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幼馴染み二人と西の森の事件に巻き込まれる
15 西の森に行くことが決まりました。
しおりを挟む「ディオルグの剣技は磨きがかかっているし、状況判断も正確で速い。エルフィードの魔法は洗練されていて、ここの冒険者の中で頭何個か抜きんでている。というわけで、俺は三人それぞれを評価していての、依頼だ。…クリストフからの依頼を適当な面子で行かせることはできないしな」
店主さん、すごくすごく、ディーとエルのこと評価してくれてる。
すごい、すごい!僕、すごい嬉しい!
「あと、俺も行く予定だし、……暇な時間に手合わせすることもできるだろうな。知ってるか?あいつ、この国一番の剣の使い手なんだ。まともにやり合えば俺ももうよくて五分ってところだろう」
……殿下も、すごい人だった。
「……店主殿だけじゃなく、その王子殿下とも手合わせができるかもということですか」
「そういうことになるな」
ディーがすごく乗り気になってるのがわかる。依頼だけど強い人と手合わせできる状況が嬉しいんだろうな。
「ま、俺はあいつの婚約者を見たいだけなんだがな」
……店主さんの本音な気がした。
「どうする?フィー、エル。俺は受けてもいいと思ってる」
「そうだね。私も賛成」
「僕は二人が行くなら行くよ?」
「じゃ、決まりだな。……ってことで、その依頼、受けます」
「おう。じゃあ、出発は明日の朝。あと何組か声をかけるが、集合はこの宿だ。俺は少し後から行く。俺が行くまでディオルグ、お前が指揮をとっておけ」
「わかりました」
「んじゃ、話は以上だ。ぬかりなく準備しておけ。備品の『箱』は明日から使えるようにしておく」
「……随分手厚いですね」
「それだけ生半可な依頼じゃないってことだよ」
普通に笑う店主さんだけど、なんかちょっと大変かも……?
僕たちはそのまま宿を出た。
一旦家に戻ってから、エルが食料とかの確認を始める。ディーは備品の確認をはじめて、僕は着替えとか治療道具とかの確認をする。小さな傷とかは、癒しじゃなくて普通に治療するから。そうじゃないと、僕が寝込んじゃう。
最近クリストフ殿下に会ってない。
神殿長さんも会ってないって言ってたなぁ。
「ディー、エル、ちょっと神殿によってもいい?」
「ああ、構わない」
「あ、それなら、買い出し中はフィーは神殿にいる?」
「いいの?」
買い出し、結構たくさんになると思うけど、いいのかな。
「構わないだろ。しばらくここを離れることになりそうだし、向こうの方と話をしてくるといい」
「それに、女神様にも祈ってきて。私たちのかわりに」
「うん」
「ただし、迎えに行くまで神殿を出るなよ?」
「私たちがちゃんと迎えに行くから、一人で行動したら駄目だよ?」
「うん、わかってる」
二人が僕のことを心配してくれてる。
ありがとう。
大丈夫。
約束は守るからね!
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