幼馴染二人と冒険者になりました!

ゆずは

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幼馴染み二人と豊穣の国の王都に着きました

11 二人がいるから大丈夫!

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「いい反応だ」
「っ、レヴィ殿……っ」
「なんで、フィーを…!!」

 店主さんの剣を、ディーとエルの剣が止めてくれてた。
 店主さんは二人を見てから、すっと剣をひいてく。その剣を腰の鞘に収めたところで、ディーとエルが剣を下げた。

「坊主、驚かせて悪かったな」
「えと……、はい。おどろきました……」

 店主さんはにかっと笑って、僕の頭をくしゃくしゃになでる。

「怖かったか?」
「えっと……、びっくりしただけで」

 ドキドキはしたけど怖くはなかったんだよ。

「ディーとエルがいてくれるから、平気」
「「フィー」」

 二人に抱きしめられたよ。右と左からぎゅぎゅうっとね。

「それに、店主さん、僕に当てるつもり無かったと思うし」
「当然だろ。これから俺の手足になってきりきり働いてもらう奴らの連れ合いに、怪我なんかさせねえよ」
「……手足」
「……連れ合い」
「じゃあ、じゃあ、二人とも合格?」
「おう。最初の手合わせの段階でもうそこらへんは問題なかったからな。まあ、久しぶりに鍛えがいのある奴らで俺も嬉しくてなぁ?」

 これ、もしかして、ディーとエル、すごく気に入られた?

「ついでに守りたいものを守れるだけの力と気概があるかも試した。そこんとこも合格だな」
「心臓に悪い……」
「自分が死ぬかと思った……」

 二人とも、まだ僕のこと抱きしめてる。
 大丈夫なのに。

「悪かったな」
「いや…、もういいっす……」
「二度は経験したくない……」
「それにしても、坊主は坊主で肝が座ってるな。驚いた顔してても逃げもしなかった」

 そんなふうにふられて、きょとんと店主さんの顔を見ちゃった。

「え、だって、だから、怖くなかったから」
「それでもな、普通は逃げ腰になったり腰抜かしたりするもんなんだよ」
「うーん?わかんない…。だって、ディーとエルがいるし。二人がいたら、僕には絶対攻撃は届かないから。だから、逃げる必要ないし…怖がる必要もないよね…?」
「そりゃまた…。とんでもない信頼だな」
「うん!だって、僕のディーとエルだから!」
「フィー…当然だ。絶対俺達が護る」
「フィーに何かがあったら私達は生きていけない」

 ふふ。嬉しい。二人が僕のことすごく大事にしてくれてる!
 なんかにまにましちゃったよ。
 そしたら、店主さんが、僕たち三人の頭を順番にぽんぽんしていった。

「もうそれ相思相愛でいいだろ…。ほら、中に入るぞ。宿使うだろ?」
「宿?」
「冒険者『宿』だからな。ディーとエルは個室がいいのか?相部屋がいいのか?」
「えーと……相部屋で。その方が宿代少なくて済むよな?」
「だな」
「なら、相部屋で。あと、今日は」
「特別に坊主が泊まるのも許可してやるよ。だがな、そんなに壁は厚くないからな?自重しろよお前ら。特にエル、お前が危ない気がする」
「え、なんで、私が………」
「正しい」
「ディーっ。心外なんだけどっ」

 笑いながら店内に入る。
 店主さんは空き室を確認して、ディーに鍵を渡した。


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