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幼馴染み二人と豊穣の国の王都に着きました
13 やりたいこと、再確認
しおりを挟む僕、僕がしたいこと。
僕が神官になりたいって思ったのは、ディーとエルが怪我をしたときに、すぐに治してあげれるかもしれない、って思ったから。僕は武器とか何も使えないから。二人の足を引っ張りたくなくて。役に立ちたくて。隣に立っていたくて。
僕の願いなんて、こんなものなんだよ?女神様のことをもっと知りたいとか、そんなおっきなことは考えてない。その先に、二人のために使える力があるなら、欲しいだけ。
「フィーが俺たちを呼べばすぐに駆けつける。神殿の規則がとか言われても、俺達にとっては、規則よりもフィーが大切だ」
「この部屋もね。いつでも来ていいんだよ?店主は笑って許してくれる。フィーのための椅子を買ってもいいし、そもそも、私かディーの膝の上に座れば、椅子なんて必要ないよね?ベッドだって、フィーがいるときは三人で一つのベッド使うんだから、三つ目は必要ないでしょ?」
「そもそも、家を買ったら、ベッドは一つしか置かないしな」
「………万が一、フィーが神殿の用事とかでいないことがあったとき、私、ディーと二人で同じベッドには寝たくないから、簡易ベッドは買ってよ…」
「………必要だな」
「でしょ」
「陶器のコップは、神殿に持っていくといい。この部屋には、三人でいるときに使うお揃いのコップを置こう。普段は、俺たちも陶器のコップを使う。……お揃い、だろ?」
「………お揃い………いっしょ?」
「そう。いつも一緒」
ディーがキスしてくれた。とろとろにされるやつ。
「少しだけ離れなきゃならないけど、私達はいつもフィーの傍にいるよ?」
「……ぅん」
ベッドに倒された。ディーとエルも倒れ込んでくる。
「それで、どうする?このまま俺たちと冒険者になるか?」
「フィーがここに残るなら、私はもう遠慮しないけど」
髪を梳いたり、耳をいじったり、頬をなでたり、唇をなでたり。
「……僕ね」
二人は黙って聞いてくれる。
「女神さまのこと、祈ったり、あったかい気持ちになるの好きだけど、でもね、もっと知りたいとか、近づきたいとか、そういうのは思わなくて」
「うん」
「それで?」
「僕は、女神さまのことより、二人のことのほうが大事で、僕は戦えないから、二人を守るためには傷を治してあげたいなって思って、だから」
「俺たちのために神官になろうって決めてくれたんだろ?」
「うん……っ」
「なら……答え、出てるんじゃない?フィー」
「……うん……っ、ごめん、なさいっ、僕っ」
二人はとっても格好いいのに、僕、こんなに情けなくて。神官になることだって、ちょっとしたことで悩んで諦めようとして。格好悪い…。
「フィー」
ディーの声が耳元でした。
ぞくぞく…って、背筋が震える。
「愛してる」
「んぅ…っ、あ……い?」
エルが、耳元をなめた。
「私も」
ディーと同じように耳元で声が。
お尻のあたりがピクピクする。
「愛してる、フィー」
「んぅっ」
……あいしてる、って。すき、よりも、たくさん?
それは、すごく、すごく、うれしい――――
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