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本編
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柔らかな太腿に頭を載せて、静かな音色に耳を傾ける。
細く繊細な絹糸のように艷やかな白髪に指を絡めるが、指に留まることなくするすると流れていく。
それでも一房を指にとり、毛先に口付けをする。
髪と同じように白い肌に、うっすらと朱が差す様は美しい。……美しいが、同時に劣情も煽る。
「……マティは俺を煽るのがうまいな」
「私はそんなことしてませんよ」
「いいや。その微笑みと薄っすらと赤みが差す頬は、確実に俺を落としにかかっている」
大真面目に言いながらも、マティの美しい髪にまた口付けを落とすと、マティは目を細めて俺を見てから、ゆっくりと頭をなで始めた。
「執務でお疲れなんですね。…お休みください」
「歌を」
「はい」
ニコリと微笑んだマティは、中断していた歌を再び歌いだした。
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