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幼馴染み二人と村から旅立ちます
13 幼馴染たちの協定
しおりを挟む「明日、成人のお祝いなわけだけど」
「そうだね」
「今まで暗黙の了解でやってきたことではあるが、しっかり確認しておこうと思うんだ」
「何を?」
「フィーにどこまで触れていいか」
「どこまで……、って、私は今すぐにでもフィーの可愛いお尻に挿れたいけど」
「エルってそういうやつだよな…。信じらんねぇ…。こんな奴が村の女どもから紳士やら貴公子やら言われるのが……」
「外面はいいからね。私」
「自分で言うなよ」
「私が素でいるのは、フィーとディーの前だけ」
「……知ってる」
「ちなみに、ディーがフィーに突っ込みたいって思ってるのもわかってる」
「……ぐ」
「男だもんねぇ。抱きたいよねぇ。明日やっちゃえばいいじゃん。宿屋に泊まるんだから」
「いや……、駄目だ。翌日には村を出るんだぞ?フィーの負担が大きすぎる」
「じゃあどうすんの。そんなこと言ってたら、いつまでたってもできないじゃん」
「……2年」
「はあ?」
「あと、2年待つ」
「え…、正気?」
「もちろん。2年待てば、フィーは俺達のそばにいることになる。どう転んでも。ヤるのは、一緒に暮らし始める2年後だ」
「無理」
「エル」
「無理無理無理無理無理無理!!!!」
「我慢しろ」
「無理でしょ!?あんな凶悪に可愛いの前にして、2年も待て?ディー、お前、何なの?悪魔?それとも性欲どこかに置いてきた?」
「置いてきてない」
「納得できない。なんのための出発前の宿屋一泊なのさ。私は明日こそフィーを抱けると思ってたのに。キスとちょっとの触れ合いですぐ真っ赤になって、ちょっと勃たせちゃうあの子に、とびきりの快楽を教えてあげれると思ったのに!!『ずっと挿れて』ってお願いしてくるくらいまで、どろどろにしようおもってたのに……!!!」
「お前の妄想やばいから。落ち着け。ちなみに、フィーが抵抗したら、俺達は確実に犯罪者だ」
「抵抗するわけ無いでしょ。あのフィーが。私達の可愛いフィーが」
「フィーはよくても、バレたら親たちに殺されかねない」
「………それは」
「わかるだろ?親たちの溺愛ぶり」
「………まあ………」
「だから、落ち着け、エル。エルスターに行って、俺達の家を手に入れてから、フィーを落とすほうが、安全なんだ。安全で確実」
「……わかった……。わかったけどさあ…、じゃあ、明日は何もしないわけ?折角親の目がない宿屋なのに」
「…………風呂はどうだ?」
「お風呂?」
「でかい風呂がある。3人で使っても問題ないくらいの」
「なに、お前天才?いや、ムッツリスケベか」
「誰がだ……っ。まあ、一緒にお風呂入るくらいなら、フィーも疑問に思わないだろうし。そのときに少しくらい触るのは……いいんじゃないか?」
「あー、あの乳首とか触ってもいい?着替えさせるとき可愛くて可愛くて、むしゃぶりつきたくなるんだよ…」
「俺達が下着も全部着替えさせても、なんの疑問も持たないからな……。大丈夫なのか……フィー……。まずい、かなり心配になってきた」
「でも、フィーって、相変わらず人見知りでしょ。村の中で別の人と話してるとこ、あんまり見ないよ。あー、神官さんは別。同い年の子が近づいたら必ず私達の後ろに隠れるし」
「……それはそれで心配……。あいつ、2年も神殿の宿舎で寝泊まりなんて、できるのか?」
「あー……、うん、そうだね。私もちょっと心配になってきた」
「まあ……とりあえずは、明日は特別な日ってことで、一緒にお風呂に入るように誘導決定だな。あわよくば触りたい」
「私は乳首に吸い付きたい」
「乳首乳首ってそこに拘るなよ…」
「拘るよ!」
「………わかった。わかったから。ただし、泣かせないこと、嫌がったらすぐに手を引くこと、挿入はなし!」
「センセイ」
「先生って……なんだよ、エル」
「寝かせるときは裸でいいですか」
「………」
「黙らないで下さい、センセイ」
「エル」
「裸で眠るフィーを見ながら抜きたいです」
「……………」
「センセイも、抜きたいでしょ?」
「………………………状況を見て考える」
「よし!」
「……お前、変態じみてきてないか?」
「私はこんな感じです。いつもどおり。フィーが可愛すぎるのが悪い」
「…まあ、お前が暴走しそうになったら、俺が容赦なくとめてやる」
「うんうん。よろしく」
「………はあ。それじゃあ、俺もう帰るわ。おやすみ、エル」
「ああ、おやすみ、ディー」
「はあ………」
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