【完結】ぼくは伴侶たちから溺愛されてます。とても大好きなので、子供を産むことを決めました。

ゆずは

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愛しい人を手に入れたい二人の話

咲かない花に焦れる十八歳の夏

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◆side:レイナルド

 セレスの熱が落ち着いてから数日が経った。
 体調は特に問題なさそうで、また笑顔を見せてくれるようになっていた。
 俺の口付けを受け入れるセレスは、口付けるたびに熱の籠ったような瞳を俺にむけてくる。
 そこには確かに俺に対する想いを感じるのに。

「……何故花が咲かない?」

 夜。
 セレスがぐっすり寝入った後、俺とアベルはほぼ毎日セレスの寝間着を寛げ、下腹を撫でていた。

「何か足りないのかな…。そんなこと、どこにも書かれていなかったけど」

 セレスの花籠は確かに表れた。下腹には薄っすらとその姿が浮かびあがっている。
 けれどそれは白っぽく、全く色がつかない。
 花籠に色がつく――――『花』が咲くと、揺籠の準備が整いつつある証になる。
 花が咲いた直後はまだ揺籠の準備は整わない。子供を孕むことはできない。
 薄い桃色から、鮮やかな桃色へと変化が終われば、それは揺籠の準備が整ったということになる、はずなのに。

 何が原因かはわからない。
 あの発熱のときに薄っすらと花籠がその姿を見せ始めたのだから、現出時の症状とするのは間違いがないはずなのに。
 数日が経っても、セレスの花籠は変化を見せない。

「…口付けだけじゃ駄目か」
「起きてるセレスと口付けてるのに、何贅沢なこと言ってんの」
「……いや、口付けていれば想いは伝わるかと思ったんだが」
「セレスがそれに気づけるほど他人の感情に敏感とは全く思えないね」
「………愛していると口に出したら、止まらなくなりそうで自重していたんだが」
「これだから下半身馬鹿は……」
「ん」
「ん?」
「抱けばいいのか」
「ちょっと?」

 深く眠ったままのセレスに口付け、あたたかく甘い舌に吸い付いた。

「ん…」

 眠ったままでも漏れる吐息。

「…アベル、セレスを抱く」
「僕の意見は?」
「聞かない」
「…僕だってセレスのこと抱きたいんだけど」
「それは駄目だ。これからの計画にセレスを巻き込むことになる」
「僕、かなり貧乏くじひいてる気がするんだけど…?」

 そう零しながら、アベルはセレスの乳首に吸い付いた。
 ゆるく勃ち上がった陰茎を口に含み、ひくりと蠢く蕾に指を這わせた。

「あ……ぁ……」
「あー……可愛い……」

 アベルは胸元から離れ、セレスの足元に移動し、足を押し広げた。
 そのまま小ぶりの尻に顔をよせ、俺が撫でていた蕾を舌でなぶる。

「ん……、いい匂い」
「ぁ……ぁ……ぁん……」
「……やっぱり愛液が出てる。揺籠は機能し始めてるね」

 アベルが舐めていた蕾に指を押し入れると、確かにそこは濡れそぼり、熱く蠢いていた。俺の指を美味そうにしゃぶるアナルに、アベルの指も入ってくる。

「愛液の量すごい…。なんでこんなに準備できてるのに、花が咲いてないんだろ…」
「ああ……」

 本当に、セレスの体は一体どうなっているんだろうか。







◆side:アベルシス


 レイが抱くと言った翌日、レイは本当にセレスを抱いた。
 しかもそれは夜が更けても続いていて、セレスの意識は朦朧としているのに、レイの腰振りが止まらない。

「あ……あっ、あん、あんんっ」

 僕が部屋に入ったことにも気づかないセレス。
 レイはちらりと僕を見て、更に強く腰を打ち付けている。

「セレス……愛してる、愛してる……っ」
「ん……ぁ、ぁ、ぼくも、れい、れい、すき、すき……っ」

 セレスの言葉に胸がズキリと痛む。
 その言葉を僕にもむけてほしい。

「奥に出すぞ……孕め、セレス……っ」
「ひゃぁぁぁん…!!」

 セレスの足がピンと張って、可愛い濡れた陰茎から色のない液体が噴き出た。
 セレスはそのまま意識を飛ばしたのか、綺麗な瞳は瞼に隠れてしまった。

「アベル」
「なに」
「花籠が」

 いまだにセレスから抜こうとしないレイが、それでもセレスの足を下ろして僕を呼んだ。酷く愛し気な瞳で、セレスの下腹部を撫でながら。

「……ほんとだ。今朝より色が濃くなってる」

 セレスの白い下腹部に、薄っすらとした桃色が浮かび上がっていた。
 …白い肌には、大量の白濁も飛び散っていたけれど。

「…揺籠の口は開いた?」
「いや。結腸までは行けたが、口は開いていない」
「そっか」

 レイは何度か腰を振ると、ゆっくりとセレスの中からペニスを抜いていく。
 ほんと、凶悪なペニスだな。閨教育でしか使ってないはずなのに、赤黒くて血管ビキビキで、太くて長くて………って、かなり出しただろうにまだフル勃起って。王族の性欲、やばくない?

「……初めてのセレスにここまでやるなんて」
「言っただろ。止まれなくなると」

 白濁まみれのセレスを見ていたら、すごく、すごく、もやもやしてきた。
 自分の精液もあるだろうけど、量がとんでもないから、大半はレイの精液ってことだ。

「手加減とかさぁ、そういうのないわけ?あー……ほんっと、羨まし……っっ!」

 ぐちぐちとレイを責めながら、白濁に濡れて淫靡なセレスや、体液でぐちゃぐちゃになってるベッドや、いまだに勃起した陰茎にセレスの愛液を纏わせているレイにむかって、洗浄魔法をかけた。風呂にも入れるけど、もうとにかく目の前の毒をどうにかしたい。

「…俺にまでかける必要ないだろう」
「腹立つんだよ。セレスの愛液纏わせてニヤニヤしてる顔がっ」

 ……ってレイと言い合ってると、セレスが目を覚ました。
 そしたらどうしてか僕に泣いて縋ってくる。
 少しだけ留飲が下がった。
 セレスは僕のこともちゃんと好いてくれている。
 今はまだ言葉にはでてこないけど。
 早く、その想いにちゃんと名前をつけて。



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