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本編
友兄…色っぽい
しおりを挟む「っ」
それだけで、なんか、ものすごくドキドキした。
友兄はそのまま体を起こすと、俺を見下ろしてくる。
下半身がむずむずしはじめた。
友兄の体はやっぱりすごい。
どうしてこんなに筋肉がついているんだろう…とか。それに、『男』を象徴する部分は、反り上がっていて…自分とは全然違う大きさのものに、目がすいよせられてしまう。
「……友兄」
「すっかり戻っちゃったね。理玖、『友敬』だよ」
「あ……」
お風呂場で言われたこと、すっかり忘れてた。二人だけのときは、友敬…って、呼べ、って。
「とも、ゆき」
「ん」
友兄は微笑んだ。
それから、体を倒して…改めて俺の脚を抱える。
「っあ」
太腿の裏に手をあてられて、ぐいっと押された。
全部……見える格好。
「挿れたい」
お風呂場で指を入れられていた場所に、友兄の舌が這った。
ぞわぞわする。
舐められて、濡らされて……そこからじん…とした気持ちよさ…快感が、込み上げてくる。
そこを舐められて感じるなんて。
「また気持ちよくなるよ」
濡れた音がやたらと大きく感じる。
それから…舌じゃないものがそこに触れてきた。
「あ」
「力はぬいて。口で息をするんだよ。とめると力が入るから」
「あ、あ…」
ぐぷりって…指が入り込んできた。
お風呂でも、入れられたけど、ぞわぞわがとまらない。
「指でならして…柔らかくなったらね」
「んんぅっ」
そう言いつつ、友兄の指が抜けた。
俺はもう頭ん中ぐるぐるしてて、友兄が何してるかわかんない。
でも、抜けていった指はまたすぐ入ってくる。
お風呂で石鹸を纏わせたときよりも、もっとヌルヌルしてて、ぐち、ぐち、って、濡れた音がすごく聞こえてくる。
「…いいね。蠢いて…熱い」
「ん……あ、あ……あん…っ」
お風呂では洗われた。石鹸でかき混ぜられて、お尻の中もシャワーで流された。
じゃあ、これは?
また、お尻の中にお湯を入れられるんだろうか。でも、ここは、ベッドの上だし。
「痛い?」
「……い、たくない………けど……なんか……」
「すぐに慣れるよ。……慣れるまで抱くから」
何か不穏な言葉を聞いたような気がした。
ちらりと見た友兄は、目はずっと俺を見ていて、口元は楽しそうに笑みの形をしていて、赤い舌で唇をなめてる。
……多分、俺を欲しがってる顔。
ほんの少しだけ浮かんでるこめかみの汗と頬の赤みが、すごくすごく……色っぽい。
そんな顔を見てるだけでまた心臓がバクバクし始めて、ごく……って生唾を飲み込んでた。
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