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幼馴染み二人と村から旅立ちます
14 馬車は揺れます
しおりを挟むお泊りした街から、乗合馬車に乗ります。早朝の出発です。
早朝の出発なので、もっと早朝に二人に起こされました。半分寝てる状態でお風呂にも入れられました。でもねむいです。
宿の人が朝ごはんはお弁当にしてくれました。そういう人が多いんだって。
「眠い……」
まだおひさま見えないよ。
「寝てていいから」
乗合馬車っていうのは、色んな人が一緒に乗るんだって。すごく早朝なのにいっぱい人が乗ってる。
僕はディーとエルに挟まれるように座ってるんだけど、眠くて仕方ない。
でもねえ。
がたん
がたん
って、結構揺れるんだよ…。馬車。
「むぅぅ」
こんなんじゃ眠れない。
ディーとエルが頭なでてくれたり腰を支えてくれたりしてるけど、馬車の揺れが強すぎる!僕眠いんだってば。…止まって、なんて言えないし。
「先に朝ごはん食べる?」
エルが荷物の方を指差してくれたけど、食べる気になれない。それより、睡眠欲、睡眠欲を満たしたい!!
「クッションでもあればよかったな……」
クッション。
って、ディーが言ったときに、ひらめいちゃった。
「ディー、ちょっと荷物こっち」
「ん?」
ディーの膝の上の荷物を、僕が座ってる場所に置いた。それから、よいしょって、僕がディーの膝の上に乗る。
「フィー?」
「んんー」
ディーの膝の上に座って、ぎゅむむーってディーに抱きついた。うん。いい。快適!!
「嘘でしょ…。なんでディーなの……?」
「可愛いな、フィー」
なでなでしてくれるの嬉しい。気持ちいい。
「おやすみぃ~」
はぁ。よく眠れそう。
その後、馬車に乗るたびに、ディーとエル、かわりばんこで膝の上に乗った。ぎゅってしたら気持ちいいし、お尻痛くないし、いつでも寝たいときに寝れるから、すごく快適!!
それにね。
二人もとっても嬉しそうで、二日目の宿屋に入ったとき、とっても沢山キスしてくれた。ふふふ。嬉しい!!
明日も早朝出発だから、今日も早く寝なきゃね。明日の夜には王都に到着するから、今から楽しみ!
「ベッド狭くない?」
「そう?丁度いい」
「そうだね。フィーちっちゃいから、私とディーが挟んで寝れば狭くないよ」
「フィーは俺たちに挟まれるの嫌?」
「んーん。好き。よく眠れるの」
「じゃあ気にしなくていいよ。おやすみ、フィー」
「おやすみ。私達のフィー」
「うん。おやすみなさい、ディー、エル」
ちゅちゅ、って、いっぱいキスして目を閉じた。
身体にかかるディーとエルの腕の重みが、なんだかとっても安心できるんだ。
だいすき。
だいすきだよ、ディー、エル。
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