリスティーヌと婚約をするつもりだったくせに、都合のいいことを言っている。バイデルの身辺捜査のために3日間婚約破棄を待ってくれ、と伝えたけれど、今この場で・・・
「バイデ・・・」
私が婚約破棄の了承を言おうとすると、私より先にエディが動いた。
「キミに彼女の人生を選択する権利は全くない」
「くっ、王子ともあろう方が、人妻を取るのかぁ!? あああっ、そうやって善良な国民の財産を奪っていく。俺たちの努力は王家に奪われるんだぁ」
今まであくどいやり方で様々な人の大切なものを奪ってきたくせに、なんて醜い言葉を使うのだろう。
「私は、あなたの妻になどなっていません。婚約は破棄させてもらいます」
バイデルが転がりながら悔しがる。
「エドワード王子」
そんなバイデルをガイアスさんは無視して、エディに話しかける。
「なんでしょうか、師匠」
エディもバイデルを無視してガイアスに返事をする。
「もう師匠じゃない。ただの騎・・・剣士です。民衆の前に立つ際は私が一緒に立ちましょう。そうすれば、軍へのけん制になるでしょう」
「頼めるか」
「はいっ、このガイアス。王国騎士として最後の職務を全うしましょう」
そう言って、ガイアスさんは跪くが、すぐにエディがガイアスさんの肩を叩き、手を貸してガイアスさんを立ち上がらせて、今後の話を進め始めた。
(うん、良かった)
覚悟を持ってエディの話に乗ったつもりだけれど、民衆に人気があるガイアスさんということで気を抜いていてしまった。でも、ガイアスさんはガイアスさんで良かった。
「それより、おめでとうございます」
ガイアスがにこやかに急にエディに握手を求める。それをエディは不思議がる。すると、ガイアスは当たりを見渡して、私と目が合った。
「彼女と未来を創っていくんですよね? うん、芯がしっかりしたいいお嬢さんに見えますね。先ほどは驚かせてしまい本当に申し訳ございませんでした。あぁ、名乗っていなかったですね、私の名前はガイアスです」
私に近づいて来たガイアスさんは近くで見ると思った以上に大きかった。そのガイアスさんが大きな手を差し出してきたので、私は流されるまま私はその手を両手で握ると、とても逞しく荒れていた。きっと、剣を振っては豆を潰し、豆が潰れた状態でさらに潰して手の皮が固くなっていったのだろう。
「えっ? えっ? えっ?」
私は困惑して、エディを見ると、エディは目を背け頬が少し赤くなっていた。私はそこでイモムシのようになっている男のせいで、当分恋はいらないと思っていたのに、心臓が高鳴り、顔が暑くなるのを感じた。転がっていたバイデルは私とエディを交互に見て、
「なっ、そっその女は俺の婚約者だ。エドワード王子、その女をやるから罪を見逃してくれ」
呆れてしまった。
私との婚約を破棄して、妹のクリスティーヌと婚約をするつもりだったくせに、都合のいいことを言っている。バイデルの身辺捜査のために3日間婚約破棄を待ってくれ、と伝えたけれど、今この場で・・・
「バイデ・・・」
私が婚約破棄の了承を言おうとすると、私より先にエディが動いた。
「キミに彼女の人生を選択する権利は全くない」
「くっ、王子ともあろう方が、人妻を取るのかぁ!? あああっ、そうやって善良な国民の財産を奪っていく。俺たちの努力は王家に奪われるんだぁ」
今まであくどいやり方で様々な人の大切なものを奪ってきたくせに、なんて醜い言葉を使うのだろう。
「私は、あなたの妻になどなっていません。婚約は破棄させてもらいます」
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