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竜司と子猫の長い一日

竜司は子猫に囁く

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 子猫のペニスは勃起していても俺の手に収まりが良い。手触りも心地良いしいじめたくなる初心さだ。
 恋人がいたにも関わらず、子猫の体は綺麗だ。キスマークも噛み跡もない。
 痕を残されるのが嫌なんだろうか。
 子猫のうなじや耳の後ろに薄っすらと赤い痕を残してしまったが、子猫は怒るだろうか。……いや、だが、どうせ怒られるなら全身に痕を残そうか。服から見えないところならそれほど文句も言わないだろう。

 射精したばかりで敏感になってるだろう子猫のペニスを刺激し続けた。
 鳴き声混じりで「やめて」と懇願されるが、その言葉は聞けないな。子猫も本気でやめてほしいわけじゃないだろうし。

「あ、アっ、きちゃ、うっ、くる、くる……っ」

 プツリプツリと鈴口から溢れてくる雫を、やや柔らかくなった子猫のペニスに塗り込むように手を上下させた。
 その間もきゅっきゅっと、内腔は俺を締め続けている。
 薄い体で最奥まで俺を飲み込み、離してなるものかと蠢いている様が、健気で可愛らしくやはり愛おしいと感じる。
 俺の子猫。
 全力で、囲わなければ。
 内腔の締め付けが更に強まったのを感じ、上下に動かしていた手を止め、亀頭部分だけをいじってやる。潮を噴きやすいように、鈴口を押しつぶすように撫でたとき――――

「ぃぁああああ!!!」

 子猫は悲鳴じみた嬌声を上げながら達した。俺の手の中のペニスからは、数度に渡り色味も匂いもないおそらく潮が噴き出た。

「ひ、ひあっ、あ、あっ」

 同時に内腔も一際強く締め付けてくる。

「あー……あん……」

 ひっきりなしに漏れる子猫の嬌声を耳にしながら、最奥で熱が弾けた。
 子猫の背中と胸を重ねているだけでも、子猫の心臓がどれほど忙しなく動いているのか感じることができる。……まあ、おそらくそれは俺も同様だろう。
 最後の一滴まで絞り出すように手を動かし、その場にくずおれそうになった子猫を支え抱く。

「上手に噴けたな」
「りゅ……じさん」

 子猫は呼吸も荒い。
 けれど、俺はもっと子猫が欲しい。

「のぞみ、俺にしがみついて。落とさないから力抜いていていい」
「……な、に…?」
「ベッドに行こう」

 ベッドでなら、思う存分愛せる。
 キスをしながら乳首をひねり上げ、最奥を突きまくることもできる。
 どんなに濡れても漏らしても問題ない。いつでも使えるように準備してあるベッドだ。清潔に整えてあるから問題はないが、子猫が嫌がるようなら、ベッドも丸ごと買い替えなければ。
 ……ああ、拘束具を繋げられるベッドが良いな。玩具に遊ばれる子猫を見ながら仕事をしてもいい。
 子猫をどうやってここに住まわせようか。
 ……いや、もしかするとこの部屋自体を嫌うかもしれない。だとしたら、子猫の希望を最大限取り入れた別の部屋を探さないと。
 そこも、子猫と相談だな。

 子猫は体も柔らかかった。
 ほぼ無理やりな動きで、子猫の体を繋がっている場所を起点にぐるりと回す。……その刺激だけで内腔の締め付けが強くなり、危うく三発目を絞られるところだった。

「や……ゃ……、なんで…ぇ、いれた、まま、こんな……っ」

 俺にしがみつかせた子猫が鳴き声を出した。甘えた声にしか聞こえてこない。

「のぞみが言っただろ」
「な、に…?」
「抜かず三発、結腸攻め」

 そもそもの要望を口に出すと、子猫はキョトンとした目を俺に向けてきた。
 いや、可愛いな、その目。
 忘れてたらしいが。

「………あ」
「奥まで余裕で届くだろ?お前の希望通りのサイズだろうし、マッチングの条件クリアにはあと一発だ」
「………まっちんぐ」

 忘れるくらい俺とのセックスが気持ちよくて夢中になったってことだよな。うん。それでいい。

「……さいしょ、から、ベッドにいけば……」
「だから、『しまった』って言っただろ。挿れたくて仕方なかったんだよ。お前に約束破ったって詰られるのも嫌だしな」

 どんな約束だって守らないと。
 子猫にとって俺との関係なんて、ありきなんだから。
 子猫の信頼を勝ち取るためなら、なんだってするさ。

「……りゅうじ、さん、そんなに、ぼくと、したかった……?」

 はにかんだ笑顔。
 クソ可愛い。

「ああ、したいな。まだまだ抱きたい。乳首にも噛みつきながら延々と結腸で狂わせておきたい。ああ、心配するなよ。後始末はちゃんとしてやるから。だから後はベッドでやろうな」

 多分、俺も笑ってる。
 それよりも何よりも、子猫の嬉しそうな顔がいい。

「うん」

 少し照れたように笑う子猫を、お互い濡れたまま寝室に運んだ。部屋中が水浸しだが、大した問題でもない。後で片付ければいいだけだ。
 当然、移動途中で最奥を穿つように、あえて腰を大きく振ることも忘れない。

「ひん…っ、ひ…っ、ひぅっ、ん、んっ」

 寝室につくまで子猫は何度イっただろうな。
 寝室に入ったと同時に間接照明だけが点灯する。子猫の姿をよく見るためには明かりが心もとないが、見えないわけじゃない。僅かに薄暗いほうが、大胆な子猫の姿も見れるかもしれない。
 約束の三発目は、子猫をベッドにおろしてすぐだった。
 体を折り曲げるほど強く押し広げ、容赦なく最奥も前立腺も攻め立てた。
 途中、キスをねだられ、高ぶった感情のまま噛みつくところだったのをなんとか抑えた。多分。
 子猫にとってはその噛みつくようなキスが快楽の引き金になったらしく、体を震わせ俺を道連れにしたのが、約束の三発目だ。
 まあ、ここまでは約束の内容。
 ここからは俺のただの欲。
 ここまでで四回の吐精。それだけで萎えるはずもなく、完全に抜き去ることなく子猫のアナルに俺を埋め続けた。
 可愛い子猫は声が枯れ始めても逃げることなく俺の動きについてこようとする。俺たちは体の相性が良すぎるんだろうな。やはりこれは運命…………って、だから、乙女チックな思考はいらない。

 ベッドの上なら、大概の体位は抜かなくてもなんとかなる。
 騎乗位で自分から腰を振らせ、ときおり突き上げて動きを封じる。
 うつ伏せにさせ、腰だけを高くし、獣のように交わり続ける。
 流れてくる涙も綺麗だし、体を震わせながら漏らす姿にも欲情できる。子猫のすべてが愛しく、所有することに喜びを感じた。

 俺としてはこのまま朝まで抱き続けていられる余裕があったが、子猫にそんな体力はなかった。
 子猫の下腹部が俺が放った精液でやや膨らみを持った頃、子猫のまぶたがとろりと落ちていく。
 アナルの中を突いてもそのまぶたがあがることがなく、子猫の限界を感じた。
 まだ抜きたくないな。
 悪あがきのように腰を揺すってしまうが、子猫からはうめき声のようなものがかすかに漏れるだけだ。
 諦めて、こめかみと額にキスを落とす。

「おやすみ、のぞみ」

 そっと囁くと、子猫のまぶたが完全に閉じた。




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