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幼馴染み二人の成人のお祝いです
10 冒険者になることを決めた時のお話
しおりを挟む「ディーもエルも冒険者になるの?」
「ああ。もう決めたんだ。俺は、もっと世界を見たい。ここは優しくて穏やかでとてもいい村だけど、俺は、剣一本でどこまでやれるか試したい」
「ディー……」
「私も同じ。もっと見聞を広めたい。……私には結構な魔力があるから、それも使えるようになりたい。剣技じゃディーに勝てないけど、魔法も混ぜたら私が圧勝すると思わない?」
「エル……」
寂しくて勝手に流れちゃった涙を、二人が指ですくい取ってくれた。
「僕……二人がいないと寂しいよ……?」
「うん……俺もだよ」
「私も…寂しい」
「だから……だからな、フィー。こんなこと、まだ12歳のフィーに言うことじゃない、って、わかってはいるけど、でも、言わせてほしい」
「ディー……?」
「フィーのことが、誰よりも大切なんだ。家族よりも誰よりも、大切で仕方ない。ずっと傍にいたい。心から、愛しているんだ」
震えた声のあと、僕のくちに、ディーのくちが、ちょんって触れた。
なに、これ。どきどきする。
ぼーっとディーを見ていたら、エルの手が僕の頭をなでてくれた。
「私もね、ディーと一緒なんだよ。フィーが可愛くて仕方ない。泣いた顔も、怒った顔も、すねてるときのほっぺを膨らませた顔も、全部好き。私達に向けてくれる特別な笑顔が、一番好き。知ってる?フィーはね、私達にだけとびきりの笑顔をくれるんだ。家族にむけるものとも、他の人に向けるものとも違う、特別な笑顔」
「……わかんない」
「ふふ…。それでいいよ。私がフィーのことを心から想っていて、きっと、フィーも、私達がフィーのことを想っているのと同じように、私達のことを想ってくれてる。私達にはわかるから」
「………そう、なの?」
ディーがしてくれたように、エルも僕のくちに自分のくちをくっつけた。……やっぱり、どきどきする。
「愛してるよ、フィー」
「あ、い……?エル……?」
また、くちがくっつく。ふにふにと柔らかくて、気持ちよくて、……ずっと、してほしい。
さっきよりも長くて、ぽー…っとしてしまった。エルがくちを離すとき、ぺろりと舐められた。
じ…っとエルをみてたら、ディーの手が僕の顎の下をなでてきて、今度はディーがくちをくっつけてくる。
……ディーのも柔らかくて、気持ちいい。
うっとりしてたら、顎の下にあった手が僕の頭の後ろに当てられて、ぐいっと力を入れられた。
……そしたら、くっつけるだけだったくちが、すごくしっかり重なって……、くちのなかにディーの舌が入ってきた。
目を白黒させてしまう。なんか、身体が、ぽかぽか気持ちいい。
くちを離したあと、ディーがぎゅってしてくれた。
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