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本編
友兄は絶対鏡を買うと思う
しおりを挟む「っ…」
微妙な脱ぎ加減なものだから、シーツの冷たさをもろに感じる部分とそうじゃない部分と……ちぐはぐな感じだった。
「もっと近くなろうか」
友兄はずっと笑ったまま。
部屋の中はレースのカーテンもひいていなから明るいまま。
ベッドの上に転がされて脱がされかけていたズボンはあっさりと奪われ、足を抱えあげられて、キスを、されて。
「んんっ!!!」
臍のあたりに垂らされた液体の冷たさにさえ感じてしまって。
………あっさりと、陥落。
体温で温まったその液体からは、濃い花の匂いが漂ってくる。甘ったるい匂いのするそれは、所謂ローションらしい。
「もういいかな」
臍を弄っていた手が、そのまま伸びて硬くなってしまっている俺のそこをやわやわと握ってきた。
「ひぁう…っ」
「随分感じやすくなったんじゃないかな」
「だ………っって……っ」
そういう風に友兄が変えたくせに。
「ここも欲しそうにひくひくしてるね」
ローションに濡れた指が後ろの入り口を押しつぶすようになでてきて…、喉が引き攣った。
「これだけでも感じる?……溢れて来たよ。自分で見て御覧?」
「や……やん…っ」
見ろと言われて簡単に見れるものじゃない。恥ずかしすぎる。こんなの恥ずかしくて恥ずかしくて……!
「理玖、目を開けて」
でも、友兄の声に、言葉に、逆らえない。
心臓が壊れそうなほど早く打っている。
何度か深く息をして、ゆっくり瞼を持ち上げた。
「っ」
甘ったるい花の匂いに頭がくらくらする。
友兄に抱えられた下肢のせいで、下半身が微妙にベッドから浮いていて……俺の目に、全部、映ってしまう。
「っ、あっ」
すっかり形を変えた自分のそれが、先端の割れ目から体液を流し続けてる。
「綺麗でしょ?」
「……やだ……恥ずかしい……っ」
「ここも見せてあげたいな。…今度大きな鏡を買いに行こうか」
「や……やだっ!!」
本気っぽい。てか、絶対本気!
ただでさえ恥ずかしさにどうにかなりそうなのに、そんなことになったら……俺、どうなるんだろうか。
「本当に嫌?」
「……は、恥ずかしいから……っ」
……ああ、駄目だ。どうしようもない涙が出てきてしまった。
羞恥心が限界まで達しているのに、友兄はくすっと笑う。とことん楽しんでいるっていうか…。
「もっと恥ずかしくなることしようか?」
これ以上何をするつもり……って口を開きかけた時、ローションの入っていた棚から友兄が何かを取り出していた。
「……とも、にぃ?」
「俺のよりは小さいから」
…って、にっこり微笑んで手にしたものの先端部分を、俺の後孔に押し当ててきた。
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