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幼馴染み二人と冒険者になりました!
11 キノコが一杯。
しおりを挟む「あのキノコは岩陰よりも大木の洞の中の方がよく生えているんですよ。……ああ、ほら、ありました」
「ほえー」
「あ、ついでにそこの赤いやつ、取っていきましょう。売れば結構な金額になります。薬の材料になるんです」
「ほあ」
「あ、そこの茶色のは食用です。いりますか?」
「エル……いる?」
「うん、取って行こうか」
「ん!」
「あ、駄目です、似てますけど、それは触ると胞子を出すので…!」
「わ…」
その忠告、ちょっと遅くて、僕、触っちゃったんだよね。そしたら、もわもわもわぁって、あたりが黄色くなった。
うわわわわ。
「慌てなくてもいいですよ。毒はないので。ただ、匂いと視界がちょっと悪くなるくらいです」
「あー…確かに。酷い匂いだな。フィー、おいで」
「うー…ディー…、鼻、変……」
「ん、ちょっと待て。エル、これ濡らして」
「はいはい」
エルがディーの出したタオルを濡らしてくれて、それでディーが顔を拭いてくれた。それからエルが、ハンカチを僕の口元にあててくれる。
ふあ。やっと匂いなくなった…。
『女神さま』って叫んだ二人組さんは、なんか人が変わったように親切に色々教えてくれた。
採取系はエルが知識もあって経験もあるんだけど、この二人組さん、キノコ系にすごく詳しくて、エルが知らないことも知っていた。だから、依頼のキノコはあっという間に規定数集まったし、時間ができたから他のキノコ探しもしてる。
今日の夜はキノコのスープ作ってくれるって、エルが言ってた。楽しみ。
「うー…ディー…帰る…」
「そうだな。エル、もういいか?」
「うん。十分とれたよ。あー…、あんたたち、ありがとな?」
まだ目がなんか変。
「あ、フィー、目は擦っちゃ駄目だよ」
「うー」
エルがまたタオルで目を拭いてくれる。
「俺はディオルグ、こっちはエルフィードだ。んで、ラルフィン」
「あ、俺はミルジオ。まだ当分こっちにいる予定だから。ミルでいい」
「俺はラウドラ。ラドだ。ミルと組んで戦士の国イルドラから来た」
「イルドラか…。俺達はゲールデン出身だ。この国に来て二年になる」
「魔物を狩る手腕には脱帽した。宿では本当にすまなかった」
「いや。採取の知識には俺達も助かった」
……なんか、和解……したみたいだけど、そもそも、宿で、この二人と組むことを拒否したのって、僕じゃなかったっけ……?いいのかなぁ……?
「あー…、組もう…って話はもうしないから、協力、ならいいだろ…?えーと……ラルフィン?」
「え」
ミルさんという人が、そんな提案をしてきた。……僕に。うん、そうだよね。拒んだの僕だからね……?
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