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幼馴染み二人と村から旅立ちます
4 魔物討伐のご褒美
しおりを挟む右手はディーと、左手はエルと繋いで、僕たちは街道を進んだ。
たっぷりお昼寝したし、道のりの半分はおんぶしてもらってたから、体力気力ともに充実してます!
僕はちょっとした荷物をいれた背負い袋を背負ってるけど、ディーとエルは、それの他にも荷物を持ってる。僕も荷物持つよ、って言ったら、手を繋がれた。まあ、いいならいいや。手を繋ぐの好き。
「んー……、エル、フィーのことちょっと頼むな」
なんとなく周辺に視線を動かしたディーは、ついでと言わんばかりに荷物もエルに預けて、剣を抜いて駆け出した。
「任された。任せた」
エルの右手が、僕の左手をぎゅっと握る。
ディーが駆け出したほうを見たら、なんかいた。
「え、魔物?」
「うん。少し前からいたけど、近づいてきてるから、まあ、念の為」
こともなげにエルは言ってるけど、それ凄く危ないんじゃ?
「ディー、助けに行かないと」
「ディーは大丈夫。あれくらいなら、群れでも一人でどうにかできるくらいだから。でも、フィーは私から離れちゃだめだよ?」
「う……ん」
目を凝らしてみていたら、ディーの剣が何度か太陽の光を反射してキラキラしてた。
思わず、綺麗だなぁって見入っていたら、ディーがこっちに向かって戻ってくる。
「ディー!」
駆け出しても、エルは怒らなかった。安全になった、ってことかな?
「怪我は?」
「かすり傷一つないから。エル、戦利品入れといて」
「はいはい。あー、牙じゃん。一泊分の宿代くらいになるかな」
「ちょっと狙い外れたから、2個取れなかった。すまない」
「いや、いいんじゃない。十分でしょ」
僕、めちゃくちゃ焦ったのに、二人ともとっても冷静でびっくり…。ほんと、あっという間だったし…。
ディー、やっぱり強いんだ。
「ふふ」
なんか嬉しくなってディーに抱きついた。
ディーも笑ってぎゅってしてくれたよ。
それからの道のりの間も、時々魔物が出た。
今度はエルが前線に出て、ディーと僕はお留守番。
とってもいい笑顔で戻ってきたエルは、虹色の羽根っていう魔物素材を持ってきてて、僕に向かって両手を広げたから、ディーにしたように抱きついた。ふふ。強くて甘えたがりのエルも好き!
いつの間にか、僕の『ぎゅう』が、魔物討伐のの褒美になってたんだけど、なんで?まあ、いいや。二人にぎゅうして、ぎゅうされるの、好きだから!
目的の街についたときには、もう日が沈んでいて、宿屋を探して夕飯を食べて部屋に入った。
僕は村から出たのが初めてだから、街の様子とか物珍しくて、ふらふら歩き出しそうになっては、二人に手を引かれて怒られました。なんでも、僕は可愛いから、人攫いにあうかもしれないとかなんとか。悪いけど、二人が言うほど僕は可愛くないよ!
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