幼馴染二人と冒険者になりました!

ゆずは

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幼馴染み二人と僕の15歳の試練

55 また少しの間お別れ

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 ふわふわな気持ちのままで夕飯を食べた。
 着替えは全部二人がしてくれた。
 沢山髪を撫でて、厚手の上着を羽織って、ずっと籠もっていた宿を出た。
 吐く息は少し白い。
 頬は少し冷たくなるけど、手はディーとエルが繋いでくれてるから、温かい。

「あのね」
「ん?」
「なに?」
「……来月の一の日も……、たくさん、キスしてくれる?」
「もちろん」
「しない選択肢はないでしょ」

 ぎゅって強く手を握る。

「他にも……いろいろ……」

 いろいろ。
 ……直前までされてたことを、思い出しちゃって。頬が、かかかーって熱くなった。丁度いい。冷たかったし。

「泊まりじゃないのが残念だな」

 熱い頬に、ディーの唇が触れてくる。

「朝から夜まで愛してあげる」

 くすくす笑うエルのキス。
 ……いいな。きもちいい。

「……ぼく、がんばる」
「俺たちに舐められてもすぐにイかないように我慢するのを頑張るか?」
「私達のを舐めるのをもっと頑張ってくれるの?」

 からかうような二人の低い声が、耳元で囁かれて、また、顔が熱くなる。それに、お尻のとこがムズムズしてくるし、僕のあれがじわっと濡れた気がした。

「うう~~……二人のばかぁ……っ」

 恥ずかしくてじわりと涙が出てきたけど、ディーとエルが舐め取ってくいく。

「からかいすぎた。ごめん」
「フィー…可愛い。少し出ちゃった…?」
「~~~っ、もー……!!」

 あんなにたくさん触ってもらったのに、また、して欲しくなる。
 不思議。
 好き、って思ったら、ずっと触れていたくなるのかな。ずっと触れてて欲しくなるのかな。

 夜が深くなった王都は、あまり人はいない。
 夏の夜はまだ人が多いけど、冬はやっぱり寒いからか人が帰る時間が早い。
 だから、今、神殿に続く道を歩いているのは僕達だけ。

「……星……、綺麗」
「本当だ」
「フィーの瞳の中みたいだね」

 エルにそんなことを囁かれて、恥ずかしくなった。
 あれ?でも。

「僕の目、黒くないよ?」

 昼間の空の色の目のはずだけど。

「黒じゃなくても、キラキラしてて、空の青色の中に星があるみたいに見えるんだよ」

 楽しそうにそう言って、僕の目元にキスしてくれた。

 こういうとき、エルのほうが恥ずかしくなること沢山言う。
 ディーは夜空と僕の瞳を見比べて、なるほどなぁ、とか頷いてる。

「…気づかなかった。覗き込んだらフィーの瞳にはいつも俺たちが映ってるから」
「そ、それはぁ、だって、覗き込んでたら映る、よね…?」
「そうだけど。でも、ちゃんと俺たちを見てるんだと思ったら、嬉しくなる」

 …だって、二人と一緒にいるときの僕、ずっと二人のこと見てるよ。……見ていたいし。

「……好きなんだもん」

 好きだから、見ちゃうでしょ。仕方ないでしょ。

「俺も、愛してるよ」
「私も愛してる」

 ちゅ、ちゅ、って両側から頬にキスされた。
 ……うん。
 ほんとに、大好き。

 そうやってなんどもキスを繰り返しながら、ゆっくり歩いていたのに神殿についてしまった。

「ディー…エル…」

 ぎゅ……って二人に抱きついたら、抱きしめ返してくれる。

「……また」

 別れの言葉を出せない。
 寂しい。

「フィー、いつもどおりだから。大丈夫。俺たちはいなくならないし、フィーに何かあれば、すぐに駆けつけるよ」
「うん…」
「私達の恋人はフィーだけなんだから、他の人には触れないよ。…フィーのこと想いながら自慰はしちゃうけど」
「…う?」

 …じい、ってなんだろ…、って思ってたら、ディーがエルの頭を小突いた。

「余計なこと吹き込むな」

 って。
 余計なこと、ってなんだろ。

「今度教えて?」
「「え?」」
「じい、ってなに?」

 ディーはため息をついて項垂れて、エルは嬉しそうにうんうんうなずいた。

「今度教えてあげる。手取り足取り」
「う、ん?うん。教えて」

 よかった。教えてくれる。
 ディーが「理性が持つのか…」とかぼそぼそ言ってたけど、よくわかんないからいいや。

 最後に二人とキスをして、「おやすみなさい」って言葉をかわす。
 二人の見送りはしない。二人は僕が神殿の中に入るまで見てくれてるから。

 いつもどおり二人と別れて、少し暗い廊下を進む。
 裏じゃなくて、礼拝堂に入った。

「女神さま……ただいま戻りました」

 膝をついて手を胸の前で組んで。
 女神さまにそう言葉を伝えたら、ふわりと暖かな気配に包まれた。




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