幼馴染二人と冒険者になりました!

ゆずは

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幼馴染み二人とほとんど会えなくても豊穣の国の神殿で頑張ります

13 問題解決?多分ね。多分。

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「ラルフィン君さえよければ、私の自室の風呂を使わないかい?」
「え?」
「ああ、誤解しないでもらいたいのだが、下心があるわけではないよ?確かに君が大浴場を使うことは避けたほうがいいと思う。あの二人も心配するだろうしね。でも、風呂には入りたいだろう?」
「入りたいです…」
「なら、どうだろうか。もちろん、あの二人には私からも報告させてもらうけど。どこの宿にいるのかな」
「えと……、西町の冒険宿に……」
「なるほど。いい場所を選んだね。では、その宿に手紙を送るから。それでいいかい?」
「え…?えと…………、はい、大丈夫、です」
「じゃあ、私の部屋に案内するから、ついておいで」

 ……って、なんかぽんぽん話が進んでしまったけど、何が起きてるんだろう??
 お風呂に入れるのは嬉しいけど…。

 よくわかってないまま、神殿長さんの後ろについていった。
 僕……、道順覚えられるかな…?

 廊下を少し進んだところで、神殿長さんはとまった。

「ここだよ」

 鍵を開けて中に入る。
 僕の部屋よりも大きい部屋。

「夕食の後から就寝時間までの間なら、いつでもいいからね。遠慮することはないから。…高位神官になれば、部屋にお風呂がついているんだけどね」
「僕……使っていいんですか?」

 だって、僕、さっき来たばっかりなんだよ?こんなに優しくしてもらっていいのかな…。

「他の子たちにもよく使ってもらっていたから、何も問題はないよ。本物の家族のようにはなれないけど、私のことは二人目の父親だと思ってもらえればいいから」
「二人目……?」
「そう」
「あの…。二人目はディーのお父さんで、三人目はエルのお父さんで……」

 お父さんたちとお母さんたち。
 僕にとっては、みんな家族で。
 神殿長さんは、僕の言葉に目を開いて驚いて、それから、笑った。

「そうか。なるほど。それなら、私は四番目のお父さんだと思ってくれ」
「…はい。困ったことがあったら頼ってもいいんですか?」
「ああ、もちろん。君たちのような子供を守ることも、私の役割だからね?」
「わかりました…、ありがとうございます」

 なんかほっとした。
 いい人で良かった。

 それから、またさっきの部屋――――えっと、神殿長さんの執務室に戻って、分厚い本を渡された。女神さまについて書かれた本なんだって。ちょっと重い。
 神殿長さんは僕の部屋までまた案内してくれた。うん、キリル君にくっついて歩いていたときはあまり気にしてなかったから、自分の部屋に帰れるかも不安だったので、とっても助かりました。
 そして、お昼までのこの時間は、お勉強の時間なんだって。
 重い重い本を両手に持ったまま、また神殿長さんに案内されて、みんなで集まって勉強する部屋に来た。
 大人の人が一杯いた。
 何人か、子供もいた。
 僕に気づいたキリル君が手招きしてくれたので、僕は神殿長さんにぺこりとお辞儀をして、キリル君の隣の椅子に座った。
 そして、教えられたところを開く。


 僕の神官になるための勉強が始まったよ。
 ……あ。
 神官には、なれたみたいだけどね!


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