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竜司と子猫の長い一日
竜司は子猫の世話を焼く
しおりを挟む意識をなくすように眠りに落ちた子猫の体から、未だ満足しない己の肉棒を引き抜いた。
僅かに鼻にかかる声を漏らしたが、子猫のまぶたは上がらない。
一体何時間入れっぱなしになっていたのか。子猫の慎ましく閉じていた蕾は、すっかり口を開きどろりとした白濁を垂れ流している。
「我ながら……」
言葉も出ない。
噛み跡はないが、子猫の体には病気かと思うほど赤いうっ血痕が散っている。全身に散ったその痕は、内股に集中しているようにも見えた。
薄いピンク色を呈していた乳首は、まだ硬く勃ち、赤く熟れている。食べたら美味そうだ……と無意識にそこに吸い付き、子猫からくぐもった声が聞こえてきて我に返った。
……ふう。危なかった。
あっさりと睡姦に持っていきそうな自身の性欲に呆れるしかない。
じっくりと子猫の体を観察している間にも、子猫の尻の下には白濁の水たまりができていく。
「のぞみ…」
耳元で呼んでも目は開かない。眠りは深そうだ。
目元に涙で濡れた跡があった。指で拭うとまだ乾ききっていないのか、僅かに濡れる。
薄く開く唇が俺を誘っているかのようで、やはり無意識に口付けていた。少し乾いた唇を舐め、返してこない舌を追いかけ己の舌を忍び込ませる。口内は熱い。深い眠りでも唾液を飲み込む様子がまた健気で可愛らしい。
口付けながら開いたままの蕾に指を這わせた。指でそこを更に押し広げると、流れ落ちる白濁の量が増えた。
口付けをやめ、濡れて熱いアナルの中に指を挿れながら、うなだれたペニスに舌を這わせたとき、「くしゅん」と小さく可愛らしいくしゃみが聞こえてきた。
「ああ…悪い。寒かったな」
肌掛けを手繰り寄せ、子猫の裸体にかけた。
いつまでも子猫の寝顔を見ているわけにも行かず、必要な準備をしてしまう。
湯船に浸かるのは目が覚めてからだ。
浴室のシャワーを流しっぱなしにしてから、脱衣所の棚からバスタオルを取り出しリビングのソファに敷いておく。
冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを取り出し、一気に半分ほど飲んでからもう一本取り出し寝室へむかったのだが、ベッドに座り込む人影を見て足を早めていた。
「のぞみ?」
ベッドの上にペタリと座り込んだ子猫。
「…………りゅじ、さん」
「どうした」
「……りゅう、じ、さん……?」
「ああ。目が覚めたのか?」
子猫の目は虚ろだった。
俺を見てるようで見ていない。
「喉が渇かないか?水を持ってきた。飲ませてやるから」
「りゅうじさん」
肩を抱いて素肌を触れ合わせる。
そうすると、こわばっていた体から力が抜け、子猫の口元に笑みが浮かんだ。
「りゅうじ、さん」
安心したようにもう一度俺を呼んで――――子猫はそのまま、また眠りに落ちた。
「のぞみ?」
すり…と、俺の胸元に頬を寄せてくる。目尻には少し雫が溜まっていた。
もしかして、俺が傍を離れたから寂しくなったんだろうか。夢現の中でも俺を探し求めていてくれるんだろうか。
それを酷く嬉しく思う反面、子猫が人のぬくもりに飢えている事実に胸の痛みを覚えた。
「どこにも行かない。俺はもうのぞみだけのものだ」
聞こえているのか、夢の中にでも出てきたのか。子猫の口元に笑みが浮かび、穏やかな寝顔を見せてくれた。
口移しで水を飲ませ、肌掛けで子猫を巻いてから抱き上げる。
脱衣所で肌掛けは落とし、子猫を抱いたまま浴室に入った。
出しっぱなしのシャワーのお陰で、浴室内は簡易的なサウナのようになっている。これなら寒くはないだろう。
とにかく丁寧に子猫の体を洗う。アナルの奥の残滓も掻き出さなければ、子猫が体調を崩してしまうだろう。
普段の自分からは考えられないほど丁寧に、丁寧に。
最後には体が冷えないように入念にお湯をかけ。
華奢な体も頬も僅かに赤く色づいた頃に、浴室を出た。
バスタオルを用意しておいたソファに子猫を寝かせ、髪も体も拭き上げた。
最後に額にキスを落としながら「ベッドの片付けをしてくるよ」と囁く。子猫からの返答はないが、むぐむぐと動かしそのうち笑みの形を取った口元に、俺にも笑みが浮かぶ。
寝室に戻りさっさと防水加工のシーツを剥がし、未使用の新しいシーツを敷いた。おかしな匂いもついていない。これなら子猫も安心できるはずだ。
シーツを持ち脱衣所に向かう。その途中、ソファで眠る子猫にキスを落とすことを忘れない。
脱衣所をその辺のタオルで軽く清掃し、シーツとともに洗濯機に放り込もうとしたところで、先に子猫の服を洗うことにした。これで翌朝には乾いているだろう。リネンは後回しだ。
翌朝に風呂に入れるよう、タイマーもセットした。抜かりはない。
所々のことをこなしてからリビングに戻り、深く眠ったままの子猫を改めて抱き上げた。
新しいシーツが冷たいのか、ベッドに下ろすと子猫の眉間に僅かなシワが寄った。
クローゼットから寝巻きを取り出し、上だけを子猫に着せてみる。
当然、俺のサイズだから大きすぎる。
袖も長く、萌え袖というよりも完全に指先まで隠れてしまっている。
丈は絶妙で、膝上十五センチというところか。白い太腿にガーターリングをつけるのもいいかもしれない。きっと似合う。……それとも、女の子のようだと怒るだろうか。
子猫に似合う下着と一緒にプレゼントしたら、子猫は怒りながらつけてくれるかもしれない。よし。それでいこう。
子猫に上を着せて、自分は下を穿く。寒くないようにと子猫をくるんだ肌掛けとは別のものを掛け、俺は子猫の傍らに座った。
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