35 / 247
幼馴染み二人と豊穣の国の王都に着きました
8 西町の冒険者宿/L
しおりを挟むフィーは可愛い。
東町で見失ったときは焦ったけど、その日の宿で、私達の「お仕置き」で、顔を真っ赤にしながら感じまくって、身体をビクビクさせながら涙をポロポロ流す姿に欲情しまくった。
挿れたくて仕方なくて、ついフィーの可愛い蕾を舐め回したら、ディーに殴られた。なので、渋々素股だけで満足することにした。
翌朝、昨夜の情事の余韻が抜けきらないフィーに、私もディーも、抜くところから始まったわけだけど、これは、仕方ない。
うちの子、なんでこんなに可愛いかな…!
顔を赤くしながら、私達からのキスを受け取って、もじもじと足をこすり合わせる姿は、……ほんとに、ね?
朝食の後は、少し休んでからすぐに西町に向かった。
今日は冒険者宿で冒険者登録をする。
その後は西町の散策かな。
そして、明日は、フィーを神殿に送っていく。
だから、こんな風にフィーと時間を過ごせるのは、一旦今日まで。
……やっぱり寂しい。このまま、フィーも冒険者になればいいんじゃない?
「東も南もすごかったけど、西もすごいね」
フィーは私達の手を握ったまま、西町の様子をキョロキョロと見てる。
「冒険者が多いな」
「だね」
西の冒険者宿の店主が、王都の各町にある冒険者宿の統括だからだろう。
平服とは異なる、鎧やローブのような物を身に着けている人が目立つ。
露店の数も多く、もちろん、冒険者ばかりではなく、普通の買い物客や商人たちで、町は賑わっていた。
ディーは地図でざっくりと確認を終えたあと、躊躇いなく歩を進める。
そして昼前に、私達は比較的大きな建物についていた。
「ここ冒険者宿?なんか、普通の宿屋さんみたい」
「そうだな」
「入るよ、フィー」
フィーと手を繋いだまま、ディーが扉を開けた。
「おう、いらっしゃい」
中は、丸いテーブルがいくつか置かれていて、何組か食事をしていた。
私達に声をかけてきたのは、カウンター奥で紙の束を眺めていた男性。黒に近い茶髪の、精悍な顔立ちの人だった。
「食事かい?」
「あ、いや、冒険者登録に来た」
ディーが答えると、その男性は紙の束をカウンターの上に無造作に置くと、私とディーをまじまじと見てきた。
「ふうん。大剣使いと双剣使い……いや、お前さんは魔法も使うのか」
「!」
驚いた。
私はいつも腰に双剣をつけていて、基本的な戦い方も双剣でのものが多い。だから、所見で私を見た人は、魔法を使えることなどわからないのに。
この男性、なんなんだ?
「そう警戒すんなって。俺は店主のレヴィだ。冒険者登録だろ?まず店の裏でお前さん方の腕を見せてくれや。……ああ、そこの小さい坊主もか?けどな、そこの坊主はだめだ。坊主、武器扱えないだろ」
「フィーは今は冒険者にはならないので。2年後に登録予定ですよ。……神官として」
「ほう」
男性――――店主が、上から下までフィーのことを観察した。
フィーはその視線に怯えることもなく、ただじっと、店主を見ている。
店主はカウンターの中から出てくると、フィーの頭をくしゃりとなでる。
「頑張れよ」
「うん!」
……フィーの笑顔、癒やされる……。
「それじゃあ、こっちだ。ついてきな」
店主はそう私達に言って、店の奥の方に進んでいった。
3
お気に入りに追加
1,338
あなたにおすすめの小説

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

王族なんてお断りです!!
紗砂
恋愛
この度めでたく私、エリス・フォーリアは男爵令嬢のいじめなんて生ぬる……馬鹿らしいことをしたという理由で婚約破棄をされました。
全く身に覚えもありませんし、その男爵令嬢の名前すら知らないのですが。
まぁ、そういうことで王家を見限った私は王国から店舗を撤退させていただきます♪
……のはずが、何故国王選定の最有力候補に名前があがっているのでしょうか?
そのうえ、他の公爵家の方々から頭を下げられ、隣国の王子との婚約話も進んでいるのですが……
ガチャからは99.7%パンが出るけど、世界で一番の素質を持ってるので今日もがんばります
ベルピー
ファンタジー
幼い頃にラッキーは迷子になっている少女を助けた。助けた少女は神様だった。今まで誰にも恩恵を授けなかった少女はラッキーに自分の恩恵を授けるのだが。。。
今まで誰も発現したことの無い素質に、初めは周りから期待されるラッキーだったが、ラッキーの授かった素質は周りに理解される事はなかった。そして、ラッキーの事を受け入れる事ができず冷遇。親はそんなラッキーを追放してしまう。
追放されたラッキーはそんな世の中を見返す為に旅を続けるのだが。。。
ラッキーのざまぁ冒険譚と、それを見守る神様の笑いと苦悩の物語。
恩恵はガチャスキルだが99.7%はパンが出ます!
すずらん通り商店街の日常 〜悠介と柊一郎〜
ドラマチカ
BL
恋愛に疲れ果てた自称社畜でイケメンの犬飼柊一郎が、ある時ふと見つけた「すずらん通り商店街」の一角にある犬山古書店。そこに住む綺麗で賢い黒猫と、その家族である一見すると儚げ美形店主、犬山悠介。
恋に臆病な犬山悠介と、初めて恋をした犬飼柊一郎の物語。
※猫と話せる店主等、特殊設定あり

巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
他サイトでも公開中
悩める文官のひとりごと
きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。
そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。
エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。
ムーンライト様にも掲載しております。

愛人をつくればと夫に言われたので。
まめまめ
恋愛
"氷の宝石”と呼ばれる美しい侯爵家嫡男シルヴェスターに嫁いだメルヴィーナは3年間夫と寝室が別なことに悩んでいる。
初夜で彼女の背中の傷跡に触れた夫は、それ以降別室で寝ているのだ。
仮面夫婦として過ごす中、ついには夫の愛人が選んだ宝石を誕生日プレゼントに渡される始末。
傷つきながらも何とか気丈に振る舞う彼女に、シルヴェスターはとどめの一言を突き刺す。
「君も愛人をつくればいい。」
…ええ!もう分かりました!私だって愛人の一人や二人!
あなたのことなんてちっとも愛しておりません!
横暴で冷たい夫と結婚して以降散々な目に遭うメルヴィーナは素敵な愛人をゲットできるのか!?それとも…?なすれ違い恋愛小説です。
※感想欄では読者様がせっかく気を遣ってネタバレ抑えてくれているのに、作者がネタバレ返信しているので閲覧注意でお願いします…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる