幼馴染二人と冒険者になりました!

ゆずは

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幼馴染み二人の成人のお祝いです

12 神官になることを決めた時のお話

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 ぽろぽろおちる涙がとまらないよ。
 そしたら、右の目のところにディーが、左の目のところにエルが、口をくっつけて涙をなめた。

「違うって。なんかもう色々と諦めた。フィー、俺達と一緒に村を出よう」
「ほんと……?」

「本当。なんか、4年も一人にしてたら、他の誰かに攫われる気がしてきたから。私達の近くにいてくれたほうがいい」
「足手まといにならない…?」

「ならない!……それで、フィーは神官になりたい?」
「うん。だって、二人とも癒やしてほしい、って。それに、怪我もたくさんするんでしょ?だったら、僕が怪我とか治せたら、二人の役に立てるよね…?」

「役に立てるとか、そんなこと考えなくていいのに。……でも、もし、フィーが癒やしてくれるなら、私達はとても助かるし、嬉しいな」
「ほんと?嬉しい?」

「嬉しいよ。でも、俺たちのために無理はしないで」
「うん!」

「それなら、安全に神官の資格が取れる場所をちゃんと選ばないと…。神官になるための修行中は宿舎に入るのが普通だって聞いたことあるし…。信頼できるところじゃないと、私達のフィーは預けられないよ?」
「宿舎……」

「色々情報集めておく。でも、フィー、無理はしてほしくないから、2年を目処にしよう」
「2年…?」

「いいんじゃないかな。んー、14歳から神殿に入ったとして、2年。毎日は会えないけど、私達も同じ街の冒険者宿に登録すれば、時々は会えるだろうし、手紙のやり取りもしやすいよ」
「……2年で、癒し使えるようになる…?」

「もし使えなくても、それでいいよ。そこで修行はやめて、俺達と一緒に住もう。癒やしが絶対必要なわけでもないんだから、俺達と一緒に冒険者をやってもいいし、教会や神殿に勤めることもできるだろうし」
「……でも、なんで、2年?」

「「俺(私)達が我慢できるぎりぎり限界だから」」
「………?」

「「フィーと長いこと離れて暮らすのは嫌ってこと」」
「……僕も、二人と一緒がいい……」

 ぽそっと言ったら、二人とも嬉しそうに笑ってくれた。

「でも……、僕、神官になれるかな…?」
「まあ……、正直なとこ、フィーは神官に向いていると思う」
「そうだね…。毎日、朝と夜にきちんとお祈りに教会に顔だしてるくらいだし。私達なんて、月に一度行くか行かないか…」
「だって、女神様に、ちゃんと感謝しないと、畑の恵みも少なくなるんだよ?」
「うんうん。だから、大丈夫だと思う」
「私も同意」

 女神様に感謝の祈りを捧げるのは、当然のことだよね?

 でも、それは人それぞれで、僕がやってることを、他の人に押し付ける気はないし、二人が僕のことを馬鹿にするようなこともない。
 僕が教会に行くとき、一緒についていってくれるし。………ついてくるなら、祈ればいいのに、とは思うけど、見守ってくれる二人のことが好きだから、別にいい。

 うん。
 決めた。
 よかった。
 僕、ずっとずっと、二人一緒にいられるよ!


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