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幼馴染み二人と僕の15歳の試練
18 幼馴染みに思い馳せる
しおりを挟むパチっと目が覚めた。
スタっと起き上がって、うーんと伸びをする。
ベッドを出てカーテンを開けようと思って、まだほんの少し暗いことに気づいて、手を止めた。
季節が冬に近づけば、日の出は遅くなって、日の入りは早くなる。
二つの太陽は、冬になるとほぼ重なって見える。
その分太陽の光が届かなくなるから、寒くなったり雪が降るんだって。
でも、春が近づくと、また太陽は離れていく。
夏の間は一番離れてて、長い時間照らしてくれてる。
太陽って不思議だなぁ。
……なんてことを思いながら、洗面所で顔を洗って着替える。
最後に、昨日もらったローブを羽織って、終わり。
礼拝堂に出る前に、エルに選んでもらったハーブティーを淹れよう。
棚に仕舞ってる小袋の中から炎魔石を取り出して、水を入れたケトルの中に沈めた。
程なくして湯気が上がったら、ティーポットにいれて温める。
ポットが温まったら、お湯を捨てて、茶葉を入れて、また、お湯を注ぐ。
待ち時間は適当。
薄めのが良ければ、あまり時間を開けずに。濃いめのが良ければ、少しだけ時間をおいて。
……全部エルに教えてもらった。僕にできるいちばん簡単な淹れ方だから、って。
もちろん、エルが淹れてくれる紅茶が一番美味しいけどね。
普通の紅茶とは違う、茶色じゃない、黄色っぽい色のお茶。香りは、思わず息を付きたくなるほっとするやつ。寝る前に飲むのもいいんだって。僕は寝起きに飲むのが好きだけど。
次に会うとき、エル、何作ってくれるかな。
僕の好きなものたくさんだといいな。
でも、僕の苦手なものも…いれるかな。ちゃんと食べたら、キスしてくれるかな。
「はわっ」
キス…って思っただけで、胸がおかしくなる。きゅーって痛くなって、ドキドキが強くなる。顔も火照ってくるし、身体中そわそわして落ち着かない。
昨日も……キスしてもらえた。僕にとって、すごく特別な日になった。
大概、最初に僕に触れるのはディー。キスを最初にするのもディー。僕の口は一つだから、二人と一緒に同時にキスするなんてできないから、順番は仕方ない。
エルはどう思ってるのかな?
「僕は……どっちでもいいんだけど……」
なんとなく、自分の口に触ってて…、その行動に妙に恥ずかしさがこみ上げて、テーブルに突っ伏してしまった。
あうう…。
なんか頭の中、へん。
ディーの腕は、力強い。
一番太いところは、僕の腕の倍以上あると思う。……僕が細すぎるってこともあるけど……。
その腕に抱きしめられるの、すごく好き。
ぎゅぅてしてもらって、胸に耳を当てたら、トクントクンッて心臓の音が聞こえる。僕が落ち着く音。
大きな剣を扱うのに、僕に触れてくる手はすごく優しい。大切に、大切に、宝物のように扱ってくれる。
でも、恋人の特別をしてるときのディーの瞳は、凄くギラギラしてて、怖くなって、ドキドキする。嫌な怖さじゃなくて。心臓が、止まりそうで。息も、苦しくなって。
「はわわっ」
こつん、て、テーブルに突っ伏して、額が当たった。
ううう。
僕、どうしちゃったんだろう。
二人のことが頭から離れない。
からだが、あついよ…?
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