幼馴染二人と冒険者になりました!

ゆずは

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幼馴染み二人と冒険者になりました!

2 ちょっと不安になった

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 エルスター王都の西町の冒険者宿には、レヴィさんという店主さんがいる。
 ディーとエルが珍しく信頼を寄せている人で、僕もいい人だと思う。
 剣も魔法も使える人で、今まで独学で腕を鍛えていた二人にとって、師、みたいない存在なんだそうだ。

「僕も今日から冒険者!」

 ってわくわくしながら、ディーとエルと手を繋いで通りを歩く。
 すれ違う人が時々くすくす笑うけど、気にしない。だって、すごく嬉しくて楽しいから。

「あ」
「「ん?」」
「……ディーとエルが冒険者になったとき、腕試しとかされたよね……?」
「ああ、そうだったな」
「したね」
「僕……あんなことできないけど、いいのかな……?」

 今更ながらの不安に襲われた。
 剣も魔法もできない僕だけど、いいのかな……?

「全く問題ないだろう」
「そうだね。…私たちよりも歓迎されると思うよ」
「……なんで?」

 ディーもエルも、僕が冒険者になれる、って、信じて疑わないみたい。
 僕、祈ることくらいしかできないのに。

「……神官が冒険者になること自体、稀なんだ」
「そうなの?」
「そう。暁亭でも、今、神官な冒険者はいないはず」
「そうなんだ」
「フィーの強さは剣や魔法じゃない。…それは、店主殿もよく理解してる」
「むしろ、私たちだけで組んでていいのかどうか……。下手したら、他の冒険者たちと取り合いになるかも」

 二人は僕とは違うところに不安を持ってるみたいだった。
 完全に、僕が冒険者として登録できるって信じてる。

「取り合い……って」
「ま、他の奴らに任せる気は全くないが」
「そうだね。フィーと組めるのは私たちだけだからね」

 うん。
 僕だってそれがいい。
 二人以外の人と組まされるのは……すごく、やだよ。

 悶々としながら通りを歩いて、あっという間に暁亭の前についてしまった。
 ディーとエルはなんの躊躇いもなく、扉を開けて中に入る。

「いらっしゃ――――…って、お前らか。なんだやっと来たのか」
「遅くなりました」
「ああ。二度と出てこないのかと思ったな」

 店主さんはいつも通り、カウンターのむこうで書類を見ていた。

「よう坊主。待ってたぜ」
「あの………、はい……」

 二人に手をひかれて宿の中を進む。
 他の冒険者さんは…何人かまだ残ってた。ちらちらこちらを見る視線を感じる。

「なんだ。どうした?いつもの元気がないな?」

 …って、カウンターに近づいた僕の顔を覗き込んで、店主さんが言った。



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