幼馴染二人と冒険者になりました！

幼馴染み二人と西の森の事件に巻き込まれる

４ お手入れは大事

　エルはなにか欲しい物があったようで、アクセサリーのお店と似た感じのお店に立ち寄った。
　そこはたくさんのカーテンで仕切られたお店で、エルに連れられて入った場所には、指輪みたいなものがたくさん並んでた。

「耳環見てたら欲しくなってさ。太さこれくらいでいい？」
「ああ……そうだな。どうせなら石がついたものがいい」
「そうそう都合よく私たちの色がついたものなんて………、って、あった」
「意外とあるもんだな」
「うわやばい。これつけてるとこ想像したら簡単に勃つ」
「お前は相変わらず……」
「ディーは見たくないんだ？」
「見たい」
「うわっ、むっつり」
「お前だけで楽しませるわけ無いだろ」

　……また、二人だけで僕のわからない会話をする。
　何の話してるの。もう。

　エルが支払いを済ませてから、今度は食品のお店によってお夕飯の材料とかを少し買う。
　そうして買い物が終わって最初のお店に戻ったら、耳飾りが出来上がっていた。

「フィー、つけてあげる」
「うん」

　エルが手荷物を全部ディーに押し付けて、僕の耳に二人と同じようにそれをつけてくれた。両耳に。
　鏡を見たら、二人とちゃんとお揃いに見える。

「へへ…嬉しい！ありがと！」
「可愛いフィーが見れて満足だ」
「フィーが喜んでくれると嬉しいからね」
「ん！」

　また一つ恋人の証ができたよ。
　これでお揃い。
　嬉しくて嬉しくて、僕は二人と腕を組んで歩いた。
　あとは帰るだけ。
　僕たちの家に。





　数日間締め切っていた家は、匂いがこもっているからすぐに窓を全開にして空気を入れ替える。
　洗濯しないとならない衣類をわけたり、依頼中に使ったものを整理したり、足りないものを確認する。
　それと同時に、今買ってきたものも片付けないとならないから、外泊する依頼から帰ってきたときはちょっと忙しい。

「ディー、お風呂準備」
「ああ」
「僕やる？」
「フィーは装備品磨いてくれる？」
「うん！」
「フィー、金具で怪我するなよ」
「うん、わかってる！」

　装備品と言っても剣とかは触れない。危ないから。僕が任されるのは胸当てとか小手とか、防具品だけ。
　これでも任せてもらえるから嬉しい。前は何もしないでお茶しててって言われたもん。
　防具は大事。怪我から守ってくれるから。丁寧に、綺麗に手入れしないとね。