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私たちは書庫の門へと再び辿り着いた。私は、婚約者という立場を利用して、手に入れたカギを取り出すと、エディが見入るようにカギを見る。間違いないと思うけれど、あの勅書が偽造であれば私は正義のない婚約者を陥れた悪女ということになるだろう。
(いいえ、どちらにしても婚約者を裏切ることには変わらないか・・・)
婚約関係の延長を申し出たのは、彼を裏切るため。あぁ、言葉にすれば、なんとひどいことだろう。
「大丈夫だから・・・」
エディが私を促す。
私は手を震わせながら、カギをカギ穴に差し込み、ゆっくりと回す。
カチッ
カギが開く音が聞こえて、エディがドアノブをゆっくり回して、押すと扉が動き出す。床を見ると、ホコリが綺麗に扉があった場所を境に残っている。もし、この場所がバイデルにとってウィークポイントであれば、猜疑心の強いバイデルは気づくに違いない。
(後戻りは・・・・・・もうできない)
私たちは慎重に扉を開けて、ろうそくで中を照らすと、棚にはたくさんの書類があった。
「手分けをして探そう。キミは奥を僕は手前を探そう」
エディに言われて、私は頷く。
ろうそく台を置いて、私は目についた書類を手に取ってページをめくっていく。
「これは・・・・・・」
目を背けたくなるような事実が並んでいた。良心がある人間の所業ではないと思った。ページの初めは動物的残虐さであり、かなり古い記録であり、計画が荒く運よく成功したに過ぎないような稚拙なものだったけれど、ページをめくっていくと、組織だった計画になっており、この書類がなければ、決して表にでないようなものだった。私が平穏に暮らしていた生活の裏でこんなことが行われていたと思うと、なんて自分は能天気だったのだろうと言う気持ちと、こういった事件に関わらずにここまで生きられたことに感謝する気持ちが生まれた。そして、感謝と同時に、感謝している自分が浅ましく思い、戒めたいけれど、あまりの惨さにこの事件に起きたのが自分だったらなんて関連付けて考えるもの防衛本能が勝手に拒んだ。ただ、怖いもの見たさというものなのか、理性のタガが外れたのか、感情が目を動かし、どんどん文章を読んでいく。
「えっ・・・・・・・・・?」
そこには、決して書いてあってはならない名があった。
「よしっ、これだけあれば・・・大丈夫だっ。行こうっ、マリー」
理性のタガが外れてしまったせいなのか、全然頭が回らない。
(考えろっ、考えろっ、考えろっ、考えろっ!!!)
私はゆっくりとエディを見る。
爽やかな青年。けれど、彼はお宝を見つけたかのように瞳孔が開いており、興奮状態だ。
「ねぇ、エディ・・・?」
私は後ずさりをすると、エディの眉間にしわが寄る。
「どうしたんだい? マリー」
エディは私に気を遣って優しく尋ねようとしているけれど、興奮しているがゆえなのか、瞳の奥から彼の不安がちらついて見えた。
「アナタは・・・いったい・・・・・・誰なの?」
(いいえ、どちらにしても婚約者を裏切ることには変わらないか・・・)
婚約関係の延長を申し出たのは、彼を裏切るため。あぁ、言葉にすれば、なんとひどいことだろう。
「大丈夫だから・・・」
エディが私を促す。
私は手を震わせながら、カギをカギ穴に差し込み、ゆっくりと回す。
カチッ
カギが開く音が聞こえて、エディがドアノブをゆっくり回して、押すと扉が動き出す。床を見ると、ホコリが綺麗に扉があった場所を境に残っている。もし、この場所がバイデルにとってウィークポイントであれば、猜疑心の強いバイデルは気づくに違いない。
(後戻りは・・・・・・もうできない)
私たちは慎重に扉を開けて、ろうそくで中を照らすと、棚にはたくさんの書類があった。
「手分けをして探そう。キミは奥を僕は手前を探そう」
エディに言われて、私は頷く。
ろうそく台を置いて、私は目についた書類を手に取ってページをめくっていく。
「これは・・・・・・」
目を背けたくなるような事実が並んでいた。良心がある人間の所業ではないと思った。ページの初めは動物的残虐さであり、かなり古い記録であり、計画が荒く運よく成功したに過ぎないような稚拙なものだったけれど、ページをめくっていくと、組織だった計画になっており、この書類がなければ、決して表にでないようなものだった。私が平穏に暮らしていた生活の裏でこんなことが行われていたと思うと、なんて自分は能天気だったのだろうと言う気持ちと、こういった事件に関わらずにここまで生きられたことに感謝する気持ちが生まれた。そして、感謝と同時に、感謝している自分が浅ましく思い、戒めたいけれど、あまりの惨さにこの事件に起きたのが自分だったらなんて関連付けて考えるもの防衛本能が勝手に拒んだ。ただ、怖いもの見たさというものなのか、理性のタガが外れたのか、感情が目を動かし、どんどん文章を読んでいく。
「えっ・・・・・・・・・?」
そこには、決して書いてあってはならない名があった。
「よしっ、これだけあれば・・・大丈夫だっ。行こうっ、マリー」
理性のタガが外れてしまったせいなのか、全然頭が回らない。
(考えろっ、考えろっ、考えろっ、考えろっ!!!)
私はゆっくりとエディを見る。
爽やかな青年。けれど、彼はお宝を見つけたかのように瞳孔が開いており、興奮状態だ。
「ねぇ、エディ・・・?」
私は後ずさりをすると、エディの眉間にしわが寄る。
「どうしたんだい? マリー」
エディは私に気を遣って優しく尋ねようとしているけれど、興奮しているがゆえなのか、瞳の奥から彼の不安がちらついて見えた。
「アナタは・・・いったい・・・・・・誰なの?」
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