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幼馴染み二人と冒険者になりました!
6 初任務に向かいます
しおりを挟むふんふん!って怒っていたら、声をかけてきた冒険者さん二人組は、顔を引きつらせていた。
僕、本当のことしか言ってないし。別に悪くないもん。
「お前ら……っ」
ひきつってた顔が、赤くなる。
僕はまたディーの後ろに体を隠して、成り行きを見守った。
ディーもエルも、構う気はないらしくて、後ろにいる僕をディーが抱き上げると、エルが依頼書を店主さんのところに持っていった。
「店主、これを受けるから」
「あいよ。――――おい、お前ら、宿の中で揉め事起こすなよ?何かしでかしたら王都の宿は出禁にするからな?」
「っ」
店主さんは僕たちの後ろの例の冒険者さんたちに向かって言った。
むしろ、揉め事の中心は僕のような気がするけど、いいのかな?
ちっ、ていう舌打ちが聞こえた気がしたけど、そちらを見たらその二人組さんは宿を出ていくところだった。
今まで見たことのない人たちだったなぁ。
店主さんは依頼書に何か書き付けると、それをエルに渡してた。
「これから行くのか?」
「ええ。これなら然程時間もかかりませんし」
「まあ、お前らがいれば大抵のことはどうにかなるか。日が暮れたら魔物も増えるからな。坊主、十分気をつけていけよ」
「はい!」
わー。
初任務だ!
「フィー、採取するキノコの形とかちゃんと覚えて」
「うん」
「微妙に違う毒があるキノコもあるからそれは手を出しちゃ駄目だよ。フィーの手がかぶれちゃうからね」
「わかった!」
宿を出て、エルから依頼書を受け取って、そこに精密に書かれた絵をじっと見た。
…ん。僕、ディーに抱っこされたままなんだけどね。すっかり忘れてたよ。それに、僕、奉仕活動とかで結構街の人たちとも会ってたから、僕が神官ってことを知ってる人も多くて。
だから、『ディーに抱っこされた状態で真剣に依頼書を見ている僕』を結構な人に見られてて、次に神殿に行ったときにみんなにからかわれる材料になったんだけど、このときの僕に知るすべはなく。
「その状態で外に出るのか?」
って、門番の兵士さんに苦笑気味に声をかけられて、はたっと気づいた。
「あわわ…っ、ディー、お、おろして…!?」
「このままでいいのに」
「よくないでしょ!?」
「じゃあ、私がおんぶしてあげようか」
「や、それ、今とあんましかわらないでしょ!?」
門の前で揉め始めた僕たちに、兵士さんの生暖かい視線が刺さる。
初依頼をこなしに行くのに、抱っこされたままとか、おんぶされたままで移動って、こんなのさすがにおかしいでしょ!?もうもうっ!!
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